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外壁通気工法と構造用面材を極める。(かたちと構造PART5)
今回も独断と偏見で、旧暦のお話から、入らせていただきます。
処暑 次候 天地始めて粛し(てんちはじめてさむし)
小さな冒険
今日は「冒険家の日」です。日本人冒険家たちの数々の偉業が、年は違えど多く達成されたことにちなんでいます。
私たちの日常と冒険は縁遠いものです。でも見方を変えてみれば、なにも危険を伴う行為だけが冒険ではありませんよね。たとえばいつもとは違うファッションに挑戦したり、普段は通らない道を歩いてみたり、ちょっとした変化も暮らしのなかの冒険です。
前人未到ならぬ、前私未踏。はじめてのお店、はじめての料理、はじめての場所など「初」をキーワードに一日を過ごしても面白そうです。
そして、処暑の次候は、天地始めて粛し(てんちはじめてさむし)。およそ八月二十八日から九月一日までの、ようやく暑さが収まりはじめる季節です。陰陽五行によると、夏の気が落ち着いて、万物があらたまる時期とされます。
見上げると空模様が秋めいてくるのもこのころのこと。うろこ雲が青空いっぱいに広がっていたり、空の高いところに鰯雲を眺めてはすっかり秋を感じたりします。かと思うと、足もとの地面には秋の草花がそよぎはじめ、夕暮れには涼しい風が地に吹き抜けるようになり…。もう今年の夏も終わりが近づいています。
外壁通気工法と構造用面材を極める。(かたちと構造PART5)
お 外部に面した壁の断熱材のところでは、程度の差はあるものの必ず結露が起こります。壁内結露といわれるものです。この結露水を外部に排出したり、乾かしたりするのが外壁通気層です。そして断熱材と外壁通気層の間にあるのが構造用面材です。結露が発生する箇所にある構造用面材には、湿気に強いものを選ばなければなりません。耐水性の構造用合板は最低限で、モイスやダイライトなど湿気により強いものがお薦めです。一度施工してしまうと後で直すことが困難な壁の内部の素材選びは特に慎重に進めたいものです。これは建物を長持ちさせる肝でありコツでもあります。
家を長持ちさせるために湿気を防ぐ
構造材をあらわしにする構法の力強さ
真壁構法でつくられた力強い構造体の梁や柱を見せるあらわし仕上げです。壁はスギ幅はぎ板の厚さ36×910×1820mmのサイズを二つ割りにした目透かし本実加工で仕上げられています。柱、梁はスギの自然乾燥剤を使用。
真壁構法にこだわる
柱や梁が組み上げられていく上棟に立ち会うたびに、「木」の存在感に魅了されてしまいます。その柱や梁を隠さずにあらわしておきたいという強い思いが真壁構法にはあります。柱や梁が現しになると、軸組はおのずと高い整合性を帯び贅肉は削ぎ落とされていきます。風にさらされた木は腐らないし、もし軸組に異常が起きても露出していれば容易に発見できます。真壁構法は日本の風土のなかで育った現代の環境時代にもふさわしい住宅のつくり方だと思っています。