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子供部屋事情―「親子のコミュニケーション」の違い[収納の学び舎【第3回】]

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子供部屋事情―「親子のコミュニケーション」の違い[収納の学び舎【第3回】]

あなたは子供部屋に閉じ込める派?追い出す派?

会話型コミュニケーション(米国) vs 世話焼き型コミュミケーション(日本)  

子供部屋への母親の入室頻度…10歳の子の比較

今回の子供部屋事情は前回に続いて、帝塚山大学教授の北浦かほる先生(居住空間デザイン学)のお話です。前回は、世界の子供部屋事情についておうかがいしましたが、今回は子供部屋を通して見る「親子のコミュニケーション」についてお話を聞きました。

インタヴュアー:親子のコミュニケーションを考える前に、「もはや伝統的な家族は崩壊した」という極端な考え方もあるようですが…。

北浦かほる先生北浦先生 : いいえ、日本の家族が直面しているのは家族の「崩壊」ではなく、「変化」であるということです。家族についての変化は、例をあげればキリがありません。まず、食事が変わりました。家族がそろって食事をするという機会が激減し、「個食」の時代といわれています。家族がそれぞれ個室を持ち、異なる生活時間を持つようになり、家族の結びつきは極限まで薄れてきたように思えます。

親子の関係については「鍵のかかる子供部屋が親子のコミュニケーションをだめにした。だから子供部屋はなくすべきだ」という考え方もありますね。

結論から言えば、「子供部屋をなくして、オープンな間取りにすれば会話が増える」という建築家の口車に乗せられるのではなく、積極的に家族の絆(きづな)を強くしていく努力だということです。間取りが原因だとしたら、欧米の住まいはすべて親子の断絶を生んでいることになるでしょう。そんなことはありませんね。

日本の場合、子供部屋を与えるというか、持てるというのは最近になってからのことで、欧米とは文化が異なるのではないでしょうか。

昔は、「親の背中を見て育つ」とか言われていましたが、そういう日本的な以心伝心というか、超能力に期待せず、「口に出す」(会話をする)ということが大切なんです。日本の親子コミュケーションの落とし穴って、この辺にあるんですよ。実に簡単でしょ。

たしかに、「口に出さなくても、うちの子は分かっていてくれる」って期待というか甘えがありますね。

はい。それと、日本と世界の子供部屋を比較して、日本の子供部屋はその誕生とその変遷から、勉強をさせるための空間であり、親は子を勉強に集中させるためにあらゆる世話を焼くんです。いっぽう、欧米では「子供部屋」という呼び方はなく、単に、「ベッドルーム(寝室)」と呼び、その空間の目的は子供の社会的な自立を促す場である と考えています。

そのお話には興味を惹かれます。子供に個室を与える目的が全然ちがうんですね。

そう。日本の母親の多くの意識が すべてに子供優先 なのに対して、米国では 自分が優先 という、大きな違いがあります。

欧米では子ども部屋は屋根裏部屋。家の中でいちばんよくない空間です。いちばんいい空間はマスターベッドルーム=夫婦の寝室。あくまでも夫婦が中心です。

米国では、親は子育てに埋没することなく、親自身もひとりの人間として成長を続け、人生を楽しもう、という思いがあるんですね。

幼児のしつけ方

幼児のしつけ方のアメリカとの違い

幼児のしつけ方でも、日本ではボタンをはめるとか、スプーンを上手に使うといった身辺自立が中心ですが、米国はマナーとリーダーシップと意思表示をしつけます。

何か飲みたいときに、「ミルクですかお茶ですか」と聞き、返事するまで与えない。日本だったら、何も聞かずに適当に選んで与えてしまいます。

この違いは親の権威という点にも現れてきます。米国では本来、他人に対してしっかり「自分の意見を言える」という態度を重要視しますが、親に対しては「理由のいかんにかかわらず、親の言う通りにする」というのが普通です。

これは幼児であれ高校生であれ、同じです。日本では「文句を言いながら従う」というのは良いほうで、「無視する」というのが普通になっています。

子供のしつけというと気が滅入ってしまうんですが、子供のためにも必要なことですね。ずいぶんと日本と欧米の子育てって異なるんですね。

子どもの叱り方

子どもの叱り方の米国との違い

つぎに、興味深いのは子供の叱りかたです。米国では子供を叱る時は子供部屋に閉じ込めて、自由を束縛することで反省をうながします。それに対して、日本では「悪いことをする子は家から出て行きなさい」と言います。

米国とは逆に子供部屋から追い出そうとします。この2つの子供部屋の使い方の違い(閉じ込める、追い出す)は、まさに個人主義と集団主義の違いを象徴しているように思えます。

米国では部屋の掃除、ベッドメイキング、服の収納、机の配置など、部屋の管理方法を小学校4年くらいで子供にしっかり教えてあげて、あとは子ども個人に任せます。日本の場合は、高校2年くらいでもみんな親がやってしまうようです。

うわぁ、耳が痛いです。収納の方法とか整理の方法など、むしろ親として教えて欲しいぐらいです。

さて、ここからが本論というか、大切なところですが、親が子供部屋に入る目的が日米ではずいぶん異なります。米国では、親が子供部屋に入るときというのは「会話」が目的の時に限られます。「よう、話をしようぜ。すこしは大人になったかい」って。

欧米ではこのように、親子の会話を中心とした「会話型コミュニケーション」であるため、親は子供が早く一人前になって、対等なコミュニケーションが成立することを楽しみに子育てをすすめます。

それは親からの一方通行ではなく、子供の方にも親との関係を大切にする態度が自然と生まれ、双方の積極的な意志と努力に支えられています。

これに対して、日本では「子供の世話をする」という行為が子育てそのものであり、いかにこまめに世話をしてあげるかが愛情である、という認識があるんですね。

子供の身辺の世話をすることが愛情の表現であり、コミュニケーションであると捉える傾向があり、子供の身の回りの世話をする「世話焼き型コミュニケーション」といえます。

ですから、子供が成長して自分で身の回りのことができるようになると、世話焼きの機会がどんどん減少していきます。そして会話もなくなりがちになります。

日本は、これまでお互いを気配で感じていたような社会ですから、面と向かって親子で話をする習慣がなかったんです。だから、用事があるフリをして、お茶とお菓子を持って入室します。

だから子供からすると、プライバシーを侵されている感じがするわけです。

日本的な以心伝心は??

日本的な以心伝心だけでは??通用しない…

なるほど、正面を向き合って、親子や夫婦で話をするっていう機会は、意外にないものですね。しっかり意識して、そういう時間をつくるべきなんですね。

日本的な以心伝心の世界では、もう何も伝わらない。言葉にしないといけないし、行動に表さないといけないんです。同じ場所にいることが家族だと思ってる人が多いでしょう。

場の共有だけでは解決されないと思います。大切なのは会話やコミュニケーションであって、間取りじゃないんですね。     

北浦先生、ありがとうございました。

【収納の学び舎[3回]

【シンプルライフはモノを持たない発想から】

さて、前回までに、お話してきた収納の考え方は、しまい込むのではなく、モノを使いたいときに使いやすくしまう、ということでした。

おそらくみなさんは「モノが多すぎて、それどころじゃないよ」と思いながらここまで読んでいただいたことと思います。でも、前回の「捨てる技術」をマスターすることが、シンプルで心豊かな暮らしを実現する近道なんです。では、不要なモノのない暮らしが、いかに美しくなるかを実例で紹介します。

【いいモノだけで豊かに暮らすという発想】

それにしても日本の家にはモノが多すぎます。
私はヨーロッパや米国の一般家庭の収納事情を視させて頂きましたが、どの家庭でもモノの種類が少なく、住まいの中はとてもすっきりしています。

そして、数少ない家具や生活道具は愛着を持って手入れされ、大事に使われています。欧米では子供のころから自分の価値観、好みをはっきり主張させる育て方をしているようです。

ですから、大人になったときにはしっかりした取捨選択の基準が身についており、欲しいと思ったモノを安易に何でも買ってしまうということがないのでしょう。

アメリカの一般的な家庭

アメリカの一般的な家庭の家の中にあるモノ全部

この写真は私が撮ったものではありませんが、アメリカの一般的な家庭を選び、家の中にあるモノを家の前に出してもらって撮影させていただいたものです。
アメリカの場合、一生のあいだに3~4回の住み替えをします。引越しのたびに、不要なモノをガレージセールで売却したり、寄付したりして、ほんとうに必要なモノだけを持っていきます。

日本の一般的な家庭

日本の一般的な家庭の家の中にあるモノ

こちらは日本の住まいで同様のお願いをして撮影されたものです。

アメリカの家庭にくらべて、日本の家にある雑多なモノの多さには考えさせられます。

長年にわたって使い続けることができるモノ、すぐに飽きてしまって使わなくなってしまうモノ。少しだけ感覚を鋭くして世の中のモノを見わたせば、何となく見分けがつくように思えるはずです。

このモノの価値に対する判断基準をしっかり持つことがシンプルライフのための考え方なのです。

整理され、収納に配慮した住まいは驚くほど美しくなり、住む人の心を豊かにし、ポジティブな気持ちにしてくれます。生きる気力が沸いてくるんですね!

ようやく秋の香りがしてきましたね。もうちょっとすると、あっという間に冬の寒さの到来です。寒くなる前にご提案したいのが、『断熱改修リフォーム』です。 建物全体の断熱性能をアップするリフォームで、気の滅入る寒い冬を暖かい住まいで快適に乗り切りましょう!

by株式会社 大東建設 阿部正昭

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