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家造りの最低限の礼儀作法【配置①】
今回も独断と偏見で、旧暦のお話から、入らせていただきます。
穀雨 次候 霜止んで苗出ず(しもやんでなえいず)
お風呂の愉しみ
今晩は、朝晩の寒暖差が激しく、少し冷えたような気がするので、蓬湯(よもぎゆ)にゆっくり浸かろうと思います。
入浴は、6世紀に仏教とともに伝来しました。汚れた体で仏様に仕えるのは失礼にあたると、身体を清める沐浴(もくよく)も伝えられたのです。
とはいえ、お風呂が日常になったのは江戸時代に銭湯が登場してから。それ以降、日本人は大のお風呂好きになり今に至ります。
疲れを明日に引きずらないためにも、シャワーだけでなくお湯に浸かることが大切です。
38〜40℃のお湯に10分以上入ると、疲労回復やリラックス効果がぐんと高まります。
市販の入浴剤はもちろん、天然素材を用いた薬湯もオススメ。今の季節ならではのヨモギ湯は、腰痛や肩こりの緩和に効果があるそうですよ。
そして…
昔の人は、今の時期、春の訪れの悦びとともに、毎日が不安で気がきではなかったのを想像します。
七十二候によると穀雨の次候は、霜止んで苗出ず。
霜の覆いがとれて苗がすくすくと育つころという意味を持つ、およそ4月25日から29日までの季節です。
四月になっても、寒の戻りで霜が降りたり朝晩冷え込んだりすると、苗がやられてしまいます。
手塩にかけて苗代(なわしろ)で育ててきた苗が、健やかに成長するかどうかは農家の一大事。
稲作の半分は苗づくりにかかっている、とする苗代半作(なわしろはんさく)という言葉があるほど大事な時期です。
今の人のように、桜の花見のことばかりを考えてはいられなかったようです。
季節の移ろいといつでも一緒に生きていなければならなかったのですね。
家造りの最低限の礼儀作法【配置①】
【設計とは最初に駐車場。次に庭、そして最後に建物を考えます】
大きな目的を達成するために、障害を周辺から取り除いていくことを「外堀を埋める」といいますが、建物の配置計画をする場合、文字どおり、外堀を埋めながら本丸を攻略していくような作業といえます。
戸建住宅の三点セット「建物、駐車場、庭」のうち、駐車場と庭の配置が決まらなければ、建物の配置も決まらないからです。
駐車場は、よほど広大な敷地でない限り、道路と接する場所に配置するのが原則です。逆に狭い敷地では建物を配置するスペースを確保できないからです。
庭の最も重要な役割は住むための建物に光や風を呼び込む「空き地」ですから、次の段階に進めるためには、その「空き地」にどれだけの広さを確保するかを決めないとなりません。
そうはいっても、実際には三者の設計はそれぞれいったりきたりして、三者を同時並行で検討するのが設計業務の現実です。ですが、「理屈上では建物が最後」だと意識しておくと、おかしな配置が原因となり、おかしな間取りを生み出してしまうようなことはなくなります。
【駐車スペースは狭い敷地にとっては命取り】
【駐車に必要なスペース】
およそ自動車(中型車程度)のサイズを、長さ4.5×幅1.75mとすると、直角駐車の場合は、5×2.5m、縦列駐車の場合は、2.5×7mのスペースが必要となります。
当然ですが、電柱や塀など周りの障害物にぶつからないよう、駐車する自動車のタイヤの内輪差などの軌跡も十分に確認しておかなければなりません。
【玄関ポーチの段差にぶつかってしまう!】
玄関ポーチは、通常階段およそ2段分(3~40㎝)くらいの段差ができるのが、一般的です。この段差ですが、狭小敷地で玄関脇に駐車場をつくる場合、タイヤの通り道がかんしょうするおそれがあります。駐車場は玄関ポーチの位置まで想定しておかないと十分とはいえません。
【玄関ドアをクルマで塞がないように】
狭小敷地で気を付けなければならない点がもう1つあります。駐車場と建物の間に十分な空き地が取れない場合は、玄関を駐車場の真横に配置するのは厳禁です。
ドアを全開できない玄関は、玄関とはいえません、ましてや人がなんとか出入りできるだけ開けられる場合でも、ドアの開閉の度にクルマにぶつけないようにするのはストレスが山のように溜まり続けることになります。