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【特に木と石などの自然素材でつくる浴室に拘(こだわ)る[材料、設備の追求15]
今回も独断と偏見で旧暦のお話から入らせていただきます。
清明 末候 虹始めて見る(にじはじめてあらわる)
山笑う
日本の山々は、季節の移り変わりに合わせて表情を変えていきます。芽吹きの季節を迎えた春の山は「笑う」。
たしかにやわらかく生き生きとした若芽色をまとう山はほがらかで、観ている私たちもつい笑みがこぼれます。
「山笑う」は春の季語になっており、正岡子規は「故郷や どちらを見ても山笑ふ」と詠んでいます。
ちなみに夏は「山滴る(やましたたる)」、秋は「山粧う(よそおう)」、冬は「山眠る」が季語です。
そして、いずれも北宋(中国)の画家・郭熙(かくき)の言葉なのです。
日本にも中国にも、昔はこのように山が生きているような、趣きある言葉があったのですね。
・今日をたのしむ
【森林浴の森】
遠くで眺める「山笑う」も素敵ですが、近くで芽吹きの様子を堪能できる森林浴もお奨めです。
自然保護の精神を養い、森林浴を健康増進に役立てることを目標にして選定された「森林浴の森日本100選」は、お出かけの参考になりますよ。
【なすび記念日】
4(よ)月17(いなす)日の語呂合わせから。夏野菜のイメージが強いナスですが、12月~6月にかけては「冬春ナス」が出回り、4月に最盛期を迎えます。
特に木と石などの自然素材でつくる浴室に拘(こだわ)る[材料、設備の追求15]
【寛(くつろ)ぎのお風呂は、天然素材で…】
① 眺望への留意点としては仕上げの雰囲気を統一しましょう。さらに内部空間と外部空間との連続性も強調したいところです。浴室天井には水や湿気に強いといわれる檜葉(ヒバ)材を張り、バルコニーの軒天井(のきてん-じょう)には煤竹(すすだけ)を張るのもいいでしょう。
開口部はできるだけ大きくしたいところですが、水廻(みずまわ)りであることを考慮し、木製建具ではなく、耐久性の高い特注でオーダーできる木製サッシを採用することをお奨めします。
②浴槽が深めなので内部に一段、ステップを設けることをお奨めします。
③背もたれには傾斜をつけることをお奨めします。
④腰を掛けやすいように幅広にします。
壁はタイルで床と浴槽内は十和田石、浴槽の框はヒノキ、天井はヒバ、バルコニーの軒天は煤竹(すすだけ)と天然素材などがお奨めです。因(ちな)みにですが床の十和田石は300×600×厚さ21~24mm程度のものを推奨します。
また、たとえばヒノキ以外で浴室、浴槽に使用可能というか、適しているものは、ヒバ、サワラ、高野槙(こうやまき)など、どれも水に強いといわれているものです。
床の十和田石以外で浴室・浴槽に適している天然石素材は、御影石(みかげいし)、鉄平石(てっぺいせき)、玄昌石(げんしょうせき)などが考えられます。
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【浴室は自然素材、中でも木と石に拘(こだわ)る】
浴室は、日本では特に疲れを癒(いや)す空間といっても過言ではありません。ですから、木や石といった自然の風合いを生かした浴槽は、なんといっても魅力的です。ちなみに、お奨めの素材は十和田石(床)と青森ヒバ(天井)です。
木の浴槽では、代表的なのは何といってもヒノキ風呂ですがメンテナンスが気になる場合は、浴槽の框(かまち)にヒノキを用い、浴槽内部は、床材と同じく十和田石にするのもお奨めです。
仕上げ材を石に揃(そろ)えることで空間に一体感が生まれます。その上、十和田石は水に濡れると青く輝きます。さらに肌触(はだざわ)りがよくあたたかみもある素材です。そして、ヒノキの框は、入浴時に頭を置いたり、出入りする際の腰掛けとしての役割も果たし、一度癒されると、なかなかユニットバスで妥協できなくなるかもしれません。
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【リビングの中心には暖炉を設(しつら)える】
暖炉に憧(あこが)れを持つ方は多いと思います。下図の家も「家の中心に八ヶ岳連山がきれいに見える窓際(まどぎわ)に暖炉(だんろ)〈薪ストーブ〉を設けたい」というクライアントの希望を叶えたものです。
この家は高気密・高断熱住宅で一般的な住宅より間仕切りが大分少ないので暖炉の熱が効率よく全室に行き渡ります。各居室では小さなサーキュレーターを利用し空気を循環させて快適な室温を保っています。
暖炉前にソファを置き、ユラユラと揺れる炎を眺めつつ窓越しに北アルプスや田園が連なる風景を家族で愉(たのし)める空間が誕生しました。
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【リビングの中心に薪(ペレット)ストーブ】
①樹脂サッシに配慮し背面部分のみ鉄製遮熱版を設置しました。ただし煙突は既製品で、煙突部分からも放熱され暖を期待できます。
②建物は、木造で、防火・準防火規制のない地域なので、柱も梁も現しにしました。
③八ヶ岳連山の山々の方向に窓を配置し、最高の見晴らしになるよう計画しました。
④この家で採用した薪ストーブは、鋳物製作会社にオリジナルなデザインで特注製作していただきました。半分趣味的な会話をしながら、愉しませていただきました。