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【リビングに「好きな色」は使わない】
今回も独断と偏見で旧暦のお話から入らせていただきます。
芒種 初候 蟷螂生ず(かまきりしょうず)
時間感覚
今日は時の記念日です。
日本人は世界一時間に厳しいといわれています。ですが、これは、ここ100年ほどで培われた感覚だそうです。
1872(明治6)年、新暦とともに一昼夜を24等分する「定時法」が採用されるまで、日本人は季節によって基準となる「一刻(約2時間)」の長さが変わる「不定時法」のもとで暮らしていました。
今では何かの行いを一日中ずっとしていることを、「四六時中」といいます。
ところがそのころは、「二六時中」と言っていたそうです。1日が12刻だったので…2×6=12です。
今は24時間なので、4×6=24で四六時中(シロクジチュウ)と変わったそうですよ。
そして、庶民は城や寺院が鳴らす「時の鐘」によって時間を把握していたといいます。
そのため、明治時代に来日した外国人の日記には、日本人のおおらかな時間意識に悩む記述が多数見られます。
しかし、鉄道や学校制度が整うにつれ、「時間通り」の大切さが広まっていきます。
律儀で真面目な日本人らしい歴史です。とはいえ、時には昔の人々を見習って、のんびりと過ごしたいものですね。
・今日をたのしむ
【時の記念日】
1920(大正9)年の今日、時間の尊重・厳守を目的に制定されました。
実際には、天智(てんち)天皇が漏刻(ろうこく)(水時計)を用いて時を知らせたという旧暦671年4月25日でした。
その日付を新暦に換算し、6月10日に決まりました。
・季節をたのしむ
【時鮭(ときさけ)】
春から夏にかけ北海道沖で獲れる時鮭は脂がたっぷり。
秋の漁獲期を間違えた鮭、といった意味合いでこの名前がついています。味はバッチリ間違いなしです。
【リビングには「好きな色」は使わない】
前回のお話は、「木造でも2階リビングなら広々ワンルームが可能」についてお話をお伝えさせていただきました。
今回は、「リビングに「好きな色」は使わない」、「ビニルクロスより調湿クロス!」というお話をさせていただきたいと思います。それでは、始めさせていただきます。
【リビングに「好きな色」は使わない】
リフォームの仕上げとして、壁紙選びやカーテン選びなど、インテリアを考えるのもひとつの愉しみだと思います。たとでば壁紙などは、選ぶ色ひとつで雰囲気がガラリと変わってきます。
現在では欧州や合衆国、要するに欧米やその他の外国からの輸入壁紙増え、美しい柄のモノが選び放題となってきました。実際私のところでは、ビニルクロスでなく、紙とウッドチップから100%つくられた、壁紙をお奨めしています(ですが、その件については後日別の機会にお話します)。
クロスやテキスタイルのショールーム(一般的なところでは、ほとんどビニルクロス)に出かけたが最後、美しい壁紙の数々に目移りせずにいられる方は、ほとんど居ないのではないでしょうか。
ですが、ここでは気持ちをしっかり引き締めて、【リビングの壁紙には、無地か、無地に近いものを選びましょう】。寝室や子ども室などのプライベートスペース(空間)ならば、好きな柄や好きな色の壁紙を選び、個性を発揮するのも愉しいかもしれません。
ところがリビングという場所は、家族全員の寛(くつろ)ぎの場に他なりません。また、ご家族以外のゲスト(お客さま)を迎える場所でもあるのです。来客はもちろん、家族といえども趣味はそれぞれに違うでしょうし、【華やか過ぎる壁紙では落ち着きません】。
家具やカーテンのほか、アートに小物に花にと、既にリビングにはたくさんの色が存在します。その上、人の心理としては、ついつい“好きな色”を購入してきてしまうものです。
壁紙もクッションもフラワーベースも同じ色では、見苦しくなってしまうものです。そこで【壁紙を背景と考え、好きな色の引き立て役に徹してみる】のも得策です。
【「調湿クロス」など自然素材は身体にも精神にもやさしい】
人間の五感は、思っているより、たいへん繊細で敏感です。私たちの気分や精神状態は、家の中でいつも目にしたり、触れたりしているもの―例えば、壁や床や天井にも、無意識のうちに影響されているのです。
気分だけでなく、身体もまた正直です。壁紙ひとつとってもバカにできません。身体に優しい自然素材の壁紙を使うのと、見た目が美しいだけの壁紙(ビニルクロス)を使うとでは、暮らし易さが、まったく違ってくるのです。
私がいつもお奨めしているのは「調湿クロス(ウッドチップクロス)」と呼ばれる壁紙です。(実際に植物繊維や木材を粉砕したもの、天然の接着剤(自然のノリ)だけで製品とされたホンモノの壁紙)
東京都・新宿区のHさんの家では、リビングの壁に「オガファーザー」という調湿クロスを使いました。これはドイツ生まれの壁紙材でリサイクルペーパー(純粋再生紙)を溶かした中に再生木材のチップを漉(す)き込んだ多層合紙なのです。
ほかにも、沖縄や東南アジアなどに生育する月桃(げっとう)という植物の繊維を活用した「月桃紙(げっとうし)」や「ケナフウォール」などが、身体にやさしい自然素材の壁紙としてお奨めです。
調湿する壁材としては、漆喰(しっくい)や珪藻土(けいそうど)壁も人気ですが、珪藻土のほうは、アスベストのような健康被害に繋がる疑いがありますので、私としては漆喰材のほうが、断然お奨めです。世界遺産で有名な“マチュビチュ”やヨーロッパの城で五千年~一万年以上も遥か昔から建材として使われてきたものです。
ただし、湿気を調節する効果は断然優れているのですが、少し高価になってしまうのが難点といえば、いえなくもありませんが…、よかったら計画のひとつとしてお考え下さい。
by株式会社 大東建設 阿部正昭