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人の通り道(動線)をリビングにつくる【リビング②】

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今回も独断と偏見で、旧暦のお話から、入らせていただきます。
寒露 末候 蟋蟀(きりぎりす)戸に在り

発明王と日本の竹

物理化学者・ジョゼフ・スワン

物理化学者・ジョゼフ・スワン

世界初の電球

ジョゼフ・スワンの発明した電球

「電球を発明した人」はエジソンとされていますが、厳密には物理化学者・ジョゼフ・スワンが発明しました。
しかし、その点灯時間は40秒程度。点灯時間を延ばし、実用化したのがエジソンなのです。そしてその偉業を支えたのは日本のある植物でした。

点灯時間延長の鍵は、電球内部で光を放つフィラメントの素材にありました。
エジソンは6千種類もの素材をも用いて実験を重ねるなかで、竹がフィラメントに適していることを発見します。

トーマス・エジソン

トーマス・エジソンと竹のフィラメント電球

電球に使用された竹

エジソンの電球に使用された竹

彼は世界中に20人の竹ハンターを派遣しました。収集した竹の中で、平均千時間点灯というベストの結果を出したのが、石清水(いわしみず)八幡宮(京都府)周辺に生える竹でした。

次世代素材のセルロースが登場する十数年間、日本の竹によるフィラメントが世界を明るく照らしていたのです。

そしてキリギリスが戸口で鳴くころ、という意味の季節が、蟋蟀(きりぎりす)戸に在り。寒露の末候で、いかにも晩秋という風情が感じられます。およそ十月十八日から二十二日までのこと。

この蟋蟀(きりぎりす)という字は、コオロギとも読みますが、万葉集の時代にはすでにコオロギが歌に詠まれていました。秋の野に出かけ、響く虫の声に耳を澄ますことを、虫聞きといいます。
こほろぎの待ち歓ぶる秋の夜を寝るしるしなしまくらと吾は
(こおろぎは恋人同士が出会って、待った甲斐があったと喜び鳴いているのに、わたしは共寝の相手もなくわびしい夜を過ごしています。
 この秋の夜長にとうとう枕を抱いて過ごす羽目になってしまいました)
 「虫聞き」って、なんかすごく風流な感じがしますね。是非今年がダメなら来年、来年がダメなら再来年…いつかは必ず、あなたと二人、寄り添いながら「虫聞き」をしたいですよ。

人の通り道(動線)をリビングにつくる【リビング②】

【リビングには通路(動線)が発生しやすい】

リビングの家具配置はなかなか難しく、建築の専門家でも結構悩みどころです。
ですが、家の平面図の中に家具を置いてみると、人の通り道が見えてきます。
出入り口を同士を線で繋ぎます。その線は〈人の動き=通り道〉を表すもので、建築、リフォーム内装計画の現場では「動線」と呼ばれています。
動線は部屋の使い勝手の良し悪し、適切な家具配置を考えるうえで大変重要な線となります。部屋の中にも通路部分があることを意識しておきましょう。

リビングの動線【リビングはさまざまなスペースと隣接する】
〈リビングはドアや窓がたくさんあるため、落ち着かない空間になったり、使い勝手に問題が出たりすることもあります。「動線=人の動き」(図中のグリーンの線)を滞りないよう意識しすれば、使いやすく居心地の良い空間を生み出します。〉

 

【家具をリビングのまんなかに置いてみる】

 

リビングは、独立した応接間やゲストルームでない限り、いくつものスペースにアクセスしているのが特徴です。ダイニングやキッチン、廊下、個室が面していたり、庭やバルコニーが隣接していたりすることも多々あるでしょう。

このように、リビングは出たり入ったりする場所が意外と多いため、家具の配置で使い勝手が左右されます。
では、家具をうまく配置するためにはどうしたらよいでしょうか⁈

家具を部屋の真中に置いてみた

部屋の真中に家具を置いてみた

[左側がリビングで右側が通路。広いリビングを家具で仕切ることで、廊下のようなスペースをつくりだしています。壁で完全に区切るのと違い、天井部は空間が繋がっている。この空間の繋がりは、部屋を広く感じさせる効果があります。]

 

その答えは、思い切って家具をリビングの、まんなかに置いてみてはいかがでしょう。
出入り口同士の動線を意識して家具を配置するのです。一見スペースを無駄にしているように感じます。ですが、そんなことはありません。

むしろ部屋の中の通路が明らかになり、整理され、ソファなどの前を動線が横切るようなこともなくなるのです。

リビング全体を家具で仕切る配置方法も有効です。リビングの空間をいくつかに分けることを意識して、大きな本棚やソファなどの家具を配置してみましょう。
高さのある家具なら壁のような間仕切りにもなりますし、その反対に低い家具ならスペースを区切りつつも一体感のある空間が生まれます。

【人が自然に集まるスペースとは⁉️】

人がゆっくりできる空間は、動線次第だといっても過言ではありません。
先ほども言いましたが、ソファの目の前を頻繁に人が横切るようだと、会話するにも本を読むにも落ち着く場所にはなりませんよね。

そうかと言って、座ったり寛(くつろ)ぎの場所が、動線からあまり遠くなってしまうと、人の動きと離れ過ぎてしまいます。
寂しく孤立した空間になってしまうのは、いうまでもありませんね。(そういった空間は人が集まる空間には向いていませんが、書斎などの気持ちを集中させる部屋には大変むいています)。

寛(くつろ)げる場所は、「動線から離れ過ぎない空間」につくるのがミソです。
水の流れに例えるならば、ゆっくりと自然に流れるところや、ちょっとした溜まりのような部分です。

リビング動線

リビングの動線の悪い例

そして、人はそのような場所に居心地の良さを感じるものなのです。
しっかりと、動線(人の通り道)部分を意識して計画すると、自然と椅子やソファを配置するスペースが確保できるのです。
🆖
[家具配置と動線の悪い例]
壁際に家具を置いた例。結果として部屋の中央が動線(通路)となってしまう。人の座るソファの前を動線が横ぎっているのが分かります。これでは、寛げるとはほど遠い場所になってしまいます。

リビング動線②

リビングの動線の良い例

🆗
[家具配置と動線の良い例]

動線をつくるように家具で通路スペースを仕切ってみる。すると人の座る場所にまとまりができて近づくとともに落ちつきが生まれるのです。また、動線(通路)沿いに収納家具を配置すれば、誰もが使いやすいものとすることができます。

by株式会社 大東建設 阿部正昭

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