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「心身の不調や老化を加速する『悪い呼吸』」

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「心身の不調や老化を加速する『悪い呼吸』」

【「腹式呼吸」をマスターして代謝向上やストレス解消を】

新型コロナによる日常的なマスク着用で、息苦しさから「口呼吸」するクセがついてしまう人が増えています。呼吸が浅くなって酸素が不足するリスクのほか、口が乾燥してウイルス感染リスクも高まります。そこで注目されているのが、正しい呼吸法で心身を整え、ウイルスから身を守る「腹式呼吸法」です。

何度も聞いたことがあるけど動機づけが弱いせいか、なかなかマスターできずにいましたが、今こそマスターすべきときかもしれません。

【自律神経を整えるセロトニンを正しい呼吸で増やす】

自律神経は、内臓や血管の働きなどをコントロールして体の活動を見守ってくれる神経ですが、これが乱れるとさまざまな不調の原因になります。セロトニンは自律神経が安定するよう働き、平常心を持てるように整えます。

体内で自然に作られるもので、セロトニンの分泌が良くなれば自律神経をリラックスさせる効果が高まります。「幸せホルモン物質」とも言われています。セロトニンの分泌を増やすために有効なのが「呼吸」です。それも普段行っている無意識に行う「胸式呼吸」ではなく、今回おすすめする「腹式呼吸」です。

【正しい呼吸ってどうやればいいの? 「胸式呼吸」と「腹式呼吸」の違い】

呼吸の方法としては2つの方法があります。「胸式呼吸」と「腹式呼吸」です。

「胸式呼吸」 は、胸の動きを使って行う呼吸法で、日常ではほとんど胸式呼吸で生活しています。胸郭を動かして空気を肺に取り入れます。
胸郭だけを使うため、周辺の筋肉である首や胸・背中などの筋肉を緊張させ、副交感神経が優位になってストレスを感じやすくなります。
浅くて速い呼吸=「悪い呼吸」は、息を吐いたあとに肺の中に残る空気の量(機能的残気量)が増えていくことで、空気を十分に吸えなくなります。
すると、肺に空気を出し入れする換気効率も低下し、様々な健康被害の原因となってしまいます。

「腹式呼吸」 は、お腹の動きを使い、胸と肋骨や背骨で構成される胸郭の下に覆いかぶさるようにある横隔膜を上下させて行います。
横隔膜を下げながらお腹を膨らませ、息を吐くときにお腹を縮めて横隔膜を引き上げ、深く長く呼吸をする呼吸法です。
横隔膜が動くと内臓に圧を加えるので、内臓のマッサージ効果が期待できます。
しかし、「腹式呼吸」は意識をしなければなかなか行えない呼吸法です。
横隔膜を上下動させながら呼吸するために深く息を吸い、深く吐く必要があります。

【正しい呼吸法のポイントは横隔膜~横隔膜が動いているかセルフチェックしよう】

横隔膜を使った「腹式呼吸」を実践するときは、ただ深呼吸をすれば良いというわけではありません。重要なのは「姿勢」です。猫背を治して胸を張りましょう。
「姿勢」が悪いと息が吸いにくく、酸素を多く取り入れることや、代謝を上げるためのガス交換もうまくいきません。
正しい「腹式呼吸」ができるようになると、「姿勢の筋肉」と呼ばれる背骨まわりの「多裂筋(たれつきん)」が連動して働くようになり、腰の負担も同時に軽減できます。

【横隔膜の動かし方】

まず、鼻から息を大きく吸い込みます。このときに、肋骨の下のあたりの筋肉(横隔膜)を収縮させ押し下げるようにします。お腹は膨らませていきます。その後、口から息をゆっくり吐いていき、お腹を縮めるようにしながら横隔膜を緩ませ、引き上げていくイメージです。

【息を吸ったときに横隔膜を下げる】

息を吸ったときに肋骨を広げて横隔膜を下げます。
腹横筋などのお腹は膨らませていきます。

【息を吐いたときに横隔膜を引き上げる】

息を吐いたときは、お腹を縮めるようにしながら横隔膜をグッと引き上げていきます。呼吸と連動させてゆっくり動かすのがポイントです。

【横隔膜の動きをチェック】

横隔膜の動きは最初は分かりづらいです。そのような方に向けて、横隔膜の上下運動がチェックしやすい動作を加えて確認してみましょう。

1.片手で反対の肋骨を触って横隔膜を確認

片手で反対の肋骨下の筋肉(横隔膜)を触る。鼻から息を吸いながら体を押さえた手の方向にひねります。

2.息を吐きながらひねりを戻して横隔膜を引き上げていく

口から息を吐きながら、上体のひねりを戻していきます。お腹を縮めながら、横隔膜を上げます。

【横隔膜の上下運動は内臓に良い~腹式呼吸で腸内環境を整えて免疫アップ】

腸内環境を整えるために食生活のバランスを良くするなど、いくつか方法はありますが、手軽にできて効果的な方法が正しい「呼吸」をすることです。

呼吸をするための筋肉は、横隔膜の他に肋骨の間にある肋間筋や腹直筋、腹斜筋などのお腹の筋肉、体幹部にあるインナーマッスルである腹横筋などが関係しています。
これらを「呼吸筋」と呼ぶこともあります。

呼吸をするには横隔膜を上下に動かしますが、この動きを活発にできれば同時に内臓がマッサージされるのです。内臓がマッサージされると、胃腸に良い影響が出ます。疲れやストレスが軽減され、内臓系の病気リスクを低下させられます。さらに、腸の働きが良くなると「免疫力」もアップするのです。

深く息を吸い、肋骨を広げながら横隔膜を引き下げお腹を膨らませます。そして息を深く吐いたときにお腹を縮ませ、横隔膜を緩ませながら上げていきます。
お腹が膨らんだり縮んだりコントロールすることで、自分で簡単に整えられるのです。

【腹式呼吸は免疫力アップにも効果的~血液循環を改善して免疫力を上げよう】

呼吸で取り入れた酸素を、全身の細胞に運搬する役目が血液です。
酸素は毛細血管を通りますが、酸素を含んだ血液は肺から肺静脈を通り心臓の左側に向かい全身へ送り出されます。
血流が悪くなると体へ十分な酸素が運ばれないため、多くの不調を引き起こします。また、酸素だけでなく栄養や老廃物を運ぶ役割も担っているため、血行不良になると老廃物が蓄積されて疲労物質となり、それが首や肩、背中の筋肉で滞ったときに、コリの原因となる痛みやむくみになるのです。

血流を改善するには生活習慣を変えれば良いのですが、簡単に変えられるほど甘くはありません。そこで「呼吸法」が一助となるのです。

血流がアップすると体温が上がり、血流が良くなり、相乗効果が生まれます。
低体温の方は血液中の白血球やリンパ球などの働きが低下し、ウイルスや細菌と戦う力が弱くなっています。

体温を上げることで、血液中の白血球などの働きが活発化し、免疫力がより向上するのです。

【正しい呼吸法で冷え性を改善! 手軽にできる「腹式呼吸」で体を温めよう】

自律神経が乱れると、体温調節機能が機能不全を起こしてしまいます。こうなると、夏の暑い季節でも「冷え」が止まらなくなってしまうのです。筋肉量の減少と血液循環の悪化は、どちらもリンクしています。

筋肉は体における熱の最大の発生源です。「熱産生(ねつさんせい)」と言いますが、筋肉が活動し収縮することで体の末端まで血液を送り届け、すみずみまで循環させることで体を温めるという仕組みです。

筋肉が少ないと、血液を循環させるポンプの力が弱くなるため血液が届きづらく、末端が冷えるということになります。血流を上げるのに適し、もっとも手軽に行える運動が「腹式呼吸」です。

【腹式呼吸でダイエット! 呼吸で血液循環が良くなれば、脂肪が燃焼しやすくなる】

例えばステーキを焼いたとして、鉄板の上で肉を焼くとまず油が溶け出すはずです。
油が溶け出すのは温度が高いからで、それと同じことが体にも言えます。筋肉の温度を高めるには血液循環を良くすると説明しましたが、血流を上げるためには「呼吸」が必要です。

息を吸って酸素を体内に取り入れますが、酸素は燃焼を助けてくれます。
バーベキューなどで火起こしをするとき、木炭や木だけでは燃えません。
火吹き棒やうちわで酸素を送ることで火がつくのです。

体も同じで酸素を吸った状態で運動をすると、脂肪が燃焼しやすくなるのです。
燃焼され溶け出した脂肪は、血流で除去することになります。この脂肪の除去がスムーズに流れないと、脂肪は体に残ったままになります。そのため、血管は強く太いほうが良いのです。

血管を太くするには、筋肉の活動がポイントです。筋肉が鍛えられることで筋肉の温度が上がり、血液循環が向上し血管が強化されます。運動に呼吸をプラスすることの効果は、とても理にかなっています。ダイエットにおすすめしたい運動は、まず呼吸を使ったエクササイズ(筋トレや動的ストレッチ)です。

ここで筋温を上げて血液循環を良くします。その後、ウォーキングやジョギング、自転車などの有酸素運動で心拍数を少し上げて、溶け出した脂肪を一気に流します。有酸素運動は、20〜30分。集中力が持続する時間で大丈夫です。運動時間が長すぎてストレスを感じると、脂肪燃焼効果は薄れることを知っておきましょう。

【「口呼吸」は要注意~健康のために、息を吸うときは「鼻」からを意識しよう】

正しい呼吸をするにあたり、どこから酸素を取り入れるのかはとても重要なポイントになります。
はじめに正解を言いますと、吸うときは「鼻」から、吐くときは「口」です。
普段の呼吸を思い出してください。

気にしたことはないかもしれませんが、吸う、吐くとも「口」から行っていませんか? じつは、口で息を吸ってしまうと、いくつかの問題が発生してしまうのです。「口呼吸」にしてしまうと、唾液分泌が減ってドライマウスになります。

口の中が乾いた状態になり、口臭や虫歯、味覚障害など様々な症状が出てしまいます。
唾液には抗菌作用があり、口の中の細菌の増殖を抑える働きがあります。その他にも唾液に含まれる消化酵素には、消化や内臓の活動を助けてくれる効果があります。

哺乳類はすべて鼻で呼吸をしています。外気を取り入れるのは鼻からであり、気道から肺に通じています。酸素(外気)が肺に達するのは、鼻腔から喉頭(上気道)、気管と気管支(下気道)を通ります。

鼻から入ってきた外気は鼻粘膜と上気道で加湿されるだけでなく、微細なゴミやウイルスも取り除かれます。他にも、鼻の奥は脳と近く、酸素が脳に行き渡りやすく脳が活性化しやすいことも効果のひとつです。

深呼吸をすると、頭がスッキリするのはこのためです。これだけのメリットがある「鼻呼吸」を、普段の生活から意識できるよう訓練しておくことをおすすめします。

【「鼻呼吸」が苦手な人におすすめ! 鼻詰まりを改善する3つの対処法】

鼻で呼吸をしようと思っても、アレルギー疾患があったり、もともと鼻の通りが悪いという方もいらっしゃると思います。
そんな人は3つの改善法を実践してみてください。

1.右の鼻の通りが悪いとします。

まずは右を向いて左の鼻を閉じて「鼻呼吸」をしてみてください。
右の鼻が詰まっているとしたら左の鼻の穴を閉じ、右を向いて「鼻呼吸」をしてみましょう。

2.首を右に傾けて鼻呼吸をしてみましょう。

首の緊張やコリが原因で鼻詰まりが起きることがあり、首を傾けると首の緊張を取ることができます。
鼻詰まり側に首を傾けることで、首の張りが緩和されて改善できることもあります。

3.上を向いて気道を確保した状態で「鼻呼吸」を行います。

気道を確保しながら行うと、鼻からの通りがまっすぐになり、鼻詰まりが改善できることがあります。

【※マウステープで口呼吸を防ぎ、お口の乾燥を防ぐ】

寝ているときに口が開いていると「口呼吸」で喉が乾燥し、免疫力が下がります。喉の奥の炎症も起こりやすくなります。それを防ぐのが「マウステープ」です。
寝る前に口にテープを貼るだけで「鼻呼吸」ができるという簡単な習慣です
マウステープで口を閉じると下顎が上がり、舌も持ち上がるので気道がふさがりにくくなり、いびきや無呼吸状態を軽減します。

by株式会社 大東建設 阿部正昭

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