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【キッチン】高齢者には便利でシンプル機能が最優先 ②(63歳からのリフォーム⑦)

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【キッチン】高齢者には便利でシンプル機能が最優先 ②(63歳からのリフォーム⑦)

今回も独断と偏見で旧暦のお話から入らせていただきます。

小満 次候 紅花栄う

紅花(べにばな)

飛鳥時代以前にシルクロードを経て日本に渡米したとされる紅花は、古くから染料や着色料として親しまれてきました。

開花当初は黄色、日が経つにつれ紅色へと変わっていく花びらは深まりゆく恋心にもたとえられ、多くのワカが残っています。

友人の生まれ育った山形県は江戸時代、紅花栽培と貿易が盛んだったそうです。そのため県花も紅花。

彼にとっては、どこか懐かしさを感じる花でもあるそうです。きっと、誰しもそういった花はあるのでしょう。

私は想い出の「ヤマユリ」の花です。あなたの「故郷を呼び起こす花」はありますか?

【キッチン】高齢者には便利でシンプル機能が最優先 ①(63歳からのリフォーム⑥)の続きです。

キッチンは毎日使うものなのですが、家の中では最も危険な場所といってもいいくらいです。

高齢になるとどうしても注意力は散漫になり、火事・火傷(やけど)・ケガに繋がってしまいます。
将来夫婦で料理をしたり、子どもや孫が遊びに来たときに料理を一緒に楽しめるよう、通路幅を広くすることを考えておいてもいいかもしれません。

また、年を重ねると今まで何の不自由もなく行えてきた動作が困難になってきたりします。たとえば、棚の奥にしまってある食器やお鍋を取るために背伸びをしたり手を伸ばしたりする動作が思いの外しづらくなってきたりします。

少し高いところの収納は軽く引っ張るだけで降りてくるスライド式の収納もありますが、どうしても出し入れしやすいそこにばかり収納してしまいがちです。

すると、重くなってしまいスライドを上げるときに思った以上に力が必要だという声もあります。収納するもののことも十分に考えて選別することが必要です。

【失敗談 成功談?!etc…】

少しだけ、ご年配の女性たちが、お住まいの「キッチン」について何やら話し合っています。の続きです。

「そういう意味では、少人数にはなるから、使う食器の数も減るけど食器洗い機の使用も検討しておくことは必要だよね」

「ただし、最低限、機能がシンプルで使い方が簡単なものじゃなきゃだめだよね」

「新しいもの、最新式をなんでも取り入れればいいってことじゃないんだよね」

「そうだよね。高齢になったとしても、ここだけは譲れないっていうポイントがあるからしっかりと考えておいたほうがいいかもしれないね」

……前回は、ここまで↑↑↑↑↑↑

【車椅子の場合の料理事情】

そういえば、車椅子のままで料理をすることになったうちの母が一番困っていたのはレンジフードのボタンに手が届かないことでした」

「そうだよね、レンジフードのスイッチは高いところに付いてるから、どうしても難しいよね」

「新婚のころは、ダンナが、高いところのものを取ってくれたり手伝ってくれていたけど…」

「そうなんだよね。年と共に面倒くさがって手伝ってくれなくなるのはどこの家でも定番みたいね(笑)」

「ダンナが助けてくれなくても、今はリモコンでレンジフードの操作ができるキッチンがあるみたいだよ?!」

「そうだよね、すごく便利だよね。でも若いころは気が付かなかった。なんでレンジフードの操作までリモコンにする必要があるのって…」

「それにシンク下の収納はワゴン式になっていて調理中はワゴンを引き出しておくと、下のスペースがオープンになるんだよね。だから座りながら調理をしても足がシンク下に収まるし、引き出したワゴンは天板にスパイスとか食器が置けたりして便利だよー♪」

「あとは、車椅子でも無理なく行き来できるように通路の幅を広めに確保しておくのも絶対に忘れないようにしないとね」

「そうだよね。きちんとスペースを確保しておけば、子どもや孫と一緒に料理もできるようになるかもしれないしね」

「最近はダンナがお料理教室に通い出したから、二人で料理することも増えるかもね」

「なんだか料理するのが楽しくなりそうだね」

【料理する際の、ライディングプラン】

「キッチンの照明って、どうしてる?」

「うちの母は、蛍光灯のもとで料理をしていたら明るすぎてめがちかちかして疲れるって困ってたんです」

「たしかに、白くて明るいほうが食材の鮮度がわかりやすいんだけど、あまりにまぶし過ぎるのも目が疲れてしまうよね」

「視力が低下してくると、同じルックスでも暗く感じてしまうこともあるしね」

「そうなの。身体の具合は人それぞれだし、そのときの調子もあるしね。今はLEDライトで簡単に調光できるから、明るさの調整ができるようにするといいかもしれないね」

「そっか~。明るいほうがいいと思ってたけど、単純に明るければいいというわけでもないんだね」

「両親がどんなところで不自由をしているか、しっかり観察しながらお手伝いすると、将来どんな備えが必要か見えたくるんだよね」

「そうだねー!お手伝いすることが大切なんだよ~」

「はい、了解しました!(笑)」

【解決策アドバイス・処方箋】

「キッチンを2つつくってほしいんです。私のキッチンと主人(実際にはジジイと言っていました)のキッチン」と言われました。

驚きました。お二人しかいないのにキッチン2つ?!「もったいない」と思いました。でも、理由をうかがうと、なるほど…。と思えなくも……

「朝、食事の支度をして、やっと片付いて、家事も終わってやれやれと思っていたところへ
「お~い、昼飯は~?」なんですよ…。

その上…

お昼を支度して片づけて、買い物に行ったり、洗濯物を取り込んだりしていたら、あっという間にもう夕ご飯の支度をする時間になっていました。

お友だちとランチに行ってくると主人(実はジジイ)に言うと、「俺の昼飯は~?」って言うんだよ。

私がむくれると主人(実際は、ジジイ)は、自分でやっと簡単なインスタントラーメンとかつくりだし…つくるのはいいんだけれど、汚し放しだったり、調味料の置く場所を変えてたり、ボールやざるの位置もメチャクチャ変えてるし。

ですから、主人と私のキッチンを二つつくってほしいです。それぞれ好きなようにお料理ができるようにしたいのです」。

それぞれが、それぞれの料理で相手をもてなすようにしたいのだそうです。朝食は奥様がつくる。そして昼食はご主人がつくる。夕食は手分けをしてつくって時間と労力の短縮を心掛ける。

意外にも、ご主人も「そうしてほしい。好きにやりたいですよ」とのことでした。私には二人だけの住まいに二つのキッチンはどうしても納得できませんでしたが、お二人のご希望どうりにお作りすることにしました。

お二人で相談してこのようなご提案をされる時点ですでに仲がいいご夫婦であることは十分に納得できましたので……

お二人がそれそれのキッチンで並んでお料理をしている姿を想像することができました。なぜか、自分のことのように気持ちがほのぼのさせられてしまいました。

これからは、二つで1つのキッチンは、あってもいいかもしれません。

【キッチン チェックリスト】

  1. IH式にするか、ガス式にするか、使い方になれる時間を考慮して、できるだけ早いうちから検討し使いこなしておく。
  2. キッチンの水栓は自動式にするか、タッチ式にするかどうかを検討する
  3. 手の届きにくい位置にあるレンジフードのボタン等をリモコンで操作できるタイプに替えることも検討する。
  4. 将来キッチンで椅子を使用することを考慮し、座りながら調理できるキッチンを検討しておく。
  5. 夫婦等で一緒に調理できるようにキッチンの通路の幅を確保しておく。
  6. キッチンの照明は明るいほうがいいが、明るさの調整ができるようにするなど対策をしておく
  7. それぞれ自由に使えるスペースを用意しておくかどうかを検討しておく。

 

by株式会社 大東建設 阿部正昭

 

 

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