BLOG
ブログ
「世界で最も影響力のある100人」のコンマリの片づけ法とは
今回も独断と偏見で、旧暦のお話から、入らせていただきます。
大寒 末候 款冬華さく(ふきのとうはなさく)
寒緋桜(かんひざくら)
大寒(だいかん)のまっただ中、南国沖縄からは、なんと桜の便りがチラホラです。
「ヒガンザクラ』とも呼ばれる「カンヒザクラ(寒緋桜)」がほころび、日本でいちばん早い桜祭りを開きます。
ソメイヨシノよりも濃く、くっきりとした色合いの花びらをもつカンヒザクラは、台湾が原産です。
台湾では、暑すぎるせいか、寒暖差が少ないせいか、ソメイヨシノは、あまり根付かないようです。沖縄でも真っ先に咲くのは寒緋桜です。
沖縄諸島や鹿児島県に分布しています。ソメイヨシノは、年間を通して温暖な土地では開花しないため、沖縄で「桜」といえばカンヒザクラなのだとか。
一方、日本各地で花開くソメイヨシノの芽は、まだまだキュッと閉じたまま。花盛りに備えて休眠中です。
そして 七十二候で、大寒の初候は、款冬華さく(ふきのとうはなさく)。ふきの花が咲きはじめるころという意味の季節です。(およそ一月二十一日から二十四日ころ)。
雪のなかから、やわらかな緑がこれから、ひょっこり、ひょっこりとかおをのぞかせはじめます。
そして花咲く前の蕾(つぼみ)が、ふきのとう。早めに摘んで蕗味噌にしたり、天ぷらにしたり…。ほろっとした苦味は春の味。新陳代謝を促して、冬のちぢこまった身体をしゃきっと起こしてくれます。
いにしえの昔は、「款冬華さく(ふきのとうはなさく)」が季節だったんですね。いまでも四季という季節はありますが、それだけでは生活できなかったため、一年を二十四に分けたんですね。
それが「秋分」だとか、「冬至」「大寒」などの二十四節気です。だからこれも季節のひとつです。
それでも、ものたりず「二十四節気」を三つずつに分け、七十二候をつくりました。今の時季、そのひとつの季節が、「款冬華さく(ふきのとうはなさく)」なのです。今ではこの季節、生活に密着しているというよりも、文化として残っているという感じかもしれませんね。
「世界で最も影響力のある100人」のコンマリの片づけ法とは
米タイム誌の「世界で最も影響力のある100人」に選ばれ、「片づけコンサルタント」として活動し、「ときめく片づけ」シリーズで知られる近藤麻理恵(こんどうまりえ=36歳)さんが選ばれました。
近藤さんは「物に感謝しながら片づける方法」を提唱し、2014年10月に米国で出版した「人生がときめく片づけの魔法」が67万部超のベストセラーに。「kondo」を近藤さん流に片づける意味の動詞として使う人もいるといわれています。
イタリアやフランスでも刊行され、世界でシリーズ累計300万部の人気になっています。令和3年1月の今回は、世界中で熱狂的な人気の近藤麻理恵さんの、今までの片付けとは一風変わった「収納術」を紹介させていただきたいと思います。
【プロフィール】 幼いころから主婦雑誌を愛読。掃除・片づけ・料理・裁縫などの家事をこよなく愛し、「花嫁修業」的な小学生時代を送る。大学2年のとき、コンサルティング業務を開始、「こんまり(こんどう・まりえの略)流ときめき整理収納法」を編み出し、口コミで顧客を広げる。2011年、初めて書いた本『人生がときめく片づけの魔法』がミリオンセラーとなる。
実は一生片づかない「毎日少しずつの片づけ習慣」
近藤さんは著書の中で、「片づけは祭りであって、毎日するものではない」と言っています。概ね片づけには「ケ(日常)の片づけ」と「ハレ(祭り)の片づけ」の2種類があり、「ケ(日常)の片づけ」とは、単純にモノを使ったら元に戻すことを指します。
本書で繰り返される主張は、一生に一度の「祭りの片づけ」を一日でもはやく終わらせて、いち早く「片づけても 片づけても 片づかない暮らし」を卒業しましょうというものです。「祭りの片づけ」とは、どういうものでしょうか。
とにかく最初に「捨てる」までを終わらせる。一気に、短期に、完璧に、
一度はきれいに片づけたつもりでも、すぐに元通りになってしまいます。この現象は完璧に片付いたわけではないのです。…「片付けのリバウンド」を起こさないためには『手順』を間違えないことがないより大切なのです。
片づけで必要な作業は「モノを捨てること」と、「収納場所を決めること」の2点なのですが、まずは「捨てる」ことです。「捨てる」作業が終わるまでは、収納については考えることをしてはいけません。
捨てる時は、「場所別」で考えてはいけません。寝室のもの、リビングのもの、など「場所別」ではなく「モノ別」に判断することが重要なのです。後で詳しく説明しますが、服の整理を行う場合は家中の服を一箇所に集めて、「捨てる」「残す」の判断を始めます。
家中をひっくり返して、すべてのモノを一箇所に集めて一気に捨てる。まさに「祭りの片づけ」の始まりですね。
触った瞬間に「ときめき」を感じるかどうかで判断する
では何を取捨の基準とするのでしょうか?ここが近藤さんの主張の核となる部分といっても過言ではありません。いっけん、かなり変わった判断基準のように思いますが、「触ったときに、どれだけときめくか」なのだそうです。…シンプルでキャッチーなこのコンセプトがたくさんの読者を惹きつけた要因でもあります。
近藤さんは著書の中で「捨てる」ことの難しさに触れ、どうやってものを捨てるものと残すものを区別するのかに多くのページを割いています。それでは、「触ったときに、ときめく」とは一体どういうことなのでしょうか?
「捨てるモノ」ではなく「残すモノ」を選ぶ
コンマリさんは、かつて、片づけのし過ぎで気絶(!)してしまうほど「捨てるマシーンだった」そうです。という自身の経験から、「捨てるモノをどう選ぶか」が主題になってしまう時点で片づけのピントがずれてしまっている、と言います。
「捨てる」ことだけを考えて片づけをしてしまうと、過大なストレスが溜まってしまいます。それは片づけのリバウンドを起こしやすく、ひいては、不幸になるとまで書いているのです。
つまりは、片づけの際には必ずよくモノを見て、「残すモノ」を選ぶことが最も重要なことなのです。
そこで考えに考えぬいた近藤さんが至った方法が「触ったときに、ときめくモノ」を残すという結論だったのです。「片づけが終わった後に、心がときめくモノだけに囲まれた生活が待っている」というイメージを持つことが何より大切なのです。
近藤さんの「片づけ」の核心は、ひとことで言って「思い切ってモノを捨てられる」なのです。
まずは「モノ別」に、そして次に「正しい順番」で片付ける
では、この基準で実際にモノを減らしていくためには、どのように進めていけばいいのでしょうか。
まず、「モノ別」で考えることです。モノを見極めるときは、同じカテゴリのモノをまとめて瞬時に完璧に判断しなければいけません。
たとえば洋服という「モノ」を整理するとき、家中にある服を収納から取り出して一か所にあつめて判断します。なぜ、一か所に集めることが重要かというと、自分がどれだけのものを持っているかを正しく認識する必要があるのです。
それかまた、モノを収納から出して床に広げることにも重要な意味があります。
近藤さんは、モノが引き出しに入ったままの状態は「モノが寝ている」と表現しています。この状態だとときめいているかの判断が難しく、収納から出して空気に触れさせて「モノを起こす」作業をしてやることが必要になってきます。
その作業をすることで、自分の感覚もはっきりして判断がしやすくなってくるのです。
スムーズに捨てるためには順番を決めておく
はじめに衣類、次に本類、書類、小物類、そして最後に思い出の品。この順番が、捨てる難易度とその後の収納も加味した結論として紹介されています。
片づける順番! 衣類 → 本 → 書類 → 小物類 → 思い出の品
洋服は、一番はじめに手をつけるのに最適です。なぜなら、一般的に稀少性が低いため捨てる難易度は最も低いためです。写真や手紙などの思い出の品は思い入れという感情的な価値があります。それに加えて、稀少性が高くて捨てる難易度が高いため、後に回すのが賢明なのです。
モノを捨てる順番を変えるだけで、残すか捨てるかの判断スピードが格段に速くなります。
家にあるすべての服をまず床に並べる
ここでは衣類を例に、実際に近藤さんがどのように片づけを実践されているかを紹介します。
まずは、何も考えずに、家じゅうすべての収納から自分の服類を集めてきます。「一つ残らず集める」ことがポイントです。全ての洋服が一堂に会すると、床にはトップスだけでも膝くらいの高さの山ができあがってしまいます。
驚くことに、この段階でのトップスの平均所持数は160着前後。
大抵の人は「こんなに持っていたのか…」と、片づけの最初の壁にぶつかってしまいます。なので、そこでまず手をつけるのが、オフシーズンの服となります。なぜなら、今の季節のものだと、「ときめかないけど昨日着た」など、モノと冷静に向き合うのが難しいからなのです。
「次の季節にぜひ、会いたいと感じるか」
オフシーズンの服に、ときめきを感じるかどうか確かめるための質問があります。おすすめの質問として、「次の季節にぜひ会いたいか」、もしくは「今日、急に気温が変わったらすぐに着たいと思えるか」がト・キ・メ・キを感じる魔法の「問い」なのだそうです。
「ぜひ会いたいか、と言われればそうでもないな…」、そう思ったらその服は残念ですが、手放してください。オフシーズンの服で自分のときめきの判断基準がだんだん分かってきたら同じ調子でオンシーズンのトップス、ボトムスと、どんどん進めていきましょう。
ここでも重要なのは、必ず収納から出して床に積み上げることです。そして一つずつ必ず触って判断しなければなりません。積み上げて…触ってみて…問いかけをしなければ、的確な解答が得られることはありません。
あなたの持ちモノは、あなたの役に立ちたいと思っているのです。
近藤さんは「片づけとはモノを通して自分と対話する作業である」として精神的な心構えについても触れています。
家にあるものは、全てあなたの役に立つために生まれてきたものなのです。そういったモノ全てに一度向き合い、本当に必要なモノを見極める作業を「片づけ」として位置づけられているのです。
近藤さんの著書が片づけ本としては異例の出版数を記録しました。片づけは一般的にはストレスの元になっています。そのストレスの元が楽しみの創造に繋がるのであればこんな嬉しいことはありません。普段片づけに興味のない層に届いたのも、このような精神的な部分が多くの読者の心に響いたからなのだと私は思っています。