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玄関からトイレとキッチンを通らないと入れないリビング【リビングCASE 6】

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今回も独断と偏見で、旧暦のお話から、入らせていただきます。

大寒 次候 水沢腹(みずさわあつ)く堅(かた)し

ヤブツバキ

ヤブツバキ

藪椿(ヤブツバキ)の花と木

ヤブツバキの実

藪椿(ヤブツバキ)の実

椿が見頃を迎えています。椿の一種、ヤブツバキが群生する伊豆大島(東京都)では、島をあげての一大イベント、「伊豆大島椿まつり」を催します。

ヤブツバキは10m近くにまで成長する、日本原産の常緑高木(じょうりょくこうぼく)です。

鳥に受粉を媒介させる「鳥媒花(ちょうばいか)」であるため、豊富な蜜でメジロやヒヨドリを誘います。

艶(あで)やかな花と可憐なメジロの組み合わせは、目にもたのしい春の使者です。

そして…水沢腹(みずさわあつ)く堅(かた)し、は七十二候で、大寒の真ん中の季節です。

沢の水が厚く固く張りつめるころ、という意味からして、寒さここに極まれりですね。

およそ一月二十五日から二十九日ごろの五日間ほどの候ですが、日本の最低気温が記録されたのも、まさしくこの時季。明治三十五年(1902年)一月二十五日に旭川市で、マイナス四十一度が観測されました。

地中ではもう泉の水が動き出してはいるけれど(小寒 水泉動く)、地上では川も湖もまだ厚く氷が張っています。

玄関からトイレとキッチンを通らないと入れないリビング【リビングCASE 6】

⇩①ポーチ(玄関)をこれ以上前に出すと車が玄関にぶつかってしまい駐車できない。

⇩②ホールが狭過ぎる。場所も最悪!

⇩③トイレ、洗面、キッチンを通らなければリビングに行けない動線

玄関からトイレとキッチンを通らなければ入れないリビング

玄関からトイレとキッチンを通らなければ入れないリビング

⇧④スペースが余っていて無駄な空間になっている。

⇧⑤下駄箱(玄関収納)が玄関の幅が狭いため、必然的に小さい。その上ホールからも使えない。

 

前回に引き続き今回も、お母さん同士の二人連れのお客さんが相談にやってきました。今回はどんな相談事を持ってくるのでしょうか……愉しみです。

m(ママ1)西側が道路で、車が2台がぎりぎりの敷地。

F(ママ2)本当にそうだね。ポーチのステップが車止めになりそうなくらいギリギリ狭いね。

m この間取りだと、玄関からトイレの前のホールを通って、キッチンの横を通ってようやくリビングに入れるんだね。遠いし、通ってほしくない部分をぐるっとまわるってことだよね。

 玄関からリビングに直接入るのが理想だけれど、それは難しそうだし、キッチン経由でリビングに入るのもイヤだと思わねい?!

 玄関を前に出して、玄関ホールをつくればどうにか可能かもしれないね。

F それは無理!玄関扉が車と当たって開かなくなるし、ポーチも邪魔になるわ。車が一台ならいいけど、無理だよね。車は増えることはあっても減ることはなさそうだしね。

m 駐車場借りるのも費用がかかるから、敷地内に車を止めたいわ。どうにかならないかなぁ?

【解決策・処方箋】

「横向きのキッチンを縦にして空間を効率的に使う」

L D Kにはリビングに直接入るのが理想的ではありますが、間取りによってはダイニング経由でリビングに入ることも致し方ないと思います。   

ですが、今回のようにトイレを通って、洗面室、キッチンの横を通過してリビングに入るという動線は普通では考えられません。

見たくない、見せたくないところを経由して入るリビングはあり得ません。それだけは絶対に避けなければいけません。

他にも下駄箱がホールから使いにくく、収納量も少ないこと、ダイニングの南側のスペースが有効に使えてないことも、改善すべき点として挙げられます。

⇩①ゆったりとした広さの玄関・ホールになり、下駄箱(玄関収納)も幅広のものが置ける。

⇩②演出しやすいホールの壁面。お気に入りの絵画などを掛けることにより、よりゆとりが生まれる。

⇩③サービス用に使える動線

⇩④リビングからブラインドになり見通しにくくなったキッチン

玄関から直接入れるリビング

⇧⑤この間取りの動線であれば、直接リビングへ入ることが可能となる。

間取りPlan Aの解決策では、まずは玄関と対面したホールを設けることから考えてみました。駐車した車とのスペースがギリギリのため、玄関をこれ以上前に出すことができないので、原案の対面キッチンの通路部分をホールとして利用するしかないという考えに至りました。

しかし対面キッチンのままでは、キッチン経由のリビング動線となってしまうので、キッチンの配置を縦向きに変更してみました。

対面キッチンのキッチンセット幅(2550mm)より、解決策にあるキッチンの奥行き(2275mm)の方がコンパクトに納まりますので、ホールを設けることが可能です。

玄関空間が広くなったことでお客さまに与える印象はずいぶん違ってきます。玄関収納の収納量も増えて片付きやすくなり、玄関正面の壁は演出スペースとしても使えます。

常に対面キッチンで考えるのではなく、いろいろなバリエーションの引き出しを持っておくことが大切です。

解決策では、洗面室側に通路を確保することで、ホールから洗面室、キッチンを通ってダイニングまで回遊できる、いわゆる家事動線に配慮された間取りになるのです。

ダイニングには6人掛けの食卓も置けるので問題ありません。LDKはリビングから入ることを前提に、そこに至る動線もおもてなしの意識で計画してみましょう。

by株式会社 大東建設 阿部正昭

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