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子どものコーナーをつくる(+ひと部屋)
今回も独断と偏見で旧暦のお話から入らせていただきます。
神嘗祭(かんなめさい)
【神嘗祭】
【貯蓄の日】
ー旬の兆しー
【秋の雲】
【秋雲で天気予報】
【子どものコーナーをつくる(+ひと部屋②)】
R35 10己【「和住」の快適なキッチンをつくる(+ひと部屋)】140(1)~142(末)
前回ブログ→ R35 10己【「和住」の快適なキッチンをつくる(+ひと部屋)】
https://heiwadai.jp/zoutikurifo-mu/
のお話をお伝えしました。(青字のタイトルタップするだけで前回記事に飛びます。なので、よかったらお読みください。
今回は新シリーズ(+ひと部屋)の2話目、【子どものコーナーをつくる(+ひと部屋②)】というお題でお伝えしたいと思います。
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まずは、前回のお浚(さら)いからお送りします。
【「和住」の快適な空間を増築リフォームする】
下記イラストの家は、東京郊外の住宅地に建てられた、外観が純和風の、なかなか凝っていて洒落たつくりでした。
1階には、ダイニング・キッチンと、夫婦の居間兼寝室、そして応接間です。2階には子どもたちの部屋があります。天井の高さも十分な上、各部屋の広さも十分でした。ところが、たったひとつ、困った問題がありました。
そこそこ古い家にはよくある間取りなのですが、大きくなった息子さんや娘さんたちと一緒に団欒(だんらん)するスペースが、この家には見あたらなかったのです。
子どもたちは成長するにつれて、ダイニング・キッチンで食事を済ませると、さっさと2階に上がり、自分の部屋に引きこもるようになってしまいました。仕方なく親たちは、応接間に炬燵(こたつ)を持ち込んで、2人きりでテレビを観るという何となく寂しいものとなっていました。しかも、本来が客用の応接間としてつくられた部屋ですから、どことなく落ち着かず、寛(くつろ)げませんでした。
また一方、両親の寝室は正八畳に広縁を備えた和室です。羨(うらや)ましいくらいの広さですが、冬場は冷え冷えとして安眠できないとのことでした。
「でも、主人は畳の部屋が何よりも大好きなの。だから、この和室を壊してリビングルームに改造するわけにもいかないし……。あまりお金を掛けないで、リビングルームをつくる手はないかしら」
お客さま(ご夫婦)の不満と希望を詳しくお聞きした私は、即座に、この応接間は必要ないなと感じました。
応接間に通すほど、あらたまった来客が頻繁にある家庭ではないので、普段はほとんど使わず開かずの間になっているようでした。リビングルームとしても使い難いし、子ども部屋にするにはちょっと立派過ぎてもったいない感じです。玄関脇というのも子ども部屋の位置としては好ましくありません。
そこで、応接間を夫婦の寝室に改造することにしました。それまで寝室だった和室は壁を1部取り払い、南側の広縁を4坪ほど広げて、リビングコーナーをつくることをお奨めしました。「増築」ならぬ「増スペース」です。
その結果、これまで閉め切っていることが多かった和室がぐっと開放的になったことは言うまでもありません。障子を開け放てばリビングやダイニングと一体になって、二十畳もある大空間に変身します。障子を閉め切れば客用の寝室としても使えるし、冬の寒い時季は炬燵を入れて家族団欒の居間にすることも可能となります。
ご主人の大好きな和室をほぼ元のまま残したうえで、フレキシブルな部屋に変身させることができて、まさに「和住」の快適な空間が誕生したことになります。
費用の目安 増築 3.5坪(内装とも)145万円
玄関、階段 50万円
ハッチ式カウンター 45万円
寝室クローゼット 65万円
構造補強 35万円
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340万円
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【子どもの部屋を最低限でつくる】
個室を増築したい理由として、もっとも多いのが「子ども部屋」です。
「子どもが成長してきたから、そろそろ個室が必要」
「受験も近づいているから、やはり勉強部屋は必要だろうね」
「男の子と女の子をいつまでも一緒にしておくわけにはいかないだろう」
ですが、私の個人的な意見としては、住まいの中で、もっとも不要な部屋こそ子ども部屋ではないかと思っています。一概には言えませんが子ども部屋という逃げ場があるために、親子関係が冷たく断絶し、家庭生活がぎくしゃくしてしまうということは少なくありません。
終いには、集団生活の苦手な、甘ったれの子どもが増えてしまったのではないか‥‥‥。そう思うのは、それほど離れてはいないような気がします。
だいたい、なぜ子ども部屋が必要なのでしょう。個室を与えれば、ほんとうに子どもは勉強に励むのでしょうか。男の子と女の子がいれば、なる場所位別にしてやりたいと思うのは普通のことだと思いますが。
はたして立派な広い「子ども部屋」である必要があるのかと思っています。
10年後を考えてみてください。大抵の家庭では、子どものために新築したり、リフォームして立派な子ども部屋をつくります。でも、10年もすれば肝心の子どもたちが巣だってしまいます。あとには物置同然の空き部屋が残るだけです。
子ども部屋に限らず、増築の要求が出てきたときには、その原因を自分なりに分析し、本当に増築でなければその問題が解決できないのかどうか、客観的に判断する必要があります。ましてや、子ども部屋の増築に関しては、ひときわ慎重でなければなりません。
必ずしも個室でなくてもいいのではありませんか。子どもが落ち着いて勉強できるコーナーや、自分の大切なモノをきちんとしまえる場所、プライバシーを主張できるスペース、だれにも見られず着替えたり、眠ったりでき場所‥‥‥。
そんなコーナーさえ確保することができれば十分なのではないでしょうか。たとえば、リビングやダイニングのコーナーを収納壁で仕切るだけでも、簡単な子どもコーナーをつくることが可能です。
ドアの代わりにカーテンやアコーディオンドアをつけてやりさえすれば、着替えも十分にできるし、暗くして眠ることもできます。
また、廊下を利用して子どもコーナーをつくることも可能です。押入れさえも要注目空間なのです。中断を取り外すことで、本棚と机と箪笥を置くことができます。さらには天袋まで使用すれば、ベッドまでつくることが可能となります。
ちょっとは狭苦しいかもしれませんが、小中学生くらいの子どもなら大喜び。自分の子ども時代を思い出してみてください。子どもは、猫のように穴倉のような狭い場所が結構お気に入りなのです。