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モノマネするならハウスメーカーもその一つ〈資料2〉
今回も独断と偏見で、旧暦のお話から、入らせていただきます。
今日は、「討ち入りの日」です。
日本史や時代劇に明るい方は、今日が「討ち入りの日」と聞いてピンと来るかもしれません。1702年(元禄15)年の今日は、「忠臣蔵」のモデルとなった赤穂事件(あこうじけん)が起きた日です。
赤穂事件は、当時の江戸でもっともセンセーショナルな出来事となりました。事件の二週間後には芝居になっていたことからも注目度の高さがわかります。
やがてさまざまな作品が生まれ、『忠臣蔵』は時を超え誰もが知っている作品となりました。というのは、かつての話。
今は、『忠臣蔵』を知らない世代も増えています。史実の研究が進んだり、日本人の価値観が変わったりしたことが影響しているのかもしれません。
多くの人と共有できる物語や昔話が失われていくのは、どこか寂しい気持ちもしますね。
そして、大雪の次候は、熊穴に蟄る(くまあなにこもる)。
熊が穴に入って冬ごもりするころ、という意味で、およそ十二月十一日から十五日までの季節です。
冬眠中の熊は、うんちもおしっこもせずに、春を待つそうです。なぜそんなことができるのか同じ哺乳類として不思議で仕方ありませんね。
ただし妊娠中の母熊は、冬の間に赤ちゃんを産み、巣穴でおっぱいをあげて育てるそうです。
ところで、俳句には冬北斗という季語があります。
冬の空に浮かぶ北斗七星のことで、おおぐま座の腰からしっぽまでの星たちなんです。
日本では冬の七つ星(青森)、柄杓星(ひしゃくぼし)(山口)、風車星(かじまやーぶし)(沖縄)などと呼ばれてきたんですね。
同じ北斗七星でも地方によって呼びかたも違ってたんですね。なんかロマンティックですね。
モノマネするならハウスメーカーもその一つ〈資料2〉
モノマネの対象として必ず集めたいのがハウスメーカーの標準図面です。同程度の床面積における標準的な部屋数、収納量、最近の間取りの流行(はやり)などを把握するのに、ハウスメーカーの図面ほど参考になるものはありません。
2階平面図↑
1階平面図↑
[施主からの条件、要望が以下の内容であった場合…
(土地)東京近県の新興住宅地、敷地の北側に道路、間口7m、敷地面積30坪
(要望)間口3間(5,460mm)✖️奥行5間(9,100mm)程度の2階建て]
ハウスメーカーの上記間取りから読み取れること
まず、間口3間✖️奥行5間程度の二階建てなら、3LDKが上記のハウスメーカーの図面を参考にすれば一目瞭然、無理なく実現できることが分かります。
ただし、駐車場を道路と接する北側に置かざるとえないので、南側には広めの庭を確保することはできません。
密集地の場合は1階の日当たりが悪くなりそうです。
その場合は、思い切って北側にファザードを持ってくるという案も考えられます。
または、2階のテラスの西側に窓を持ってきて、階段を経由して1階に光を通すといいかもしれません。
現在の家の不満点を分析しておく
似たような事例を比較検討する際は、現在お施主さんが住んでいる家も「
基準」の一つとして考えます。
現在の家の図面を見て、現状への不満を建築的に分析し、参考にすることができます。
新居に対する要望は、現状への不満のあらわれであることもしばしばあります。要望を整理するためにも「現在家の図面」は欠かすことができない資料なのです。
お施主さんの不満を建築的に分析!
現在するんでいるのは、鉄筋コンクリート造の賃貸マンションです。夫婦と子ども一人(4歳)。床面積は49㎡。一目瞭然、収納量が不足していることが分かります。
もう一人子どもが増えれば、動線分けにも不便を感じると思います。トイレを使用する際、脱衣室経由しなければならないのも不満の原因に違いないと思います。
[レジェンドなら尚更遠慮なく真似る]
建築史上「名作」と誉高い住宅の事例は、部屋の構成方法や空間のつくりかたなど、ハウスメーカーの間取りとは何から何まで違います。
ここから得られる発想は大変貴重なものです。海外のじれいももちろんいいですが、きこうふうどが似ている国内の事例のほうがより参考になるのは違いありません。
ル・コルビジェの「シトロアン型住宅」
実際の先ほどのお施主さんの要望を整理しながら、ふと思い浮かべたのが「シトロアン型住宅」です。
大きな吹き抜けで空間を一体化する手法が参考になります。ただし、同じスケールで並べてみると、吹き抜けがちょっと大き過ぎますよね。
木造でこの吹き抜けを実現するのは少しばかり無理があるかもしれません。
先達の事例を真似ることは必要なことだと思います。あくまでも参考にしかできませんので、過去に、いい参考例があるのに敢えて自分の発想だけでグレードの落ちる設計をする必要は全くないと思っています。