BLOG

ブログ

仕事の効率を上げる「メモ」の科学

LINEで送る
Pocket

仕事ができるコクヨ社員が実践する6つのコツ

有能なコクヨ社員

メモを取れ…今も昔も新人の頃には誰しもがこう言われます。 ところが、「メモしなくても覚えている」「めんどくさい」と思っている人も多いのではないでしょうか? ですが、記憶に関するミスを減らす近道はメモを取ることです。 メモの効能を知れば、家事など主婦(夫)仕事の効率もさらに上がると思いますので、参考にされることをお奨めします。

 

1日経つと7割忘れてしまう

1日7割の忘却

仕事におけるミスといえば、「上司の指示を忘れる」「人の名前を忘れる」といった、記憶に関するものが真っ先に思いつきます。
「しっかり覚えた!忘れないだろう」と思ってもいつの間にか忘れてしまう。
私たちの脳は、予想以上に頼りないのです。

右図は記憶に関する研究の草分けともいえる「エビングハウスの忘却曲線」と呼ばれるものです。
グラフ縦軸は節約率と呼ばれ、最初に記憶する時間や回数に比べて、再び記憶するまでの手間がどれだけ節約できたかを表す指標です。
注目してもらいたいのは、覚えた直後の急速な忘却カーブです。
完全に憶えたと思っても、20分後には42%、1時間後には56%、1日後には74%を忘れるという結果になっています。

この実験結果を見て「こんなに早く忘れるの?」と驚いている人は、これまで自分の記憶に期待しすぎていた可能性があります。
憶えた!と思っても、人の脳はこれだけ急速に物事を忘れていくということを、忘れないように、しっかり頭にたたき込んでおきましょう。

忘れる原因は「ワーキングメモリ」にある

ワーキングメモリー「ワーキングメモリ」という脳の機能をご存じでしょうか? 実は、これが記憶に関するミスの主犯格です。
ワーキングメモリは「脳のメモ帳」にたとえられ、「作動記憶」「作業記憶」などと訳されます。
情報を長期間にわたって貯蔵する「長期記憶」とは異なり、何かの目的のために「一時的に」貯蔵される領域であることが特徴です。
コンピューターで言えば、「長期記憶」に当たるものがHDD(ハードディスク)で、ワーキングメモリがRAM(メモリー)です。
HDDはデータを長期保存する場所ですが、RAMはソフトやアプリが稼働するにあたってデータを一時的に蓄える「作業領域」です。

取捨選択文章を読んで理解するためには、直前の文章の内容を記憶しておくことが必要です。
もし、読んだそばから本の内容を忘れてしまったらどうなるでしょう?
引き返して読むこともできますが、引き返してばかりいたらいつまでたっても前に進むことはできません。
また、会話であればさらに大変です。言葉は話すそばから消えていきますから。相手が発した言葉をワーキングメモリに記憶しているからこそ、言葉をつなぎながら理解することができるのです。
これだけ便利な記憶がメモリーミスを起こすのは、ワーキングメモリの容量がとても小さいからです。
ここで、ワーキングメモリとその容量の小ささを実感してもらうために簡単なテストをしましょう。
まずは次の文章を読んでみてください。

上司の木下課長に呼ばれ、高橋工業宛に会社案内のPDFを送ってほしいと依頼されました。
自分のデスクに戻ると、見積もりを待ちわびていた渡辺金属から新着メールの通知。
見積もりの結果次第では、いまいち営業担当者が信用できない城島産業と仕事をしないといけません。
期待と不安でメールを開き、添付されていたファイルを開こうと思った瞬間に電話が入りました。
佐藤通信から上田先輩宛てでした。
電話をつなぎ終えるとスマホのライン通知。
学生時代の悪友、広瀬から飲みの誘いでした。

さて、会社案内はどこに送らないといけなかったか、思い出せますか?
あなたは今、頭の中がパンパンになった感覚があると思います。まさにワーキングメモリがいっぱいの状態です。
会社名や人名でワーキングメモリが埋まってしまったのです。
ワーキングメモリが貯蔵できる事象は、せいぜい7つ前後(7±2)と言われていますから、これは当然です。
また、最近の研究ではもっと少なく、4±1という説もあるほどです。

ワーキングメモリは「注意」によって成り立つ

ワーキングメモリー

もう少し詳しく説明すると、新しい情報を記憶するにはそれに「注意」を向ける必要があります。
この場合、「注意」とはいわば、情報をつかむことができる「腕」であり、ワーキングメモリでの「記憶」とは、「情報がその腕につかまれている状態」だと表現することができます。 そして、この腕は7本ないし4本前後しかないわけです。
図のように、注意の腕でつかんでいるときは確かに覚えていると感じても、新しい情報をつかむために元の情報を放してしまえば、忘れてしまうのです。
記憶に関するミスをなくす第一歩は、「今はしっかり覚えているけど、この腕を放したら忘れてしまうんだよな」と、ワーキングメモリの特性を認識することです。
また、「ワーキングメモリの負荷を減らす」ことも大きなポイントになります。
方法はいくつかあるのですが、原始的で最もわかりやすい例がメモなのです。

メモを取らない人は仕事が非効率

ワーキングメモリーの無駄使いメモを取る習慣がない人からすれば、メモを書く手間を省いて仕事を効率化した気になっているかもしれません。
しかし、メモに書かずに頭で「覚えておかなきゃ」と思うこと自体がワーキングメモリのムダ遣いであり、仕事の非効率化の要因になっているのです。
ワーキングメモリは短期的に記憶を保存するだけではなく、脳の作業台でもあるのです。
覚えておかないといけない量が増えるほど、作業台が狭くなり(=注意を消費し)、複雑な情報の処理ができなくなります。
その点、メモに書き残せば、即座にワーキングメモリを解放できますので、仕事の精度やスピードも自然と上がるのです。

仕事ができる人のノート~コクヨ社員が実践する6つのコツ

仕事ができる人のノートを見たことがありますか?あまり日頃注意して見ることがないかもしれませんが、そんなところにできる人の「秘訣」があったりするものです。

その1 打合せのメモは前から、発想のメモは後ろから書く

前から‥‥後ろから‥‥

 

コクヨのある社員は、「1冊のノートを複数の目的で使えるようにしている」と言います。

打合せ用のノート、メモ用の…などと、目的別にノートをいくつも持っている人も多いかと思います。

ただ、持ち歩く際には荷物になりやすいですね。

これまで「打合せ用」と「思いつきを書くノート」を分けて2冊を持参していたそうですが、1冊に集約したそうです。

 

1冊をどのように複数の目的にあわせて活用するのか。
その社員は、打合せのときは前から書くが、その際に思いついたアイデアなどを書き留める場合は、ノートの後ろから逆に書く、という方法をを実行しているそうです。

その2 企業名も個人名も、アルファベット1文字で表記する

アルファベット一文字

ある社員は、打合せのメモをとるときは、企業名と個人名はアルファベットの初めの1文字と決めて書いているとのことです。
「F社」「Tさん」などと書くようにすると、書くスピードを上げることができます。
実行する前は、「1文字だけだと、わからなくなるかな……」と少し心配になったそうですが、実際に打合せをメモしてみたら1文字あれば十分でまったく解読に問題がないそうです。
また、「山田さん」「山下さん」のように同じ頭文字「Y」の人がいる場合は、「Yd」「Ys」などと2文字にすると、区別もつきやすいそうです。

 

その3 伝えたいことや聞かれやすいことは、事前に付箋に記入しておく

伝えたいこと聞かれ易いこと

たくさんの方にお会いして自社商品について説明する機会が多いコクヨ社員のなかには、「必要な情報は、事前に付箋に書いてノートに貼っている」という人もいます。

たとえば、新製品の紹介や取材対応のとき。
商品の特長や小ネタ、あるいは商品の売り上げ推移などの情報を事前に収集し準備します。

そうした情報は先に付箋にメモし、ノートに貼っています。
とりあえずその場の打合せに必要だけど永久に残す情報ではないとか、付箋に色もついているのですぐに目にはいってインパクトがでる、といった理由もあり付箋を使っているそうです。
この社員は数字を覚えるのが苦手なこともあり、正確なデータを伝えるために、メモを見てすぐに答えられるようにしているといいます。

また、この社員はA5サイズの無地ノートをヨコ長にして使っていますが、普段から見開きの下側のページしか使わないようにしているので、付箋を貼るのは上側の位置。確認しやすく、打合せ時のメモ書きのジャマにもならず、便利とのことです。
こうした付箋は、ノートの表紙の裏に貼りつけるなどして、待機させておくとより便利です。

その4 直近1年分をデータ化するのも手

打合せ内容のデータ化打合せの内容は、すべてデータ化する、という人もいるでしょう。
ただ、1年分のノートの内容をすべて保存しているような方は、なかなかいないかもしれません。
あるコクヨ社員は、打合せなど1年分のノートの内容をスキャンして、スマホに保存して持ち歩いています。

基本的には、同じページに異なる打合せの内容は書きません(案件ごとに1ページ)。
打合せの内容が混在すると見にくくもなりますし、情報も整理されづらくなります。
ページの書き始めには、後で探しやすいように「日付」「タイトル」、できれば「参加者」まで記入します。
配布資料がある場合、それに関連するメモは資料ではなく、ノートに集約します。全ページ書き終わったノートは、背糊部分を裁断して、1枚ずつスキャンしてデータ化します。

過去のノートをさかのぼって見返すときには、打合せをした日付を確認し、その日付をもとにノートのデータを確認します。

直近1年分くらいのデータがスマートフォンにも入っていれば、「前々回会ったときの打合せ内容はなんだっけ?」といった確認が手軽にできて便利です。

その5 打合せのメモを赤枠で囲んでタスク化する

打合せ内容をタスク化

 

 

 

 

 

 

打合せのときにとったメモが、「ToDoリスト」にまでなれば、仕事のスピードもアップすることでしょう。
あるコクヨ社員は、やるべきことに優先順位をつけ、その場でマーカーや印などを使ってわかりやすくしています。

 

 

 

優先順位

 

 

 

 

 

 

 

 

ピンクは「優先順位・高/すぐやる!」、イエローは「優先順位・中/早めにやる!」といった具合です。
別のコクヨ社員は、打合せ中や会議の中で自分がやるべきことが発生した場合は、忘れないように、ノートの該当箇所を赤色の枠で囲んでいるそうです。

 

たとえば、「○○さんに回答する」というような具体的なアクションではなく、「□□する方向である」といった漠然とした記述であっても、自分もかかわっていかなくてはいけないことであれば、赤で囲んでタスク化してしまいます。
赤で囲んだ後は、そのタスクの納期によっては、付箋に書き写し、目立つところに貼って忘れないようにします。

その6 ノートを真ん中で分割して、 左と右に役割をもたせる

右と左に役割

 

 

 

打合せでメモを取るとき、ノートの真ん中に区切り線を引いて、左右を分割して書く、という使い方をする社員もいます。

1つの案件を1ページに収めれば、一覧性をキープできます。
ノートの区切り線の左側に事前インプット、右側にヒアリング内容を記入するといった使い方も便利です。

「左にインプット、右にヒアリング」と決めておけば、質問や確認すべきことを聞き忘れることもありません。
客先を訪問したときに、よそのお客様の情報が人目に触れないように、ページ割りにも気をつけるといいでしょう。

また、打合せの後には、まとめのページをつくるのもおすすめです。中央の区切り線の左側にまとめメモ、右側にToDo事項を書き出すようにしておくと、課題やこれからすべきことなども明確になります。
以上、コクヨ社員が実践する6つのノートの使い方をご紹介しました。
ぜひ参考にしてください。

by株式会社 大東建設 阿部正昭

 

リフォーム会社 大東建設ページトップへ
練馬区のリフォーム会社 大東建設へのお問合わせ