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スケルトン小屋組を極める。(かたちと構造PART6)

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今回も独断と偏見で、旧暦のお話から、入らせていただきます。

玄鳥(つばめ)去る 白露 末候 玄鳥(つばめ)去る

玄鳥(つばめ)去る

玄鳥去る春に南の国からやってきた、あの可愛らしい訪問者がそろそろお帰りになる時季になります。( ・ᴗ・̥̥̥ )
白露の末候は、玄鳥(つばめ)去る。寒くなりつばめが、南へ去っていきます。およそ九月十七日から二十一日ごろのこと。

四月初旬に、玄鳥至るの候があるので、それから五か月余りの滞在です。ぽっかり空っぽになった巣を見るのはちょっと寂しい気もしますが、また来年の春の再会を楽しみに、しばしのお別れです。

45年くらい前、中学生のころ、巣から落ちた燕の雛を巣がどこにあるかも分からず、自分で育てることになりました。八畳間を燕の雛の部屋にして、付きっ切りで苦労して育てた覚えがあります。

練馬区のツバメの巣玄鳥(ツバメ)去るいつのまにか、そとに出ても肩に戻ってくるくるぐらいにまでなりました。
ところが、渡り鳥の習性で外に飛び立つとだんだん戻りが遅くなり、3ヶ月後のある日、群れに混ざって戻ってこなくなりました。その日に限って、何度も何度も上空を旋回していました。寒くなる前に挨拶をして、南の国に渡ってしまったのでしょう。

「つばめが巣をかけると、その家が幸せになる」という言い伝えがありますが、去年と同じ場所に巣ができると、ああ、今年も帰ってきたんだな、とうれしくなる風物です。
ちなみに、翌年もその燕は、戻ってくることはありませんでいした。40年以上過ぎた今でも、この時期になるとその燕を、もしかして…と探してしまう(笑)、滑稽な自分がいます。

そしてまた不思議なことに、この日は台風がよくやって来る台風襲来の特異日です。理由もないのに統計上確率が高い日です。燕という渡り鳥は、寒の戻りの特異日に日本にやってきて、台風襲来の特異日に南の島に帰っていくんですね。

なんと…なんと…。ツバメたちの長旅が、どうか天気に恵まれますように、心より祈っています。

スケルトン小屋組を極める。(かたちと構造PART6)

いにしえの竪穴式住居や農家に見られるように、我が国の伝統的住居では屋根の形がそのまま室内に現われ、そこに住む人をやさしく包み込みます。

現代の住まいにもこのようなあらわしの小屋組を活かすことができないかと考えています。

ところが昔のままの形では野暮ったく感じるお施主さんもいるので、ここでは少しだけ工夫をして通常は頭上に現れる小屋梁や束(つか)を見せず、垂木や隅木のみを見せています。これにより、今の生活にも調和する、すっきりとした「現代の民家」二なると思っています。

【小屋組を魅せて現代的な民家に】

現し小屋組天井

  1. 開放的な空間の魅力をそこなわないよう、一般的なシーリングやペンダントではなく器具が浮いているように見えるものを選んでいます。
  2. 隅木を壁から持ち出し、母屋のないすっきりとした小屋組で家族を包みこみます。もちろんすっきりとしたと言えるのは、好み以外の何者でもありません。
  3. 窓の外に見える豊かな緑を強調すべく室内の壁はすべて白く塗り回しています。できれば塗装ではなく、漆喰などの自然素材で空気の吸放湿を促進できればそれに越したことはありませんが。
  4. 窓の外には雑木林が広がっています。
  5. 鴨居を2本合わせとし、間にロールスクリーンを収納しています。
  6. 奥行き1,500mmのテラス。天気の良い日はここで食事ができます。

オリジナルでありながらローコストな家

①壁・床・外壁、野地板すべてが無垢のスギの柱で構成された家です。市場でははねられそうな曲がったキュウリのようなB級材を多用した建物となります。構造材、断熱材、仕上材のすべてが杉材というのも面白いと思いませんか。もちろん断熱材など効果の点ではどうしても、性能のおいて劣ってしまいますので、断熱材に関しては、必ずしもこだわる必要はないかもしれません。

節有の杉材を使う

コストを抑えた無垢二等材節だらけの杉材

【構造と下地を兼ねた仕上げ】

よく採用されるコストダウンの手段ですが、木の単価(無節の材は高く、節の多い材は安くなる)を抑えながら、木の厚みや質は落とさないようにしています。A級材ではなくB級、C級材にしてでも厚い板材を採用することで、木の断熱性が向上し、経年変化の楽しみも生まれます。
ただし、大工の手間を抑える意味も含めて下地材や構造材を現(あらわ)しとして仕上げることをあえてせず、その質感を楽しみながら暮らす家を提案しています。細部を見ずに全体を感じるようにするれば贅沢な空間をリーズナブルな価格で手に入れることができるのです。

by株式会社 大東建設 阿部正昭

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