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「リビングは南向きに拘(こだ)わらない」
今回も独断と偏見で旧暦のお話から入らせていただきます。
冬至 次候 糜角解つる(しかのつのおつる)
御用納めと仕事納め
今日は、今年、一年でにいちばん、「お疲れさまでした」の挨拶を交わす一日かもしれません。
官公庁や公共施設は、今日が今年の仕事を終える「御用納め」。それにならい、多くの企業や商店も「仕事納め」となります。
仕事納めの風景はさまざまですが、終業後に軽くお酒を酌み交わすならわしがある会社も多いようです。
また、社員総出で大掃除、というところもあります。
一年の仕事を支えてくれた人、モノ、コトへの感謝とともに、自分自身への「お疲れさまでした!」も忘れずに。
家事は納めようがない!という方も、今日は家事の手を休めて自分をねぎらいましょう。
【御用納め】
御用納めは官公庁で今年一年の仕事を終わりにすることを意味し、たいてい12月28日になります。対になるのは1月4日の「御用始め」です。
【Uターンラッシュ】
年末年始を生まれ故郷や実家過ごすための大移動がはじまります。
また、海外旅行に出向く方の出国ラッシュも各地の空港でスタート。混雑は疲れも倍増しますが、のんびり過ごすお休みを思えばなんのその、ですね。
「リビングは南向きに拘(こだ)わらない」
『どんなふうに暮らしてみたいですか?』とたずねると、「気持ちのいいリビングでくつろぎたい」と、圧倒的に多くの人がそのような答えが返ってきます。
そうです、いいリビングの第一条件といえば、「気持ちよさ」といってもいいかもしれません。家の中でいちばん気持ちのいい場所を、みんなが寛(くつろ)ぐ部屋にするのが理想です。
まず大切なことは、?リビングが外から丸見えにならないこと?です。当然といえば当然かもしれませんが、人が寛げるのは、どのようなときだと思いますか?
それは、他人からの視線を感じないで済む状況のときだと思うのです。
「南向きのリビングがいいなぁ…」と拘る気持ちも分からないでもありませんが、南側に幹線道路が走る家もあるし、南側にアパートやマンションが建っている家もあります。
いくら南側にリビングをつくっても、ゴミ袋を提(さ)げて階段を降りる住人や、引っ切り無しに訪れる営業(セールスマン等)の姿を見ながらでは、寛ぐどころではありません。
もちろん、覗(のぞ)かれるのも以(もっ)ての外でし、勘弁してほしいと思われるはずです。建売住宅を購入したWさんの息子さんご夫婦から、入居前にプラン変更のリフォームを依頼されたときのことです。
もともとのプランは2階の南側にリビングがある間取りでしたが、南側には隣のアパートが敷地ギリギリまで迫って建っています。圧迫感はあるし、人の視線が気になって、寛ぐどころではありません。
そこで、広い川に面している北側の2階にリビングを配置することにしました。ルーフバルコニーのようなベランダを東側から北側にかけて、車庫の上に設置、窓を大きなテラス窓にしたことで、驚くほど明るく開放的な空間となりました。
北側の2階は当然、川よりも高いので、人の視線も気になりません。広く開けていて、光を遮るものがないため、朝は東からの光、夕方は暖かな西日が差し込んで、とても快適です。(夏の西日は最悪だと思いますが…当然ながら西日対策は十分にしたつもりですが…
南↑
北↓
2階建て住宅を建築し、着工前にプラン変更のリフォームをしたW様邸。
リビングは当初2階南側にありましたが、目の前にアパートやマンションが密集していたので、リビングを思い切って北側に移動しました。
北側は歩道を挟んで、大きな川に接しているので、2階ならばかえって視界が開けるのです。大きなテラス窓を設けたことで、北側でも十分に柔らかな明かるさが得られます。
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また、リビングをつくる際には、そこが、美しく暮らせる場所になりうるかどうかを検討することも重要です。庭に面した南側にリビングをつくったとしても、その庭が洗濯物干し場になっていたら、興ざめしてしまうのは必至です。
台無しです。
どんなに日当たりが良く、明るいリビングでも、外を見ればシーツやタオルや下着がはためいている…。では、ちっともうれしくないでしょう。まさに興ざめしてしまいます。
その上、季節の花が咲いたことにも、気付かないことにも、気付かないかもしれません。?ほんとうに気持ちのいいリビングをつくりたいなら、洗濯物を干す場所のことまで考え、決めなければいけないと思います。
南側だからといって、明るいとは限らないし、寛げるとも限りません。?南からの日当たりに拘らなくても、工夫次第では心地いいリビングをつくることはできる?はずです。
まずはその家でいちばんいい場所を探すことから始めてみてはいかがでしょう。