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【押入れ】有効活用したい貴重な収納(63歳からのリフォーム⑫)
今回も独断と偏見で旧暦のお話から入らせていただきます。
初侯 雷乃声を収む(かみなりのこえをおさむ)
我が家の芋煮がいちばん!
里芋(サトイモ)が旬を迎えています。山で採れる「山芋」に対して、里で栽培されるから「里芋」。
なんと??稲よりも早く伝来し、長きにわたり食べられてきただけあって、皮ごと蒸したり、煮物にしたりといろいろなたのしみ方があります。
東北出身の友人は、やはり「芋煮」だといっていました。
芋煮はサトイモとお肉などを煮込んだ汁物料理の総称で、我が家では醤油味をベースにサトイモや牛肉、コンニャク、種々のキノコ、ネギでつくるそうです。自分だけならネギは御法度なのですが…
味付けや具材が家庭、そして地域によってガラリと変わるのが芋煮の面白いところ。
郷土愛たっぷりに「うちのが最高!」と食べる点では、お正月のお雑煮と似ています。
【押入れ】有効活用したい貴重な収納(63歳からのリフォーム⑫)
かつて家族の人数が圧倒的に多く、布団を敷いて寝ていた時代には、多くの布団をしまえる押し入れは必要不可欠でした。
それが、どうしたことか、生活の西洋化に伴いベッドに寝ることが一般的になると、布団を収納するスペースは、ほとんど必要ではなくなってしまいました。
奥行きの深い押し入れは使い勝手がよくなく、使いこなすことが困難なため無用の長物になってしまいました。無用の長物とは言い過ぎですね。
クローゼットに改装したり、初めからつくらないお宅も増えてきているようです。
また、高い場所にある天袋や枕棚、押し入れの奥行きは、若い人たちよりも足腰が弱くなってくる高齢者の方こそ、危険で使い勝手が悪いため不要になるのかもしれません。
また、年齢を重ねるとものが増え、押し入れのような広いスペースがあると、ついついそこにものを押し込んでしまいがちですが、めったに使わないものはレンタルサービスなどを上手に活用しながらシンプルに生活することも、これからの賢い生きざまなのかもしれません。
【失敗談 成功談?!etc…】
「着物の文化にも畳は必要だよね。浴衣や着物を畳むときも、やっぱり和室が必要だという人もいるしね。」
「そうだね。日本の文化を伝えたり、昔からの親しんできた落ち着く空間として考えると、まるまる個室を一室とらなくてもいいから畳のコーナーが残っているといいかもしれないね」
「そう言えば、もともと家にお仏壇はなかったけど、ご主人に先立たれた友人で、お仏壇をおくことになたったとき、その近くにお仏壇用に使えるコンセントがなくて困ったらしいって話を聞いたわ」
「最近は、ろうそくの形をしたキャンドル電球があるから、危なくないし便利だよね。何かのはずみで家事になったら大変だしね。コンセントは何かと必要になるから、どこに配置しおくかの位置の確認は大事だよね」
「でも私は将来、よくある「お仏壇」じゃないタイプにしてほしいな。リビングの一角でいいから、家族が常にいる場所に私の写真と草花でも置いて、思い出したときに手を合わせてくれたら嬉しいんだけど」
「うん、そうだよね。私も立派なお仏壇じゃなくていいから、さり気なく家族の傍に居たいと思うんだよね」
「そう考えると、63、4歳からはシンプルな生き方をしていきたいよね。
親に感謝する気持ちと自分の老後を重ね合わせると、自分が居なくなったあと、子どもたちにできるだけ迷惑かけたくないって思うんだよね。
そのためにも、以後の生き方をちゃんと考えていかなきゃ」
「そうね。60歳過ぎてからの家造りって、自分のこれからの生き方と直結しているってことだからね」
【和室の見直し:解決策アドバイス・処方箋】
「和室」は、日本独特の住まい文化といっても異論はないでしょう。
住まいが西洋化されると同時に、和室の用途が少しずつ変わっていきました。
みなさんの話の中でも出てきましたが、和室は大変機動力にとんだ場所であり、空間です。あるときは、食卓の場、あるときは、リビング、あるときは、客間にさえも早変わり。
またあるときは寝室とさまざまな使い方に変化させることができます。
掛け軸や、季節の草花を生けるだけで、あっという間に日常の空間から、お客さまをおもてなしする客間に早変わりします。
今でこそ、畳の大きさは間取りによって少しずつサイズが違うことがありますが、かつては、引っ越しのときには畳も一緒にお引越し…だったようです。
それくらい、畳の部屋の大きさは一律決まっていたのです。例えば関東間の六畳であれば、2間×1間半(3,640×2730)どこへ持っていっても使えるのです。
とにかく、無駄のない物を大切にする文化だったのだと思います。
衣食住とくに元となる住まいは、とてもうまくシステム化されていたのです。今風にいうと、まさにサステイナブルといえるのだと思います。
様式の生活が当たり前になってきた昨今ですが、リゾートホテルなどでは、「和」テイストのホテルも多く見かけるようになりました。海外のお客様からも、足の裏の「畳」の感触を称賛される方も激増しているようです。
「足の裏から始まるおもてなし」
これも、たいへん日本的な、おもてなしです。
お孫さんのお昼寝のスペースやみんなで集まってワイワイと楽しめる空間にもなる「和室」
フローリングに直接ゴロンとなる気はしませんよね。
障子や簾(すだれ)も含めて、改めて取り入れてみるのも素晴らしい選択だと思います。
【寝室 チェックリスト】
- ①縁側は、近所の人と気軽にコミュニケーションが取れたり、畳焼けや直射日光防止・室内の快適性の保持など、便利な機能があるので、生活をイメージしながら必要に応じて検討しましょう。
- ②縁側をつくる際には、そのための庭が確保できるかどうか確認しておきます。いくらも庭が取れなければ、無用の長物になってしまうので注意が必要です。
- ③畳文化を伝える意味では畳はあったほうがいいが、独立した和室をひと部屋作るか、リビングなどのコーナーにするかは、用途に合わせて検討します。
- ④汚れたときのことを考えると掃除がラクにできるほうがいいので、畳はイグサ以外の素材も検討しておいたほうがいいでしょう。
- ⑤ただし、いろいろと機能を付加しているものには、化学物質を使用しているものが多くみられ、健康を害する危険が否めません。本末転倒になる前に、十分に検討が必要です。
- ⑥高齢者にとっては、布団よりベッドのほうが寝起きがラクな場合が多いので、和室をつくる際はその点も十分に考慮するべきだと思います。
- ⑦ただし、⑥の場合、若いうちから、便利になり過ぎは、脳の活性化も、筋肉の保持にも悪影響を及ぼします。畳の部屋だからといって、介護用にしても、普通ベッドにしても置くことは可能なので、どうしても必要になってからでも大丈夫だと私は思います。
- ⑧仏壇を置く場合、配線やコンセントの位置・数なども確認しておきます。
- ⑨日本文化の代表である和室は、身近で慣れ親しんだ空間でもあるので、住む家族の意向を十分に考慮して必要かどうかを判断することをお薦めします。