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吊り戸棚は低く、浅くがいい!
今回も独断と偏見で、旧暦のお話から、入らせていただきます。
大暑 次候 土潤いて溽し暑し
花火見物の夜
この時期の風物詩は、なんといっても各地で行われる、花火大会ですよね( ˶˙º̬˙˶ )୨⚑”💕🤗
写真家の木村伊兵衛(いへい)が撮ったモノクロ写真に、ポーンと上がる花火をバックに、家の屋根に上がる人のシルエットが浮かび上がった一枚があります。懐かしい心の原風景のような一瞬です。
夏の夜空に打ち上がる花火は、心のもやもやまで吹っ飛ばすような威勢よさや、パララ・・・・・と火の粉が宙を舞う情景が胸にしみるような静けさがあって、情緒深いものです。
隅田川では毎年、七月の最終土曜日に花火大会が行われます。
ところが、なんと、令和2年の今年は新型コロナの影響で、残念ながら中止となってしまいました。各地でも盛んに花火大会が催される時期でありながら、軒並み中止で各地で花火が大量に余ってしまっているようです。
来年こそは、夕涼みがてら一緒に出かけて二人寄り添って花火見学でもといきたいところですね。
大暑の時期らしい七十二候の季節がこの、土潤いて溽し暑し(つちうるおいてむしあつし)です。七十二候の名前をすべて並べてみて、もっとも暑そうなのが、この候です。ムワッと湿気のこもった熱気が、いまにも地面から湧き上がってきそうです。想像しただけでもくらくら…としてしまいます。まとわりつく熱気で蒸し暑いころという意味で、およそ7月27日から8月1日ごろのことです。
吊り戸棚は低く、浅くがいい!
高くて手が届きにくい吊り戸棚は、滅多に使わないものをしまっておく収納場所になりがちです。よほど背の高いかたでもなければ経験ありますよね。
そこでオレは、今までの使っていたキッチンの吊り戸棚よりも数十センチ下げることを提案しています。全体を下げるだけでものが取り出しやすくなります。そして使い勝手はぐんとアップします。
ただし、既存の位置から下げるとしたら棚の上に空間が空いてしまいます。一見無駄にも思えますが、そんな心配はご無用です。何かに乗らなければ届かないさらに、(中が目線より高くて)見えない収納量は、あったとしてもほとんど使えないのです。
なので、収納量は変わらなくても、低くなるだけで、何十倍も使いやすくなるはずです。棚上に埃がたまるのが気になる場合は、壁や扉で塞いでしまえばいいのです。
もうひとつ大きな利点があります。清潔に使えるようになることです。高くて見えにくい吊り戸棚は、棚の中が大変見えずらく、埃がたまっていることに気づきにくいのです。
ところが、戸棚の位置を下げれば、棚の奥まで見やすくなります。埃も気がついたときにちょこちょとっと簡単に払えるので、たった数秒で終わりです。場合によっては指先でスッとなでるだけでも大丈夫です。もちろんそのあとは指をさっと水で流してくださいね(笑)
ただし、下げる位置によっては別の問題も生じます。オレが以前、吊り戸棚が高くて無用の長物に成り下がっていることに気がついたとき、建築中のお宅で、思い切って大工さんに30㎝下げてもらいました。
断然使いやすくなった収納に誇らしげな気持ちでいたオレでした。ところが、ある日の調理中、このお宅のお施主さんのご主人が、この吊り戸棚の角に頭をぶつけてしまいました。
とんでもないことを良かれと思いやってのけてしまったのです。
そのとき吊戸棚には危険ゾーンがあることを思い知らされました。それは、身長マイナス10㎝ー目の位置から頭頂部にあたるこの高さは、死角になる部分なのだと肝に銘じました。吊り戸棚を下げるときは、身長マイナス10㎝よりも低い位置まで下げなければならないということでした。そうすれば棚の中もよく見えますし、危険にもなりません。ちなみに目線の高さのことをアイレベルといいます。その上下20㎝の範囲は、もっとも取り出しやすく、作業がぐんとラクになるはずなのです。
ところで、吊り戸棚に扉をつける場合は、上から下まで1枚につながったものにすることが重要です。大切なのは、扉を開いたときに全て見渡せることです。ふだん使わない重箱などは上の方の棚でもかまいません。取り出すときに踏み台などを使わなくてはならない場所でも構いません。
図
吊り戸棚を低くすることで、棚の中を一気に見渡せて、使わない食器が少なくなる。ただし、高さによっては頭をぶつける危険もある。身長-10㎝より低く下げることで角が頭部より下がって視界に入ってくるので危険度は極端に下がります。163㎝のOさんのリフォームでは、吊り戸棚の底面が身長-33㎝になるように設計しました。
扉を開けるたび、重箱はあそこにあるな❗️と、意識できることが必要なのです。毎日、ふだんの器を取り出すのに扉を開くたびに目にしていれば、いざというときに迷わず取り出せるのです。また、既製品だと奥行きが37㎝くらいのものが多いのですが、これでは深すぎると思います。見やすさを考えれば、浅いほうがずっといいのです。外寸30㎝、内寸では25㎝くらいで十分ではないかと思います。奥行きが浅ければ、圧迫感も当然見違えるほど感じなくなるのはいうまでもありません。