BLOG
ブログ
出し惜しみするのも、ときには効果あります。【奥行①】
今回も独断と偏見で旧暦のお話から入らせていただきます。
小満 次候 紅花栄う
百人一首の日
今日は、百人一首の日なんです。
1235(嘉禎元)年の今日は、藤原定家(ふじわらていか)が『小倉百人一首(おぐらひゃくにんいっしゅ)』を完成した日と言われているんですよ。
百人一首はいわば、和歌のアンソロジー。すぐれた歌人100人とそれぞれの代表作が収められ、受け継がれてきました。
『小倉百人一首』は、古代から鎌倉時代初期までの作品によって彩られています。
近世以降はカルタとしても親しまれ、近年では競技かるたを題材とした漫画や映画がヒットしました。
ご存知『ちはやふる』のことです!
和歌の魅力は、時を超えて古人の思いや志、美しい日本語に触れられることだと思っています。
なかでも『小倉百人一首』は恋の歌が43首を占め、31字に込められた恋心が胸に響きますよね。
ガラにもありませんが、この歳になっても、コイバナは、自分の胸がキュンとなります。
・今日をたのしむ
【百人一首の日】
藤原定家の日記「明月記(めいげつき)」に1235(嘉禎元)年の今日、親友の頼みに応じて和歌百首を障子に貼り付けたとの記述があることから、百人一首完成の日とされています。
【小松菜の日】
ところで、百人一首にはまったく関連はありませんが、今日は小松菜の日だったんです。
5(こま)月27(つな)日の語呂合わせ。江戸野菜の代表である小松菜は、カルシウムをはじめ栄養が豊富です。
【出し惜しみするのも、ときには効果あります。【奥行①】】
『回遊』の2回目のお話でした。
今回は、出し惜しみするのも、ときには効果あります。【奥行】の1回目をお伝えします。
それでは、よろしいでしょうか?!
【幽霊の正体!】
「幽霊の正体見たり枯れ尾花」。気味が悪くて怖いものも、正体(枯れ尾花=ススキ)が分かってみればなんてことはなかったという川柳です。その裏に隠れている意味は「人は全貌が明らかでない状況下では、対象を過大評価し勝ち」という心理の妙が伺えます。
それは狭い部屋を実際の寸法以上に広く感じさせたいとき、「対象を過大評価し勝ち」というこの心理が使えます。(逆に隠れ家的な実際の寸法より狭い部屋に感じさせたい場合の手法もあります)実際には四畳半しかない小部屋も、隣の部屋から四畳半の一部しか見えないようにしてやったり、大きめの鏡を姿見代わりに壁の一部に設(しつら)えたりすることにより、その先にももっと広がりがあるかのように錯覚させることが可能となります。
部分的に視線の自由を奪うことで、錯覚させ、実際以上の奥行き感が醸し出されるのです。奥行の間隔は、壁などで意図的に死角をつくることによって、比較的容易に生み出されます。建物の平面形状がL型ならば死角は自然に発生します。とくに狭い敷地でお奨めの技術なのですが、もちろん広い敷地でもよりバリエーションのある間取りを可能にします。
【L型で死角をつくり、視線の邪魔をする】
【死角と光】
奥行き感を生み出す手順は次の通りです。
①先がすべて見えない死角をつくる
②死角の奥から光を入れる
これを最も容易に実現できるのが当然といえば当然ですがL型の平面形状です。ですが、必ずしも平面形状がL型でなく四角形だったとしても、部分的に壁を立て、視線を制御してやればL型と同じような効果を得ることが可能です。
そして、死角の奥から光を採り込むようにすれば、”見えない奥”に対する期待感がますます高まること請け合いです。