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あなたはリビングで何をしますか?【リビングCASE①】
今回も独断と偏見で、旧暦のお話から、入らせていただきます。
白露(はくろ)次候 鶺鴒鳴く(せきれいなく)
人生の大先輩
長年にわたり社会や家庭のために働いてきたお年寄りは宝です。
そのため日本人は昔から特定の年齢の、とくに長生きをみんなで祝う「年祝い」を受け継いできました。
「敬老の日」は人生の先輩を敬い、その知識や経験を伝えてもらおうと、兵庫県のとある村で「としよりの日」を定め敬老会を開いたことがきっかけでつくられました。
数え年の61歳で迎える「還暦(かんれき)」をはじめ、70歳の「古希(こき)」、77歳の「喜寿(きじゅ)」、80歳の「傘寿(さんじゅ)」、88歳の「米寿(べいじゅ)」、90歳の「卒寿(そつじゅ)」、99歳の「白寿(はくじゅ)」、100歳の「百寿(ひゃくじゅ)」など、それぞれの年齢を寿(ことほ)ぎお祝いします。
そして、白露の次候は、鶺鴒鳴く(せきれいなく)。およそ九月十二日から十六日ごろのこと。鶺鴒はチチィチチィと鳴く、尾の長い小鳥です。歩くときは尾をひょこひょこ上下に振ります。昔、男女の神さまが契の結び方がわからず困っているときに、ちょうど現れた鶺鴒の仕草を見て悟り、ぶじ睦み合えたといいます。それで鶺鴒は恋教え鳥とも呼ばれているんですね。
時有鶺鴒、飛来揺其首尾。二神見而学之、即得交道
(そのとき鶺鴒が飛んできて首尾を揺らしました。二神はそれを見て学び、ぶじ結ばれました)『日本書紀』より
昔は『日本書紀』のような公の文献に男女の交わりの話を載せるとは、かなり、おおらかだったんですね¨̮♡
あなたはリビングで何をしますか?【リビングCASE①】
家族みんなが集まる場所であり、外から人を招き入れる場所。家の中で一番居心地のいい場所。
【快適なリビングとは?】
- ライフスタイルに合ったリビングが最も快適。誰がどんなときに何をするための部屋なのかをまず考える。
- 「リビング=ソファ&テーブル」の固定観念を捨てる。段差を設けてベンチ代わりにしたり、ゴロンと横になってくつろぎたいなら畳にしてもおもしろい。
- 家具を壁から離して配置してみると、人の通り道(動線)が整理されて落ち着いた空間が生まれる。
- くつろぎスペースは、動線から離れすぎない場所につくると、ほどよく落ち着く空間になる。
- 家具を腰高程度のものにしたり、出窓やリビング続きのバルコニーを設けたりすると、広さや明るさ、開放感が生まれる。
【専門家のアドバイス】
家族がゆっくりと過ごしたり、友人たちとの会話が弾む居心地の良い空間にするためには、広いスペースにすることが必須条件。天井も少し高めにすることで開放感がでます。庭や縁側、バルコニーと繋(つな)がることでリビングの快適度はさらに向上します。
①天井を高くしたりアウトドアリビングを設けたりすることで、広く開放感のある空間になる。
②家族がくつろぐのはもちろん、来客も招き入れる空間。家の中で一番条件のいい場所につくられる。
③さまざまなスペースにアクセルする場所なので、人の通り道(動線)を考えることが重要。
【あなたはリビングで何をしたいですか?】
リビングであらためて考えたいこと
リビングは「誰が」「いつ」「どんなときに」「何をする」ための部屋なのか?というように、あらためて考える必要があります。意外と出てこないもの。普段から考えていない証拠です。家族ひとり一人、どんな使いかた、暮らしかたをしたいか考えてみましょう。
リビングはなんのためにあるのか??今さらながら考えてみる。
リビングは住まいの計画の中で、一番条件がよく、居心地の良いところに配置されるCASEがほとんです。家族がもっとも長く集まる場所だからです。
そんな重要なスペースだからこそ、リビングは何をするための部屋なのか、あらためて考えなければなりません。難しいいいかたをすると、「リビングの機能とは何か」ということになります。
「団欒(だんらん)」とか「寛(くつろ)ぐ」といった言葉が浮かんできますが、それはどんな状態でしょうか?お茶を飲みながらおしゃべりをする、本を読む、寝転んでテレビを見る、友人を呼んでお酒を飲む…(私は飲めないので、自分にあてはめるとそこは考えにくい、想像しにくいところなのですが…)
など、人によって捉えかたは、千差万別です。こう考えると、家族全員がいろいろなことができるスペースがリビングなのかもしれません。
日本の家にリビングが登場したのはつい最近のこと。
日本ではいにしえの昔から「茶の間」が、家族団らんの場所でした。今でいう「リビング(=居間)が本格的に取り入れられたのは、大正から昭和にかけてだと思われます。
外国人建築家の来日とともに洋風の建築や生活様式が導入されてからのことになります。ただし、当時は対外的(家の中の社会的)な部屋として応接間的な性格を持つ空間として使われていました。
リビングの原点は、何でもできる茶の間
家族が食事をしたり、集まったりする場所が茶の間。食事をして、お茶を飲んで、寝転んでテレビを視たり。そこには畳の生活の気ままさ、座の生活があり、日本人の庶民生活の原点がありました。
茶の間は今のリビングの前身といえますが、基本的にはリビングは食事の場として設定されていませんね。
居心地のいいリビングは、ライフスタイルにこだわって考える
リビングには「ソファとテーブルのセットが必須」と考える人がほとんどではないでしょうか。しかし、それはあくあまでイメージに過ぎません。たしかにお気に入りのソファーがあれば、気持ちの良いリビングにしやすいかもしれません。
でも実際には、ソファを背もたれにして床に座ってテレビを観る、というような光景をよく目にします。もしそのスタイルのほうが過ごしやすいのなら、ソファは置かずに、床座(ゆかざ)(床に座る生活)のリビングにされたほうがいいかもしれません。
当然、床を全面畳にするのもありだと思います。
また、子どもたちの勉強や遊びのスペースを設けたり、お父さんとお母さんの仕事机や家族共用の本棚などを置くといった発想も面白いかもしれません。フィギアなど趣味のコレクションを飾るのもいいと思います。
ようするに、どんな過ごしかたが自分たちの生活に最も合っているのかを考えてみることが、心地よいリビングをつくる第一条件でもあるのです。
もうひとついえることは、リビングは社交的な場所でもあるということです。できれば堅苦しい立派な応接セットでお客さまを迎えるのではなく、日常の生活に気軽に人を招くことができる社交的な環境がつくれれば理想的だといえるでしょう。
それにはなによりもリビングを自分たちの大好きな場所にすることです。たとえば、素足で無垢(むく)材の床を歩くのが最も快適だと思えば、来客にもスリッパなしで入ってもらってもいいと思います。また、堅苦しいソファが嫌いであれば、お気に入りの座布団に座ってもらう手もあります。
家具や設備の豪華さではなく、住人のこだわりを感じさせるリビングのほうが、招かれた人も必ずたのしい体験となるに違いありません。
ソファなどを置かずに、ベンチや階段に座って過ごす、床座(ゆかざ)のリビング。
リビング・ダイニング・キッチンを一体化したスペース。それほどスペースは広くないため、床に3段の段差を設けて、空間に区切りを。無理やりソファセットなどを置くことなく、階段の高さに揃えたベンチを設けることでどこでも気楽に座れるスペースとなる。
図
①階段と同じ高さのベンチを設けることで、どこにでも気楽に座れる自由な空間を演出
②思い切り幅を広くすれば、階段にも座れるようになる。
③座布団やマット、あるいはそのまま床に座るように、あえてソファを置かない。