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「西側」に道路という条件の敷地なら…【いい間取りの例③】
今回も独断と偏見で旧暦のお話から入らせていただきます。
小満 次候 紅花栄う
いずれアヤメかカキツバタ
ピンと背筋を伸ばしているかのような佇(たたず)まいと、紫色の気品あふれる花。
梅雨の訪れを告げる季節の便りとして愛されてきたアヤメが開きはじめます。
外側の花びらの中央にある網目模様が「綾目(文目)」の名の由来となったともいわれる多年草です。
どちらも美しく優劣がつけがたいことを意味する「いずれアヤメかカキツバタ」ということわざがあるように、アヤメとカキツバタはよく似ています。
見分け方は咲く場所。アヤメは山野に、カキツバタは水辺に生えます。
さらに似ている花にハナショウブがありますが、こちらは花びらの根元が黄色くなっているのが特徴です。
・今日をたのしむ
【水郷潮来(すいごういたこ)あやめまつり】
約500種、100万株が咲く水郷潮来あやめ園(茨城県)にて5月下旬〜6月下旬まで開催中。
例年の話で今年はコロナ禍でどうなっているのか分かりませんけどね!
【菖蒲】
「菖蒲」と書いて「アヤメ」とも「ショウブ」とも読むのは、かつての人々もアヤメとハナショウブを混同していたため、カキツバタもアヤメもハナショウブもアヤメ科に属します。
さらに端午(たんご)の節句の「菖蒲(しょうぶ)湯」に用いるショウブはショウブ科。
どれもすっと伸びた葉を持つため、ややこしい「菖蒲」事情が生まれました。
「西側」に道路という条件の敷地なら…【いい間取りの例③】
【西側道路の敷地では南側に駐車場はNGです】
2階平面図
1階平面図↓
これまで、お伝えしてきたクローバー【方程式】を踏まえ、南側道路の敷地、東側道路の敷地、西側道路の敷地、北側道路の敷地と…敷地の条件ごとに想定される、なによりも「普通の間取り」を考えてみたいと思います。
よく考えてみると、世の中の作品と呼ばれる(有名であれ、なかれ建築家が自分の設計した、人の家をそう呼びます)住宅は目立つようにとか、インパクトに訴えるとか、そこに住む人を最優先に考えているのかな?というものが意外にたくさんあるような気がします。
3回目は、道路が西側にあります。そして間口より奥行きのほうが深い39坪ほどの敷地です。ここでも、南側に隣家が迫っていて採光に工夫が必要な敷地という設定で考えてみたいと思います。
このような敷地の場合は、建物を北側にできるだけ寄せて、東西に長くする形状が考えられます。ところが、そうすると南側に駐車場を設置することになってしまいますので、もったいないとしかいいようがありません。
日当たり良好の快適な場所は、クルマではなく、そこに住む人のために活用したいと誰しもが思うものです。そのような理由から駐車場は西側に配置したいと思います。
そうすると当然ですが南側をパブリックゾーンにするため、玄関と水廻りは北側に集中させることにしました。ただし、南に配置した庭の長さというか、距離が十分とはいえないため、これでは家の中まで光が差し込みません。
そこで、苦しいときの吹き抜け頼(だのみ)というのも大袈裟ですが、今回も建物の中央部に吹き抜けを設(しつら)え、2階の窓から採り込む光で家全体を明るくすることにしました。
このような場合でも、階段は吹き抜けの内部に設けています。それだけ、最初から吹き抜けと階段は相性がいいということでもあります。
AーA断面図
道路側(西側)立面図