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【キッチン】高齢者には便利でシンプル機能が最優先 ①(63歳からのリフォーム⑥)

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今回も独断と偏見で旧暦のお話から入らせていただきます。

小満 初候 蚕起きて桑を食う

広辞苑

自分が『広辞苑』とはじめて出会ったのは、第四版が出版された1991年(平成3)年だったと思います。

その分厚さ、ひいては日本語の語彙の多さ、奥深さに圧倒されたのを昨日のことのように憶えています。

時は流れ、今ではググれば言葉の意味を検索できるようになりました。ですが、『広辞苑』への信頼感は別格です。

コラムや新聞記事でも「広辞苑によると…」という表現をよく目にします。

『広辞苑』は言葉の意味を派生した順に載せている国語辞典なのです。

たとえば「優しい」は、「身も痩せるように感じる。恥ずかしい」が最初なんです。

現代ではピンときませんが、『万葉集』や『古今和歌集』で用いられた語義です。

いかに言葉が生まれ、使われてきたのかを紐解く醍醐味が詰まった『広辞苑』。えいやっ!と開いたページを読むだけで、なんだか賢くなれた気がします。

【キッチン】高齢者には便利でシンプル機能が最優先 ①(63歳からのリフォーム⑥)

キッチンは毎日使うものなのですが、家の中では最も危険な場所といってもいいくらいです。

高齢になるとどうしても注意力は散漫になり、火事・火傷(やけど)・ケガに繋がってしまいます。
将来夫婦で料理をしたり、子どもや孫が遊びに来たときに料理を一緒に楽しめるよう、通路幅を広くすることを考えておいてもいいかもしれません。

また、年を重ねると今まで何の不自由もなく行えてきた動作が困難になってきたりします。たとえば、棚の奥にしまってある食器やお鍋を取るために背伸びをしたり手を伸ばしたりする動作が思いの外しづらくなってきたりします。

少し高いところの収納は軽く引っ張るだけで降りてくるスライド式の収納もありますが、どうしても出し入れしやすいそこにばかり収納してしまいがちです。

すると、重くなってしまいスライドを上げるときに思った以上に力が必要だという声もあります。収納するもののことも十分に考えて選別することが必要です。

【失敗談 成功談?!etc…】

少しだけ、ご年配の女性たちが、お住まいの「キッチン」について何やら話し合っています。

【キッチンコンロ、IH派?ガス派?】

「今は電気でもガスでもどちらも火力が強くなっているから問題ないみたいだけど、以前はIHよりガスのほうが断然人気だったよね」

「うちもガスだったの。火力の強さは炎の色と大きさで見分けていたから、70代になってからは、IHに替えたんだけど、なんか感覚が分からなくて、まったくと言っていいほど慣れないんだよね」

「いろいろ変えるなら、早いうちに慣れておいたほうがいいよね」

「そうなんだよね。ボタンやスイッチの使い方って頭より体で覚えているものじゃない!老眼になってからでは、ほんとうに使いづらくなってくると思う」

「そうだね。そう言えば、電化製品と言えば関西弁でしゃべるお掃除ロボットが以前発売されてたけど炊飯器や電子レンジも関西弁だとツッコミながら料理ができそうで楽しそう(笑)1人しか居ないのに、ずっと会話してたら家族とかゾッとするかもしれないね。(笑)

「ほんとうに、そうだよね(笑)。老後に一人でいることを想像すると、しゃべる家電があっても良さそうなものだよね」

「私が実際に使ってみてもっとも便利だったのが、生ごみ処理機というのかな?ディスポーザーというのかな?それよ、それそれ!」

「わかるわ~。生ゴミって早めに処理しないと悪臭が溜まって、部屋中に漂いだしてくるけど、ディスポーザーがあれば瞬時に粉砕してくれるんだよね」

「そうなんだよね~!家庭用ゴミで、もっとも量が多くて水分も含んでいるから断然重くなるし、かさばる原因は生ゴミなのよね。生ゴミが減るだけで、ゴミ全体の量もグッと減るから、重たいものを持てなくなる高齢者には本当に助かるのよね」

「そうそう!一度ディスポーザーに慣れてしまうと、手放せなくなるわよね」
「マンションでも付いているところと付いていないところがあるけど。何故なんだろうね?」

「マンションによって対応できないところも多いみたいよ」

「戸建て用のディスポーザーっていうもの、最近は出てきたみたい」

「何いってんの?もともと、ディスポーザーは欧米では戸建用で使われ始めたみたいよ。五、六十年も前になるけど、実家のそばのグランドハイツの各戸建て住宅にはディスポーザー付きのシステムキッチンが入ってたって!」

「え~、日本の一般家庭では、木製の流し台に研ぎ出し(コンクリート製)のシンクだったくらいの頃じゃないの?!」

「まあ、それはそうと、ディスポーザー本体の費用はそれほどかからないみたいだけど、排水処理システムを設置したりするのに結構な費用がかかるみたいだよ。お財布との相談だけどね」

「それに、節水の問題もあってディスポーザーが取り付けられない地域もあるみたいだから、まずは自治体に問い合わせることが先決ね」

【高齢者の敵か、味方か?それが問題だ!自動水栓】

「そう言えば最近、他の家事に気を取られていて、シンクの水を長い時間流しっ放しにしちゃって、よくダンナにあわてて水を止めてもらうことがあるんだよね」

「そうなんですね。私も父をかいごしていると、急に呼ばれたりしたときに、ついうっかり水を出し放しにしてしまうことがあります」

「そういうときのために、自動水栓ってスグレモノがあるのよ。早いうちから困らないように私は自動水栓に替えたんだよね。ほんとうに楽になったわ~」

「それはいいわね~。使う分だけ水が出るから、節水にもなるものね」

「そういえば、祖母も水道の蛇口をひねるのがつらそうなんです。背伸びしながらぐーっと、身体を奥に入れなくては蛇口にとどかないから……。腰も曲がってますますつらそうなんですー」

「それに握力が弱くなるときちんと水栓を閉められないし、視力の低下で細く水が出ていても気付かなかったりして…」

「キッチンの自動水栓を検討したり、採用しておくのは、いいかもしれないね」

「でも、当然だけど、自動水栓のデメリットもあるわけで、手動であれば、電気はまったく使わないところ、水を出すのも止めるのも電気を使わなければなりません。センサーはずっと反応し続けているわけです。」

「それに、よく駅のトイレで手で手を洗うときに自動水栓がわからなくて困っているかたをよく見かけるよね」

「そうだよね、水がすぐに出てこないから、手をひっこめちゃって、出したり、引っこめちゃって、ずっと水が出てこないって困っているんだよね」

「やはり早め早めに考えて新しい設備の使い方に慣れておくことが必要なのかもしれないね」

「自動水栓以外にも水栓のタッチ式タイプあるみたいよ。いろいろ種類があるみたいだから建築の専門家に相談してみるといいかもしれないね」

「そういえば、食洗機でも同じようなことがありました。ボタンひとつでピッと洗えるんですけど、本当に洗えているのか心配だからうちの母は使いたくないって言うんですよ」

「そうそう。自分で洗わないと気が済まないという人もいるよね」

「でも、視力が弱くなると汚れがきれいに落ちたかどうか分かりにくいみたいだよ」

「そういう意味では、少人数にはなるから、使う食器の数も減るけど食器洗い機の使用も検討しておくことは必要だよね」

「ただし、最低限、機能がシンプルで使い方が簡単なものじゃなきゃだめだよね」

「新しいもの、最新式をなんでも取り入れればいいってことじゃないんだよね」

「そうだよね。高齢になったとしても、ここだけは譲れないっていうポイントがあるからしっかりと考えておいたほうがいいかもしれないね」

【解決策アドバイス・処方箋】

「キッチンを2つつくってほしいんです。私のキッチンと主人(実際にはジジイと言っていました)のキッチン」と言われました。

驚きました。お二人しかいないのにキッチン2つ?!「もったいない」と思いました。でも、理由をうかがうと、なるほど…。と思えなくも……

「朝、食事の支度をして、やっと片付いて、家事も終わってやれやれと思っていたところへ
「お~い、昼飯は~?」なんですよ…。

その上…

お昼を支度して片づけて、買い物に行ったり、洗濯物を取り込んだりしていたら、あっという間にもう夕ご飯の支度をする時間になっていました。

お友だちとランチに行ってくると主人(実はジジイ)に言うと、「俺の昼飯は~?」って言うんだよ。

私がむくれると主人(実際は、ジジイ)は、自分でやっと簡単なインスタントラーメンとかつくりだし…つくるのはいいんだけれど、汚し放しだったり、調味料の置く場所を変えてたり、ボールやざるの位置もメチャクチャ変えてるし。

ですから、主人と私のキッチンを二つつくってほしいです。それぞれ好きなようにお料理ができるようにしたいのです」。

それぞれが、それぞれの料理で相手をもてなすようにしたいのだそうです。朝食は奥様がつくる。そして昼食はご主人がつくる。夕食は手分けをしてつくって時間と労力の短縮を心掛ける。

意外にも、ご主人も「そうしてほしい。好きにやりたいですよ」とのことでした。私には二人だけの住まいに二つのキッチンはどうしても納得できませんでしたが、お二人のご希望どうりにお作りすることにしました。

お二人で相談してこのようなご提案をされる時点ですでに仲がいいご夫婦であることは十分に納得できましたので……

お二人がそれぞれのキッチンで並んでお料理をしている姿を想像することができました。なぜか、自分のことのように気持ちがほのぼのさせられてしまいました。

これからは、二つで1つのキッチンは、あってもいいかもしれません。

【キッチン チェックリスト】

  • 1 IH式にするか、ガス式にするか、使い方になれる時間を考慮して、できるだけ早いうちから検討し使いこなしておく。
  • 2 キッチンの水栓は自動式にするか、タッチ式にするかどうかを検討する
  • 3 手の届きにくい位置にあるレンジフードのボタン等をリモコンで操作できるタイプに替えることも検討する。
  • 4 将来キッチンで椅子を使用することを考慮し、座りながら調理できるキッチンを検討しておく。
  • 5 夫婦等で一緒に調理できるようにキッチンの通路の幅を確保しておく。
  • 6 キッチンの照明は明るいほうがいいが、明るさの調整ができるようにするなど対策をしておく
  • 7 それぞれ自由に使えるスペースを用意しておくかどうかを検討しておく。              

by株式会社 大東建設 阿部正昭                                  

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