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【こんなに奥が深い「コンセント」の世界】
【こんなに奥が深い「コンセント」の世界】
【ステイホームで家電が増えても困らない!コンセントと配線計画の知識】
ステイホームや在宅テレワークなどで家にいる時間が長くなり、パソコンやゲームなどの家電製品が増え、コンセントの数や位置が気になりだした方も多いのではないでしょうか。
家づくりの中で失敗しやすい場所はいくつかありますが、その中でも失敗が多いのがコンセントの失敗です。欲しい場所にコンセントが無かったり、コンセントがあっても口数が足りずに結局はタコ足配線に…、
なんて失敗がコンセントではよく起こってしまいます。こうした失敗は、コンセントを配置するための注意点を知っていると防ぐことができますし、コンセントの配置計画をしっかりするだけで、驚くほど家の使い勝手まで合理的で便利になります。
【コンセントで失敗しないために知っておきたい5つのこと】
1. まずは、間取り図面に家具を置いてみる
コンセントの失敗を無くすために一番大切なのは、家の間取り図に家具を配置してみるという事です。家具の位置によってコンセントの位置が決まります。
家具と同じように図面の中に家電製品を配置するのもとても効果的です。
特にキッチンで使う家電製品は多いので、MAXでいくつ家電を同時に使うかを把握していないとコンセントが足りずにタコ足配線に頼るなんてことも起こります。家電製品はアース配線が必要な物もあるので、タコ足配線では無くそれぞれの家電専用のコンセントが必要です。
TV周りもどれだけ機器を繋ぐかでコンセントの口数も変わってくるので、コンセントを配置するだけで安心と思うのではなく、コンセントの口数がどれだけ必要か考えて見るのがコンセントの失敗を避けるポイントになります。
その他、家電製品を配置する場合に忘れないでおきたいのが扇風機や加湿器などの季節家電です。年中使う訳ではないので季節家電の配線は意外と忘れがちですが、実際に使う時になって「置きたい場所にコンセントが無い」なんて事が起きやすいのです。
2.コンセントの配置は掃除機で決める
家具と家電を配置して、家具の邪魔にならない位置に必要なコンセントの場所を決めた後は、残りのコンセントの場所を決めていきます。そして、残りのコンセントは家に満遍なく配置して行くのがポイントになってきます。
そして実は、このコンセントの決め方にもコツがあります。それは、掃除機のコンセントを差すなら何処がいいか意識しながらコンセントを配置するという事です。
「掃除機のコンセントを差すならココとココにあるといいな」と考えながら配置していくと、家の隅々までコンセントが配置されて、コンセントをつけ忘れるというミスはほとんど無くなるんですね。
さらに、数メートル以内には必ずコンセントがあるので、いざコンセントを使いたいとなった場合でも延長コードを使わないといけないなんて事をかなり回避する事もできます。
また、コードレスクリーナーを今使っている人や、将来使うかもしれないという方は、掃除機を収納する物入れの中にもコンセントを忘れないようにしましょう。
3.インターネットやTVをどうするか考えておく
インターネットを繋ぐ方法はいくつもあります。フレッツ光などを入れる方もいますし、ケーブルTVのインターネットを使う方もいると思います。
さらには各部屋にLAN配線をして優先でパソコンに繋ぎたいという方もいますし、無線で家中を繋ぐという方もいるのではないでしょうか。
コンセントの位置を決める場合、このインターネットをどうするかでコンセントの必要な個数や位置が変わってきます。例えば、モデムを置く場所にはコンセントが必要ですし、LANの配線も必要になります。
インターネット関連は後で変更するのは大工事となってしまうので、必要な配線はしっかり確保しておきたいですね。
さらには各部屋にTVをつけるか、またTVにHDレコーダーやゲームを繋ぐのかでコンセントの数は変わってきますし、壁掛けTVにするのであればTVの機種もあらかじめ決めておく必要も出てきます。
早めに、「インターネットをどうするか」「TVをどうするか」を考えておくと、ギリギリになって慌てなくても済みます。
4.家の外のコンセントにも気配りを
コンセントと言えば、ついつい家の中ばかり目がいってしまいますが、家の外にもコンセントは必要です。(家の外は屋外コンセントという専用のコンセントを使います)エコキュートや給湯器、浄化槽なんかにはコンセントが無いとダメですし、その他にも外にコンセントがあると重宝するケースが多くあります。
電気自動車やプラグインハイブリッド自動車を購入する予定なら、より多くの電気を使えるコンセントが駐車場の近くにあると便利ですし、庭をライトアップしたいなと思うなら、外用のコンセントがあると後からでもライトアップ用の照明を取り付ける事ができたりと、コンセントがあることで庭の活用方法が広がります。
5.コンセントの位置だけでなく口数も重要
コンセントで意外と失敗するのが、「コンセントを配線したから安心していたけど、実際には2口コンセントでは足りなくて、結局はタコ足配線にしないといけなかった」という失敗です。
先ほど出てきたキッチン周りや、TVやインターネットの周りなんかは2口コンセントでは普通は足りないので、4口コンセントにするなど口数を増やしておくのがポイントです。
コンセントの失敗を避けるためには、家電などが集中してしまう場所や、充電などでよく使うことが予想される場所のコンセントの口数も意識しておきたいですね。
【電気配線図にご注意!コンセントやスイッチを使いやすくする方法】
コンセントとスイッチの打合せをする時に、必ず出てくるのが電気配線図という図面です。電気配線図とは、コンセントやスイッチ、照明など電気工事が必要な物が載っている図面の事です。
住宅会社によって表現の仕方は多少違いますが、◯の中に2本の線が入っているのがコンセント。「●」がスイッチで「●」と線でつながっているのが照明です。「●」のスイッチを押せば、線でつながっている照明が点灯するという訳です。
でも、実は住宅会社がつくる電気配線図をそのまま鵜呑みにしてしまうのは結構危険なことです。プロが作った図面だからと言ってあまり気にしていないと、スイッチやコンセントの使い勝手が悪い家になってしまうなんて事もにもなりかねません。
コンセントやスイッチは、一度家が完成してから位置を変えるのは大変です。
家が完成してからでは手遅れなので、家が完成する前にしっかりスイッチの位置を確認しておくのがとても大切です。
【コンセントやスイッチが使いづらい!】
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まずは使いづらいスイッチの例を見てみましょう。図面は、使いづらいスイッチの代表例です。この図面だとスイッチがドアの影になっていて、玄関からリビングに入ってきた時にスイッチを押しづらいですよね。夜に家に帰ってくると、真っ暗な中でスイッチを手探りで探す事になります。
このようにスイッチを適当に配置してしまうと、なんとも使いづらいスイッチになってしまうのです。ドアを開けてすぐ押せる位置にスイッチがある方が使いやすいですよね。特に部屋の入口は使いづらい位置にスイッチが配置されている事があるので、実際に部屋に入った時の事を想定してみると、このような失敗を減らす事ができます。
スイッチは部屋に入ってすぐに押すという特性上、扉や引き戸などの建具とは密接な関係にあります。間取りの打合せ段階では生活のしやすさ優先でスイッチのことは忘れてしまいがちですが、配線打合せでしっかり確認をしておきたいですね。
【コンセントやスイッチの場所が中途半端】
スイッチの位置が、「何でここにあるんだろう」という中途半端な場所についている事があります。図面ではダイニングのスイッチの位置が中途半端な場所についています。ダイニングの照明をつけるのにリビングまで行かないと照明をつける事ができないというのは不便です。
この場合は、キッチンのスイッチと同じ場所につけてあげるのが、動線的にも便利ですし使いやすいです。また、基本的にスイッチはいろんな場所にバラけさせるのでは無く、できるだけまとめてあげる方が使いやすいです。
【スイッチを連動させる】
スイッチは何個も照明と連動させる事ができ、スイッチを連動させると使い勝手が劇的に良くなる事があります。この図面ですと、洗面所とリビングのスイッチを連動したいところ。照明が必要となる夜に寝室からお風呂に入ろうとした場合、階段で1階に降りてくると、洗面に行くまでに明かりが欲しいですね。
階段の側にリビングのスイッチがあれば、リビングを簡単に明るくする事ができ、洗面所までスムーズに行くことができるようになります。
次に洗面に行くと、今度はリビングの電気を消す必要が出てきます。
そうなると、洗面所の近くにリビングのスイッチが欲しくなりますね。
無事お風呂に入った後は、今度はこれが逆になります。そのまま寝室に行くのであれば階段まで行けば良いですし、水やビールを飲んで一息つくのであれば、そのままリビングでくつろぐ事ができますね。
【ニッチの活用】
電気配線図には、スイッチやコンセントだけでなくインターホンや給湯器のリモコンの位置ものっています。このインターホンやリモコンなんですが、意外に出っ張っていて存在感があります。
そこで、インターホンなどをまとめたニッチをつくってあげると、簡単に出っ張りを無くしてスッキリさせる事ができます。スイッチなどいろんな物が集まれば集まる程、ニッチをつくる効果は高くなるので、スッキリした部屋にするなら、インターホンやリモコン用のニッチをつくるのがおすすめです。
【スイッチ・コンセント設置高さの目安】
掃除機用はかがまなくてもいいように、温水洗浄便座用は水滴が飛ぶことを考えて機器から少し離して…
など、コンセントは抜き差しの頻度や、使用する器具の特性を考えて設置位置を決めるのがポイントです。
【高齢者に配慮する場合】
スイッチは、床上110~120cm程度の高さに設置されるのが標準ですが、
ご高齢の方や身体の不自由な方がいらっしゃる場合は、少し低め(約100cm)に設置されると負担が軽減されます。
【コンセントの向きによって不調がみられる?正しい差し込み方】
普段よく使うコンセントですが、差し込み方に正しい向きがあるのはご存知でしょうか?基本的に多くの機器では差し込む向きを間違えたからといって影響はないので、普段は気にすることはありません。
ですが、一部の機器(オーディオ、パソコンなど)には少し影響がでてしまうこともあります。コンセントの差し込む向きを変えるだけで、故障もなく快適に安全に機器を使用することができるのですから、正しいコンセントの向きを知っておいて損はありません。
【コンセントの向き!長い方のプラグを大きい差し込み口へ】
コンセントの差し込み口といえば、細長い穴が2つ空いていますよね。じつはその穴をよくみると、左が長く、右が短く設定されているのです。
機器のプラグも同様に、長い方と短い方があります。コンセントにプラグを差し込む際には、大きな穴に長い方を小さい穴に短い方を入れるようにしましょう。
【コールドとホット】
コンセントの、左の大きい差し込み口のことをコールド(アース)とよび、右の小さい差し込み口のことをホットとよびますコールドは9mmほど、ホットは7mmほどのサイズです。
電気は電池のように直流であれば、マイナスからプラスに流れていきます。
ところが、コンセントは交流となるため、ホット側から電気が流れてきてコールド側から電気が戻っていくのです。コールド(アース)には、漏電を防ぐために余分な電気を大地に逃す性質があります。
【【まとめ】】
コンセントはあらかじめ図面に配置されているので、ついついそのまま家を建てれば安心と思ってしまいますが、実際にはあなたに合ったコンセントの配置に変更する必要があるんですね。
ちなみに、2口コンセントは1カ所で2千円〜3千円くらいです。そんなに金額がかかる物ではないので、もしコンセントを付けるかどうかで迷ったら思い切って付けておくのがおススメですよ。