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[柱と柱の間にあるから「間戸」なんです「窓①]
今回も独断と偏見で旧暦のお話から入らせていただきます。
立秋(りっしゅう)次候 寒蟬鳴(ひぐらしなく)」
盆の入り
今日は、ご先祖さまの霊が自宅へと帰ってくるお盆の初日、盆の入りです。ご先祖だけでなく、現世に生きる私たちも、家族や親戚としばしの休暇をたのしもうと大移動を開始します。お盆の帰省ラッシュを報じる「180%を超える新幹線の乗車率」「高速道路の渋滞は〇〇を先頭に30km」といったフレーズは、この時季のまるで風物詩のようになっていますね。
お盆は、日本独自の年中行事です。
中国伝来の父母を供養する仏事・盂蘭盆会(うらぼんえ)(229)と、日本古来の先祖を敬い、感謝する祖霊信仰がまざり合い形づくられてきました。
かつては貴族や武家など限られた人々だけが営むものでしたが、江戸時代から庶民にも広まり、現在に受け継がれています。
今日は、仏壇の前や部屋の一角に「盆棚(精霊棚〈しょうりょうだな〉)」をしつらえます。盆棚は霊をお迎えし、供物を捧げるもてなしの場です。
今日は、仏壇の前や部屋の一角に「盆棚(精霊棚〈しょうりょうだな〉)」をしつらえます。盆棚は霊をお迎えし、供物を捧げるもてなしの場です。
地域による違いはありますが、真菰(まこも)で編んだゴザを敷き、季節の果物や野菜、食事、お菓子、盆花などを供えます。ご先祖様の乗り物である「精霊馬(しょうりょうま)」も忘れずに、きゅうりとナス割り箸や麻幹(おがら)を挿し、それぞれ馬と牛に見立てます。
この世にはキュウリの馬で少しでも早く戻ってきてもらい、あの世へはナスの牛に乗ってゆっくり帰ってもらうのです。
また、お盆の間に灯しておく提灯(ちょうちん)や行灯(あんどん)は、自宅を示す目印となります。
夕方になったら、玄関先や門口で「迎え火」を焚(た)きましょう。
麻幹や松の割り木、稲藁(いなわら)などを燃やし、ご先祖さまの霊を迎えます。
我が家では燃え殻を数回またぎます。知り合いのところではまたぎながら「お迎え、お迎え」と唱えるそうです。
これはお姑(しゅうとめ)さんが教えてくれたならわしだそうです。
お盆の風習は、地方によってさまざま。しかしその根っこには、故人を偲び、我が身につながる御先祖さまに感謝する気持ちがあります。
形にこだわらずとも、そっと手を合わせる静かなひとときを大切にしたいですね。
・今日をたのしむ
【寒蝉(ひぐらし)鳴く】
お盆の訪れとともに、七十二候も次の候へ。夕暮れどきになるとヒグラシが「カナカナカナ」と鳴き声を響かせるころです。
【お盆】
全国的には今日から4日間がお盆となりますが、7月に一部の地域で行われたお盆と区別するため「月遅れの盆」とも呼びます。
【函館・夜景の日】
8(や)月13(K・トランプの13から)日の語呂合わせ。函館の夜景の美しさをPRしようと制定されました。
・季節をたのしむ
【モモ】
今の時季に出回るモモは、甘味も風味も濃くしっかりとした食感が特徴です。サイズも大きく食べごたえ充分。枝と反対側に位置する「おしり」の部分がもっとも甘い箇所です。
[柱と柱の間にあるから「間戸」なんです「窓①]
西洋の石造り建築文化の「窓」、いわゆるウインドーに対して、日本の木造建築文化の窓は「間戸(まど)」という別名で呼ばれることもあります。
西洋の建物は壁で閉ざす構造ですが、木造建築は柱と柱の間が開いていることが原点といってもいいくらい、まったく構造的に違います。
ですから、西洋の建物は壁をくり抜いたもの(額縁をイメージすると分かりやすいかもしれません)であるのに対して、日本の窓は柱と柱の間にあるオープンな空間そのものです。
間戸(まど)は、開けたり閉めたりすることで、間仕切り機能や、高温多湿の風土に応じる光と風のコントロール装置としての機能、人が出入りする機能など、多くの機能を備えています。
そして、この外と内をつなぐ空間のあり方によって、縁側(えんがわ)など伝統的な建築スタイルが確立されてきたのです。
だからといって西洋式の窓をまったく使わないわけではありません
。換気や採光のためにウインドーも要所において、実用的に用います。
【西洋の窓と日本の窓と】
[大体において西洋の窓と日本の窓では、概念がかなり違います]
【西洋の窓】
石造り建築はレンガなどの壁で閉ざし、強盗や冬の間の寒気などから中の人たちを守ることからはじまっています。その壁をくり抜いて造るのが窓です。固定されているので自由度が低く、用途も限定されています。
【日本の窓】
柱と梁(はり)でできた木造建築では、柱と柱の間にできる開口が「間戸」となります。内と外を繋ぐほか、屋内空間を仕切るのも間戸となります。そこから人が出入りすることも可能です。
【[用途がわかる窓の名前]】
[用途によって呼称(こしょう)が異なる日本建築]
【掃き出し窓】
箒(ほうき)で塵(ちり)を外に吐き出せるような床まである大きな窓のことです。もちろん人も通れて、掃き出し窓からの出入り可能です。
【明かり窓】
光を取り入れるためだけの小さな窓の呼称です。トイレなどの窓や高窓、天窓などもふくまれます。開けることができない(FIX)窓も少なくありません。
【臆病窓】
来客の確認などをする引き戸などに付いた窓のことで、元来、店先で金銭の受け渡しなどをするための窓でした。
【覗(のぞ)き窓】
外部を覗き見るための窓の呼称です。玄関ドアなどに付いている小さなガラス小窓もこの「覗き窓」に当たります。
【肘掛(ひじか)け窓】
座って肘を掛けられる位置(高さ)に設けられ、外を眺めるのにちょうどいい高さです。
【等など、窓にはユニークで楽しい呼称がたくさんあります。】