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「表と裏の顔があるキッチン」【キッチンCASE1】

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今回も独断と偏見で、旧暦のお話から、入らせていただきます。

清明 末候 虹始めて見る(にじはじめてあらわる)

初虹

にわか雨が止んで雲の切れ間から太陽が差し込んだら、今年はじめて架かる「初虹」を見るチャンス。

空気中の水滴に日光が反射して発生する虹は、今頃からあらわれやすくなります。太陽に背を向け空を仰ぐのも、虹を見つけるコツだそうです。

ところで、7色の虹の色を順番に言うことができますか?

正解は外側から「せきとうおうりょくせいらんし」。赤・橙・黄・緑・青・藍・紫の音読みです。

呪文のような響きのせいでしょうか、私はついつい唱えたくなり、虹を見つけるたびにブツブツと呟きながら確認してしまいます。

そして…

七十二候で清明の末候は、虹始(にじはじ)めて見(あらわ)る。その年初めて、雨上がりに空に虹がかかるようになるころ、という意味で、およそ4月15日から19日までの季節です。

いまでは虹は七色と思って眺めていますが、国や時代によって色の数はまちまちでした。昔の日本や中国、イギリスでは、虹は五色と考えられていました。

ちなみに飛行機から眺めると、虹の円環を眼下に見かけることがありますが、それは霧や雲によるブロッケン現象というものです。

確かに虹を観ても、境い目の色はなかなか区別がつかない曖昧な部分があります。

例えば日本では藍色などの色が当たり前に色分けされますが、欧米では青でしかないようです。そのような色の存在がないので、色分けできないようです。

また、同じように、虫の聲も分からないといいます。鈴虫やコオロギの聲を日本人は癒される風流な音としてとらえますが、海外では騒音としか聴こえないようです。

不思議なことですが、日本人には和歌や俳句などの題材になるようなDNAを先人から受け継いでいるのかもしれませんね。

「表と裏の顔があるキッチン」【キッチンCASE1】

 

2つの顔を持つキッチン

表のかをと裏の顔との繋がりをもつこれからのキッチン

【快適なキッチンづくりのポイント】

  1. 食卓(ダイニング)との繋がりを考え、キッチンのタイプを決める。ダイニングとの一体感がほしいならオープン型に、キッチンを隠したいタイプならクローズ型がいいでしょう。
  2. 勝手口やサニタリー、家事スペース(主婦コーナー)との動線を考えることで、家事がやりやすくなるのです。
  3. キッチンの型、I型、L形を決める前に、調理の「準備⇒調理⇒配膳」の流れが滞りなくスムーズにいくように配置を優先して考える。
  4. 冷蔵庫は、調理をしていない人も使うので、キッチンの奥にしてしまうと、動線が重なり合ってしまい最悪の配置となってしまう。キッチンの入口付近に配置するほうがいいと思います。もちろん行き止まりのない、動線であれば、その限りではありません。
  5. 広めのカウンターは、いろいろな調理器具を置いたり、配膳の場にできるため、調理や盛り付けの効率が格段に向上します。

【ワンポイントアドバイス】

キッチンには水・お湯・ガス・電気が必要です。また、煙対策のためや新鮮空気の入れ替えのためには換気も重要なアイテムとなります。そのため、サニタリーや勝手口との関わりが重要ですが、最近では家族が集まるダイニングやリビングとの開放的な繋がりも求められるようになっています。

また、一方では作業のしやすい空間配置の要望が高まっています。

今求められているキッチン

①ダイニングに繋がる表の顔があり、一方勝手口やサニタリー(洗面脱衣、洗濯室、浴室など)などに繋がる裏の顔もあります。

②キッチンの型はI型、L型、対面型、アイランド型などバリエーションは多彩です。またダイニングとの繋がりもクローズ型、オープン型、セミオープン型などさまざまです。

③広めのカウンターがあると、調理作業や料理の盛りつけのときにも大変便利。

【表と裏があるキッチンの素顔】

 

[伝統的な町家の間取りと台所]

伝統的な町家の間取り

伝統的な町家の間取り

昔の町家でも台所はザシキ(表側)と繋がり、通り庭(通路)として裏庭(裏側)にも繋がっていた。

【家の奥にひっそりと隠れるように存在していた昔のキッチン(台所)】

歴史的に見ると、古くから日本のキッチン(昔のイメージでは、台所という感じのほうがピッタリあてはまるかもしれませんが…)は、家の中でも隠れた存在で、奥の方にあるのが当たり前でした。

これは、家の裏側にある井戸から水を汲んでくるためでもあり、かまどを使うために発生する換気の問題は、避けては通れないものだったからなのです。

当時の台所は床も土間で、そこにかまどがあり、人が土足で通り抜ける道のようなところでした。台所は家の奥の隠れた存在でありながら、実際は機能的で、人の集散や流れも考えると実にいろいろな使い方ができた多目的な空間だったのです。

【住宅の欧米化につれて徐々にですが、表舞台へ】

大正時代半ばの住宅改良運動の中で、文化住宅とよばれたものがあります。住宅の中に積極的に西洋文化を取り入れて、それに合わせて生活を変えていった時代です。いわゆる欧米化(笑)です。

その影響でキッチン配置もあり方も随分と変化していきました。ですが、このころのキッチンとダイニングは必ず個別の部屋として分かれていました。

たしかに機能的に進化してはいましたが、調理などで発生する臭いの問題、調理しているところは極力見せないという文化や感覚の違いがまだまだあった時代だと思われます。

家の中の位置は、まだまだ後ろ側であったり奥のほうで、裏方的な存在でした。女性の地位と比例しているかもしれません。その他の水まわり(浴室やトイレ)などとの繋がりも強い時代でした。

 

大正時代の文化住宅

大正時代の文化住宅

水道やガスは普及しはじめたが、換気の問題や文化的に感覚の違いもあり、まだまだキッチンは表舞台に出てきているとはいえない。

大正時代の台所

大正時代~昭和初期の台所

昭和初期の台所

昭和初期の台所 戦前から戦後初期

昭和のキッチン

昭和のキッチン キッチンは北側に追いやられ暗かったので天窓を設えたりして工夫の跡が見られる。

【食卓とのつながり、家事全般にも対応するオールマイティースペースに】

現在、キッチンは完全に主役の座を獲得し、表舞台に顔を出しつつあります。それは、家族の集まるダイニングと接合した部屋へと変わっていったからでしょう。

今、キッチンを計画する際に、大切なのが、2つの繋がりに注目する必要があります。

ひとつはダイニング(食卓)との繋がりーこれが、ひとつめの顔「表の顔」です。食卓と繋がることは、家族が集まる家の中心に向かうことになります。キッチンとそこに面した食卓のスペースを「家族室」などと呼ぶ場合もあるそうです。

食事をするだけでなく、家事をするお母さん(お父さんも家事をする場合はおとうさん)と、宿題などをする子どもが共に過ごす家族室は、まさに家の中心的な存在に違いありません。

もうひとつは、家事スペースや水回りと勝手口への繋がりーこれがもうひとつの顔「裏の顔」です。家事空間とは食品庫、洗濯空間、洗面室などを考慮しつつ、主婦に配慮した空間のことです。

これからの主婦には、ネットでレシピを検索しながら調理し、その合間に洗濯やアイロンがけができるようなマルチな空間が必要となります。

おそらく家事がぐんとやりやすく、機能的で高効率なキッチンができあがるでしょう。また、勝手口などとの繋がりを大切にする発想は昔の台所にあった土間空間のような知恵から生まれてきたものだといえます。

このように、食卓に向かう「表の顔」だけでなく、家事全般と関わる裏方となる「裏の顔」も大切にすることがキッチンを使いやすくする秘訣なのです。

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昭和の懐かしキッチン

昭和の懐かしさを敢えて現在のキッチンに生かしている

こっちが裏の顔(勝手口側
①機能的には裏方となる「裏の顔」が必ず必要になってきます。

②その他の水回り(サニタリーや浴室など)にも繋がる(出入り口)

こっちが主役となる「表の顔」
③食卓との繋がりが強まり、今後もどんどん開放化していく

現代のキッチンの姿

現代のキッチンの姿 主役(表の顔)と裏方(裏の顔)の繋がりは重要

【ますます開放化して「表の顔」に向かうキッチン】
キッチンはダイニングとの繋がりがますます強くなり、家の中心的な存在となってきました。どんどん「表の顔」としての役割が強くなってきていますが、一方で、機能的には裏方としての勝手口やサニタリーなどとの繋がりとしての「裏の顔」の役割が無くてはならなくなってきます。

by株式会社 大東建設 阿部正昭

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