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キッチンを制するものは家づくりを制す
今回も独断と偏見で旧暦のお話から入らせていただきます。
小満 末候 麦秋至る(ばくしゅういたる)
虫送り
これからの季節、各地の水田で、しっかりと根を張った稲がすくすくと成長しています。
秋の収穫まで農家の方々の心配は尽きませんが、農薬のない時代、とくに害虫の発生は恐ろしいものでした。
もちろん、農薬を使うことがいいとは思ってません。ですが、そのため、昔から6月になると行ってきたのが、「虫送り」なんです。
藁(わら)でつくった大きな人形を川へ流したり、燃やしたりすることで害虫除けを願う行事です。
西日本では、「実盛送り(さねもりおくり)」の名前でも受け継がれています。
キッチンを制するものは家づくりを制す
【1ちょっと待った!親の個室にミニキッチン】
両親と同居する二世帯住宅とは別に、高齢の母親(あるいは父親)を呼び寄せて一緒に暮らすというような同居の形もあります。
このような場合、親の部屋を南側にある日当たりのいい場所にーと考えがちです。もちろん考え方としては正解なのです。ところが、最も気持ちのいい部屋を親の個室にしてしまうと、そこにこもって出てこなくなってしまうという可能性もあります。
随分前から、子どもの引きこもりが問題になっていますが、意外なことに高齢な親の隠れ引きこもりも問題になってきているのです。
歳を取ると、ただでさえ体を動かすのがおっくうになってしまうのが一般的だと思っておいたほうがいいと思います。望ましいことではないので、できれば、家族がみんながいるリビングに出てきて、一緒に過ごしていただきたいのです。
リビングやダイニングのほうが特に昼間は、光もたくさん入ってきて一日中暖かい、リビングのソファからは庭の植木の様子を眺められる、など、自分の部屋よりも、みんなが集うリビングに出てきたくなる。そんな間取りにすることをお薦めします。
同じ理由で、高齢の母親(あるいは父親)の個室に道キッチンを併設するのも、もってのほかだといえます。ひとりで簡単な食事までつくれてしまうような部屋はお薦めできません。
お腹が空いたら家族みんながいるダイニングに出てくればいいのです。お茶を飲みたくなったら、家族と一緒のキッチンで入れればいいのです。
何もかも個室で済ませるようでは、同居の楽しさも半減してしまいます。親はできるだけ若いものに世話を焼かしたくありません。それに、ちょくちょく親の様子をうががえることのほうが、子どもとしても安心なのです。
【2 キッチンに求められるのは、第一に掃除がラクなもの!】
昔のキッチンの壁はタイル張りが多く、目地が汚れやすく、掃除が大変でした。実際頻繁に掃除をしても、水分を拭き取らないでいると、カビてしまいます。
そうなると、もう目地の奥に根を張ってしまい、黒ズミはほとんどとれなくなってしまいます。
それに比べて現在の主流であるキッチンパネルという素材は、水に強く汚れにくいのが特徴です。サッと拭くだけできれいになってしまうので掃除は大変ラクなのです。
その上、タカラのホーローキッチンパネルなどは、熱にも強く、表面硬度がダイヤモンドと同等なので、スチールブラシで擦っても傷が付きません。
つまりは、焼け焦げなどのこびり付いた汚れも削り落とすことまでできてしまいます。その上、ホーローは金属なので化学物質が使われていないので、アレルギーをお持ちの方でも安心という、夢のようなキッチンですよね。
ところが、タイルには、独特の味わいがあるのですが、そのタイルの持っていた味わいだけは、ホーローキッチンパネルでも今のところ望めません。
ですから、「もう少し楽しいキッチンにしたい」と考えるなら、たとえば、大きめのタイルを貼るという方法もあります。20cm角くらいのタイルを使えば、陶器の持つ温かな質感は楽しめます。
そして、タイルが大きい分、目地が少ないので、掃除も昔ほど面倒にはならないでしょう。
ただし、この大き目のタイルにも欠点があります。逆に目地が少ないことです。タイルの独特の醍醐味には、目地も含まれています。
ですから、モザイクタイルといって、23センチ角くらいのタイルをキッチンの壁一面に貼ったりして楽しみます。
キッチンパネルにしても、タイルにしても自分は何を求めているのかを考えてみる必要からは逃れられないのかもしれません。
次に手入れのし易さでいえば、カウンタートップのお薦めは、デュポン社の「コーリアン」に代表される人工大理石があります。こちらはホーローキッチンパネルのようにさすがに金ダワシというわけにはいきませんが、ナイロンたわしで磨いても傷がつきませんし、耐熱温度も280℃と、大抵の熱は心配ありません。
ただし、同じ人造大理石でも、ナイロン製のものはそうはいきません。先ほどのデュポン社の「コーリアン」のようなアクリル製の人造大理石でなければ、なりませんので注意が必要です。
他にもステンレス製のカウンタートップも人気がありますが、意外に傷が付きやすいのが難点です。ナイロンたわしで磨き続けると表面がはげてしまい、傷がつきやすくなるほか、もらいサビの心配もあります。これもステンレスのクオリティにもよりますので、よく確認しておくことが必要です。
逆にシンクはステンレスが安心だと思います。ある程度の弾力性が備わっているので、皿やグラスを置いても大丈夫です。ただし、傷は付きやすいので、ナイロンたわしなど硬めのスポンジは避けたほうがいいと思います。
ステンレス用のステンレスたわしで磨くことをお薦めします。
【3給排水管は、ほんの3、40cmでも、取替えるべき】
水まわりの土台は、長年使っているうちに劣化して傷んできます。
他の土台に比べて、著しく劣化しています。同じ水回りでも、在来工法の浴室の土台が最もひどく傷んでいる場合が多いのではないかと思います。
その次にキッチンの土台廻りの傷みが著しいと思います。
キッチンの場合、傷むのは給排水管と周辺土台です。給排水管の中には年中、水やお湯が通っているのですが、いくら断熱しているとはいえ、湿気ってしまうのが現状です。
とくに冬の気温が低くなるときには、熱い湯を流すことで排水管の内外に温度差が生じてしまい、結露がどうしても発生してしまいます。これは避けることが困難だと思っています。
これを何度も何度も繰り返すわけですから、給排水管は老朽化しないほうがおかしいくらいの部分なのです。当然、周辺土台も老朽化しています。
ところが、たとえキッチンそのものの位置が変わらなかったり、多少位置を変えなくても曲げたりして古い給排水管をそのまま使ってしまうところが大変多いのが現状だと思います。
そこでご提案です。キッチンのリフォームをする際は、どんな場合でも給水管だけは、できるだけ曲げたり伸ばしたりせず、正式な位置に場所を移動し、取替えましょう。
とはいっても、給排水管のまわりだけなら、およそ20cm四方です。それを3、40cm動かすだけでも効果は抜群です。それほど大変な工事にはなりません。」
だいたい、給排水管というのは、いつも隠れていて見えない部分にあるので、このようなリフォームの機会でも泣ければ、劣化しているかどうかの見極めがしにくいのです。
だいたい、3、40年以上前の古い給排水管は、どうしても年数とともに錆びてしまう鉄管が使われていました。ところが最近では塩化ビニール管が当たり前となっています。錆びない上に、ある程度管を自由に曲げられるので、水を滞りなくスムーズに流すことが容易になっています。