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【リビング内階段があれば、子ども部屋が2階にあっても大丈夫。】
今回も独断と偏見で旧暦のお話から入らせていただきます。
夏至(げし)末候 半夏生ず(はんげしょうず)
朝顔
夏の訪れを教えてくれる朝顔が日本に伝来したのは奈良時代。当時は「牽牛子(けんごし)」と呼び、種を薬として珍重していました。
江戸時代後期には花の色や形を改良した品種が次々と生み出されるようになり、一躍「愛(め)でる花」として大人気に。
さらに牽牛子の名前が彦星の漢名である「牽牛(けんぎゅう)」に通じ、開花時期も七夕と重なることから、花が開いた朝顔は、彦星と織姫が会えたしるしとして縁起物になりました。
明日は七夕。朝霧に濡れてしっとりと咲く朝顔に彦星と織姫の逢瀬を願いつつ、幸運を授けてもらいましょう。
・今日をたのしむ
【入谷朝顔まつり】
今日から7月8日まで東京都台東区の鬼子母神(きしもじん)(真源寺)周辺で開催。約80軒の露店が並ぶ日本最大の朝顔市です。
【硯(すずり)洗い】
七夕の前夜は字や学問の上達を願い、硯(すずり)や机を手入れするならわしがあります。文房具の整理整頓をしてみては。
【ピアノの日】
1823(文政6)年の今日、ドイツ人医師・シーボルトがはじめて日本にピアノを持ち込みました。
【リビング内階段があれば、子ども部屋が2階にあっても大丈夫。】
【玄関付近の配置を避けたい!子ども部屋】
上の図の場合は、子ども部屋に入ろうとしたら、空を飛べない限り(笑)必ずリビングを通らなければなりません。必ずリビング経由ということは、朝晩に親子の会話が自然にできるということになります。もちろん、他の兄弟や、お祖父ちゃん、お祖母ちゃんが同居なら他の家族との会話も自然とはずみます。
それに対して下の図は、玄関から子ども部屋への直行が可能となってしまいます。経由しなければならないのは、玄関とその前の廊下だけです。これでは、親子の会話がほとんどなくなることも十分に考えられます。
親子の会話が無くなっているのではなく…無くしているということになります。
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家族で住むことを考えれば、対話が円滑にできるようにするには、どうしたらよいかを考えることは、至極当然のことだと思います。
「密室」とは、家族と会話をしなくても生きていける(笑)部屋のことです。
先ほどの図ように、リビングなどのパブリックスペースを通らずに、玄関から直接に自分の部屋に入れてしまう部屋のことです。または、自分の部屋から直接に外に出られてしまう部屋のことになります。
そういった家は極端に言えば、子ども部屋を訪ねなければ、家に子どもがいるのか、いないのかすら分からないということです。「娘を1週間以上、家で見かけていないが、どうしているのかなぁ」
これではまさしく「密室のある家」になってしまいます。
そんなことがないよう、戸建てで子ども部屋が2階にある場合、私はできるだけ、リビング内に階段を積極的に付けるようお薦めしています。いわゆる「リビング内階段」「リビング階段」と呼ばれる間取りの考え方をお奨めしています。
気まずい感じでも、なんでも、親に「おやすみなさい」くらい言えるものです。また一方で、子ども部屋に行く前にリビングを通過させることで、「家に帰ってきた」という意識を芽生えさせることも最も大切なことだと思っています。
リビングからの階段は、家族が自然に会話できる「きっかけ」という仕掛けということになります。欧米などの映画の邸宅の風景にはよくリビングからの階段が登場しますが、決してデザイン的な意味だけではなく、実利も兼ね備えていたわけです。
欧米の合理主義には恐れ入るものもあります。私も子どもの頃にアメリカから入ってきたドラマ「奥さまは魔女」や「お祖父ちゃんは億万長者」などの家の中が頻繁に現れるのですが、日本にはまずありえないリビング風景が出てくる度に「違う!」と思って観ていたことをはっきり覚えています。
【子ども部屋を優先に計画するのが、マンションリフォームではお奨め!】
戸建住宅は白い紙に未来を描きますが、マンションリフォームでは、なかなか、そうもいきません。1度描かれたうえに新しい生活を再び描くのですから、なかなか微妙で、難しいところです。
ですが、お子さんが小さい場合は大手術というか、大改造をお奨めいたします。「まあ、この辺でいいか!」という安易な回答は禁物です。
最近のマンションはかなり柔軟にリフォームに耐えられるようになってきています。繰り返しますがポイントは、子ども部屋の位置をリビングに直結させることが重要なポイントとなります。
極端に言えば、部屋の形が不格好であったとしても、優先順位は、動線なので、動線を最優先しましょう。
先日、西武池袋線、椎名町駅にある「トキワ荘ミュージアム」に足を運びました。そこで感じたのが、密室化した部屋の代表は、漫画界の大御所、藤子不二雄氏の『ドラえもん』の「のび太」の部屋だと思いました。
2階にあって親から干渉されない、その上、机の引き出しは『ドラえもん』のいる未来に繋がっています。だからトラブルの発生現場は、いつも「のび太」の部屋からなのです。
【こども部屋の密室化はなるべくなら避けたい】
上の図、右図のマンションでリフォームの依頼をされた場合、玄関近くの洋室あたりを子ども部屋にし勝ちですよね。実際私のところも娘の部屋はそこにせざるを得ませんでした。
ですが、やはり、リビングやダイニングが多少狭くなっても和室付近に子ども部屋を設置することをお奨めします。ちなみにafter図のほうの子ども部屋の扉は引き戸をお奨めします。
密室化させない意味も含めて、暑いときなどなるべく開けておきたくなるような引き戸はお奨めです。以前にもお伝えしましたが、その他大変多くのメリットが引き戸にはありますので、引き戸が断然お奨めです。
by株式会社 大東建設 阿部正昭