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【できる子に育つ子ども部屋のつくり方[ステップ2]】

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【できる子に育つ子ども部屋のつくり方[ステップ2]】

勉強が手につかず成績の上がらない子には、共通の特徴があります。それは、片付けが下手で、いつも身の回りが散らかってしまうことです。一方で、勉強のできる子の部屋は、うまく片付けられ整理整頓されています。

整理整頓の習慣が学力の向上に密接に結びついていることは明らかなのに、整理整頓についての基礎的な教育、つまり「収納の技術」を子どもに教えるということは、まったく無視されてきました。

収納の技術とは、単にモノの整理整頓にとどまらず、「情報や知識の整理」にも通じる、きわめて重要なテクニックです。きちんと整理収納されたスペースには多くのものを収めることが可能となり、取り出すことも滞りなくできるのです。

身近なモノの整理をきちんとできる習慣や技術を教えることは、情報や知識を上手く整理して、「頭脳という頭の中の整理棚に収納(記憶)し、上手に出し入れできる能力」を身に付けることに繋(つながります。

あくまでも押し付けではなく、お子さま自身が楽しみながら「整理整頓」という習慣を身に付けるためには適切な教えが必要となります。

ちらかった子ども部屋を見るたびに「早く片付けなさい!」と頭ごなしに叱ってばかりいませんか?これはかえって逆効果のようです。
実際、私自身が悪いほうの例で片付けができない大人になってしまいました。

ところが、整理収納アドバイザーの上級資格取得まで鍛え直した結果、大分まともになり、整理収納のメカニズムを知らなければ、「片付けなければ」といくら気にしていても無駄だということが分かるようになりました。

なので、まずは、親がしっかりと収納のメカニズム(理論等)を理解し、覚え、そのコツを分かりやすく教えてあげてください。言い換えれば、分かりやすく伝えることがコツなのです。

すっきり片付く暮らしの気持ち良さは、生涯にわたって子どもの人生を「ポジディブ」なより良いものに導いてくれることでしょう。

今回、第2ステップからは、家庭生活の中で整理整頓の習慣と収納の技術が身につくコツと、勉強のできる子に育つ子供部屋リフォームについて具体的に解説してまいります。

前回は、第1ステップをお伝えしました。前回の記事のリンクを貼っておきますので読みたい方は青字をタップしてみてください。

 第2ステップ 親子の関係から考える 

■子ども部屋は必要?不要?

住まいの中で子ども部屋ほど親子関係や家族生活、その国の文化などを反映している空間はありません。

不登校や引きこもりが社会問題化した1980年代以降、子どもに個室を与えることで親子のコミュニケーションが希薄になり、様々な問題が起きるようになったと考える教育関係者や建築家が現れてきました。

この結果、「子ども部屋をなくそう」いう意見が出てくるようになりました。ですが子ども部屋が子供をだめにしたり、勉強のできる子に育てたりするわけではないことは明らかです。

子育ては親が行うものです。現実の親子関係が子ども部屋という鏡に写し出されているにすぎません。

私は、海外の家の優れた収納システムに携わってきた関係で、多くの欧米の家庭を訪問し、その収納の技術や、暮らし方に直接触れる機会を持つことができました。

この経験を通して、現在、日本で問題にされている不登校や引きこもりなど子どもの問題は、日本独特の親子関係、特にコミュニケーションの取り方の誤りが現れているのではないか、という思いを強く持つようになりました。

そこで、日米の親子と子ども部屋の関係を比較して考えてみたいと思います。

日本の母親の多くの意識が「すべてに子ども優先」なのに対して、米国では「自分と子どもが同じ程度、もしくは自分優先」という、大きな違いがあります。

親は子育てに埋没することなく、親自身もひとりの人間として成長を続け、人生を楽しむ姿を子どもに見せよう、という思いがあるようです。

まず、この違いは親の権威という点に現れてきます。米国では本来、他人に対してしっかり「自分の意見を言える」という態度を重要視しますが、親に対しては「理由のいかんにかかわらず、親の言う通りにする」というのが普通です。これは幼児であれ高校生であれ、同じです。

日本では文句を言いながら従うというのは良いほうで、無視するか反発されるのが普通です。日本の父親の権威は欧米のそれに比べた場合、ずいぶん低いようです。

■【部屋に閉じ込めて叱る米国、追い出す日本】

つぎに、私が興味を持ったのは子どもの叱りかたです。

米国では子どもを叱る時は子ども部屋に閉じ込めて、自由を束縛することで反省をうながすのに対して、日本では「悪いことをする子は家から出て行きなさい」と言って、米国とは逆に子ども部屋から追い出そうとします。

この2つの子ども部屋の使い方の違い(閉じ込める、追い出す)は、まさに個人主義と集団主義の違いを象徴しているように思えます。

そして、米国の子どもは小学校高学年にもなれば、子ども部屋の掃除・衣類の収納・家具の配置変えなどの管理を、当たり前のように自分で行います。

親が子ども部屋に入るときというのは「会話」が目的の時に限られます。だから、必ずノックして子どもの許可を得てから子供部屋に入るのが当たり前になっています。

これに対して、日本では子ども部屋を「勉強部屋」と呼び、子どもが勉強に集中できるようにと、掃除から片づけ、家具の配置変えまで親がすべて行ってしまいます。

そして、「子どもの世話をする」という行為が子育てそのものであり、いかにこまめに世話をしてあげるかが愛情である、という認識が当たり前のようです。

■【「世話型」から「会話型」のコミュニケーションへ】

欧米では親子の会話を中心とした「会話型コミュニケーション」であるため、親は子どもが早く一人前になって、対等なコミュニケーションが成立することを楽しみに子育てをすすめます。

それは親からの一方通行ではなく、子どもの方にも親との関係を大切にする態度が自然と生まれ、双方の積極的な意志と努力に支えられています。

日本の場合は、子どもの身辺の世話をすることが愛情の表現であり、コミュニケーションであると捉える傾向があり、子どもの身の回りの世話をする「世話型コミュニケーション」といえます。

ですから、子どもが成長して自分で身の回りのことができるようになると、世話の機会がどんどん減少していきます。そして会話もなくなりがちになります。

特に、日米差が顕著に現れるのが「相談相手」で、年齢が高くなるにつれ日本では、友人を選ぶ子どもが増加しますが、アメリカでは母親や父親を相談相手にあげる子が多く、それは年齢が高くなってもほとんど減らないようです。それに対し、日本では年齢が高くなると親への相談が減少しています。

このように日本では「世話型コミュニケーション」が子どもの自立と心の発達を阻み、親離れ子離れが達成できなくなっているといえます。

いっぽう、個人主義文化の欧米では、「会話型コミュニケーション」によって親子の信頼をより深めることで、子供が親から自立を迫られることに対する弊害や孤独を癒す力となって子どもの精神的な安定性を高めています。

「会話型」も「世話型」も子どもとのコミュニケーションに費やす時間はそれほど変わらないと思います。ですが、子どもの自立に及ぼす効果は、前者のほうが格段に大きいといえます。

さて、あなたはどちらのタイプでしょうか?
もし、「世話型コミュニケーション」が中心になっているようなら、ぜひこの機会に「会話型コミュニケーション」へ切り替えていかれることをお奨めいたします。

子ども部屋のリフォームを通して、子どもの家事の分担や子ども部屋の管理の責任について、親子で話し合うのもいいかも知れません。

次回はステップ3~ステップ4に進みます。

子ども時代からの整理収納

 

by株式会社 大東建設 阿部正昭

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