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「木造でも2階リビングなら広々ワンルームが可能」
今回も独断と偏見で旧暦のお話から入らせていただきます。
夏 初候 蛙始めて鳴く(かえるはじめてなく)
2023年はちょうど今日から1週間後の5月14日(第二日曜日)
母の日
多くの方にとって、生まれてはじめて「誰か」のために買った花は、お母さんのためのカーネーションではないでしょうか。
お小遣いを握りしめて花屋に向かい、花を選び、そっとそっと大切にもち帰る。お母さんに「ありがとう」を伝えるための大冒険ですね。
「母の日」とお母さんにカーネーションを贈る風習はアメリカで生まれました。
20世紀初頭、ある女性が亡き母の命日である5月9日に教会で白いカーネーションをささげたのが起源とされています。
やがてこれが全米に広まり、当時の大統領が5月の第2日曜日を「母の日」に制定しました。
日本では戦後、多くの人が知るように。
かつては亡き母には白、存命の母には赤のカーネーションを贈る風習がありましたが、現在は好きな色や好きな花を贈るようになっています。
・今日をたのしむ
【母の日】
5月第2日曜日の母の日に向けて、プレゼントの準備はお済みでしょうか。お花や品物はもちろんですが、感謝の言葉や近況報告の電話も素敵なプレゼントになります。
【コナモンの日】
5(こ)月7(な)日の語呂合わせから、小麦粉をはじめとする「粉」を用いた料理「コナモン」の魅力をPRするために制定。お母さんへのプレゼントを手料理にするなら、たこ焼きやお好み焼き、うどんなどのコナモン料理もいいですよね。
「木造でも2階リビングなら広々ワンルームが可能」
前回のお話は、「マンションだから可能となる広々したワンルーム」についてお話をお伝えさせていただきました。
今回は、「木造でも2階リビングなら広々ワンルームが可能」というお話をさせていただきたいと思います。それでは、始めさせていただきます。
ワンフロアーのほとんどがワンルームスタイルの広々としたリビングダイニングは、実際に住んでみないと分からないものですが、大変気持ちのいいものです。ですが残念ながら、木造住宅のリフォームで、それを実現するのは非常に難しいともいわれています。
なぜならば、柱のほとんど無い空間をつくるには、多くの柱をぬかなければならないからです。
木造住宅の場合、家を支えているのはいうまでもなく、構造用の柱や梁です。柱の数が多ければ多いほど、その家は丈夫だということではありませんが、構造用の柱や梁を必要以上に少なくするのは、家全体が脆弱(ぜいじゃく)になる可能性は否めません。
では、2階をワンルームスタイルの広々としたリビングダイニングにして、そのかわりに1階を寝室や子ども室などの細かい仕切りの部屋にすれば、十分に構造上もしっかりとした丈夫な家になるのではないでしょうか!
お子さんの独立を機にリフォーム(リノベーション)の相談にみえたDさんのお宅は、2階にワンルーム仕様のリビングダイニングをつくった例です。実は当初はリフォームの予定だったのですが、最終的には全部建て替えることになりました。
リビングと一緒にバスルームも2階に移すことになり、そのための補強工事費用を計算したところ、リフォームするより一から建て替えたほうが、かえって安くできることが分かり、高気密高断熱の高性能住宅を建て替えることになりました。
リフォーム・リノベーションの内容によっては、そういうこともありうるのです。
【建て替え前】
※※木造2階建てのD様邸では、1階に個室を配して細かく間仕切り、2階をワンルームに近いリビング・ダイニングにしました。このようなプランだと1階に壁や柱が多くなるため、家全体が構造的にも丈夫になります。
2階の屋根は登り梁にして、浴室やトイレ、ユーティリティーの柱や梁を利用して、子ども室にもしました。リビングダイニングのワンルームの上は最大天井高5.5mの吹き抜けとしました。
キッチン、浴室、洗面、ユーティリティーは回遊動線として行き止まりのないプランにして生活動線もスムーズにすることが可能となりました。また、回遊動線の途中にユーティリティー(生活収納部屋)を設けたので、掃除機などをしまえる「突っ込み部屋」を兼ねた多目的室として、すっきりと暮らすための工夫も満載です。
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建て替える前の家は、1階の南向きのリビングダイニングがあったのですが、南側には隣家がせまっていて、けっして眺めがいいとはいえない環境でした。むしろ、家の北側にある狭い公道と広い河川のある和室のほうが、視界にも抜けがあって、ずっと気持ちがいい景観となっていました。
ですが、その和室は息子さんが暮らしていた部屋だったので、ほとんど使われなくなってしまったのです。
さっそく家の様子を観に伺ったところ、1階和室の上がバルコニーになっていて、とっても見晴らしが良かったのです。1階のリビングには15時過ぎからしか日が当たりませんが、2階なら、直接太陽光ではありませんが、天空光と反射光で、朝から午後遅くまで、十分に明るさが望めます。しかも前面道路には見事な桜並木が生繁っているではありませんか。
【建て替え後】
【1階】
【2階】
桜の咲く季節には、桜の開花を目の前にのぞみ、その後は新緑の葉が生茂り、秋には桜の紅葉が鑑賞できるのです。しかも最も日差しの欲しい冬の季節には、落葉して遮る葉は無くなってしまうのがこの場所の景観でした。
この素晴らしい眺望を生かさない手はないとリビングダイニングを2階に移すことをご提案させていただいたところ、建築前も建築後も喜んでいただけました。リビングダイニングの窓をできるだけ前に持ってきたかったので、2階にあったバルコニーは、東側に設置しました。
リビングダイニングの床と同じレベルにしてバルコニーに繋げ、広々として見晴らしのいいワンルームスタイルの寛(くつろ)ぎ空間をつくりました。寝室などの個室は1階に設け、浴室の床に一部だけ鉄骨で補強もしましたので、構造上の強度も申し分のないつくりとなりました。