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押し入れは、天袋より地袋があったほうがいい![暮らしの要 収納⑥]

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今回も独断と偏見で旧暦のお話から入らせていただきます。

小満 初候 蚕起きて桑を食う

広辞苑

自分が『広辞苑』とはじめて出会ったのは、第四版が出版された1991年(平成3)年だったと思います。

その分厚さ、ひいては日本語の語彙の多さ、奥深さに圧倒されたのを昨日のことのように憶えています。

時は流れ、今ではググれば言葉の意味を検索できるようになりました。ですが、『広辞苑』への信頼感は別格です。

コラムや新聞記事でも「広辞苑によると…」という表現をよく目にします。

『広辞苑』は言葉の意味を派生した順に載せている国語辞典なのです。

たとえば「優しい」は、「身も痩せるように感じる。恥ずかしい」が最初なんです。

現代ではピンときませんが、『万葉集』や『古今和歌集』で用いられた語義です。

いかに言葉が生まれ、使われてきたのかを紐解く醍醐味が詰まった『広辞苑』。えいやっ!と開いたページを読むだけで、なんだか賢くなれた気がします。

・今日一日を愉しむなら…

【広辞苑記念日】

先ほどは、広辞苑との出会いのお話をしましたが、
今日は「広辞苑記念日」だったんです。

『広辞苑』の初版発行は1955(昭和30)年5月25日。約20万語を収録し、14年で110万部を売り上げました。

10年に一度程度の改訂作業を繰り返し、最新版は2018(平成30)年に発行された第7版。約25万語を収録しています。

【食堂車の日】

今日は、広辞苑の日以外にも大きな記念日がもう一つありました。

1899(明治32)年の今日、私鉄山陽鉄道(現・山陽本線)の急行列車に日本初の食堂車が導入されました。

当初、メニューは洋食のみ。和食堂車が登場したのは、それから7年後のことです。

そこで食べる食事が美味しいのかどうか分からないのですが、私も1度も食べたことないんです。

生きているうちに1度くらいは食べておきたいなんて思っているのですが…

 

押し入れは、天袋より地袋があったほうがいい![暮らしの要 収納⑥]

 

 

押入れの天袋って、奥行きが深くて、何か脚立のようなものがないと中身が見えなくて、下手すると、モノを出し入れする際に脚立がひっくり返って、大怪我をするなんてことよく聞きます。

 

天袋より地袋

 

そこで、まさにデッドスペースに成りガチな天袋を思い切ってやめてしまい、逆に地袋を設けた『天地逆転の発想』の押し入れを設けることをお奨めいたします。

先ほども触れましたが、押し入れは奥行きが深いため、地袋部分は引き出しにします。引違いの襖で地袋を開閉するものが、よく見られますが、大抵は奥のほうはデッドスペースになってしまい、扉近くのもの以外はほとんど出し入れしなくなってしまいます。

そこで、地袋部分は引き出しにすることで、奥のものの出し入れをし易くするという発想になりました。

 

 

 

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私たちの日本には、はるか昔から押入れという収納がありました。押し入れは、たいへん優れた収納であることは間違いないのですが、現代の暮らしでは使いにくい点も少なからず見受けられるようになってきているのも無視できないことだと私は思っています。

まず、下段のふとんを出し入れするときに、押入れ框という腰高くらいの位置にある中段の板に頭をぶつけてしまいます。しかも上段に布団を重ねていくと、どんどん高くなってしまって最後は手が届かなくなってしまい、枕を投げ入れることも、しばしばあります。

実際、私は今でもそのような状況を日々続けています。

天袋には、とても重いものは入れることはできません。踏み台に乗って入れようとしても、奥まで見えないため、いらないもの置き場になってしまいます。

大体が、いらないモノを置く場所って必要なのでしょうか。いらないモノを置く場所って何なのでしょうか?

 そこで考えたのが「天地逆転の押し入れの発想」です。天地を逆さまにした押入れといえば、イメージしやすいでしょうか。

もともと先ほども触れましたが、押入れの下段に布団を入れるのは至難の業だというお客さま方の数多いご意見から、押し入れの下段40cm~60cmくらいを取っ払ってしまいました。

北側に面している場合には、地窓といわれる引違いの窓と障子を設置して夏などはヒンヤリと冷やされた風を取り入れる窓としていました。

今回の『天地逆転の発想』ではその部分に地袋を引き出しにして、より使いやすい収納に進化させてみた分けなのです。

まずは、【天袋をやめて、その分、空いたスペースを下に持ってきて地袋(じぶくろ)にします。そのまま押入れ全体を上に押し上げます】。

こうすることによって、地袋の高さ=下段の床の高さは60cmとなります。ふとんの出し入れには、ちょうどいい具合の高さになります。

これなら、ご高齢になられても、膝や腰を痛めることを減らすことになるかもしれません。押入れ框(かまち)に頭をぶつけることもなければ、先ほどの屈(かが)んで腰を痛めることもなくなるわけです。

上段はオフシーズンの家電や寝具などを収納し、(もちろん、他のものを収納してもいっこうにかまいませんので…)いちばん下にくる地袋には、掃除機や日曜大工の道具などの比較的重たいものを入れるようにします。

もしくは、ここを引き出しにすると、奥まで苦もなく有効に使うことができます。

下段に布団をしまわないのなら、バスケットワゴンや押入れ用のタンスを入れ、シーツやリネンを収納するのもいいかもしれません。

そのお宅に合った使い方は、まだまだ限りなくあると思いますので、今までの慣習にとらわれず、より、使い勝手の良い収納を考えてみることをお奨めいたします。

by株式会社 大東建設 阿部正昭

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