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思い入れのあるものを残すならリフォームです。【リフォームの基礎知識1】
今回も独断と偏見で、旧暦のお話から、入らせていただきます。
大雪 次候 鱖魚(さけ)群がる
戸締まり用心、火の用心
これからの時季、戸締まり用心、火の用心は、ご存知ですか?
家財道具はおろか、ときには命をも奪う家事は本当におそろしいものです。木造住宅の密集する江戸の町では幾度も大火事が起こり、多くの犠牲が生じました。どうにか家事を防ごうと、幕府は町民に夜の見回りを励行します。おなじみの「火の用心」という言葉は、江戸時代中期から夜の見回りで盛んに使うようになったそうです。
「火の用心!」の声とそれにつづく拍子木(ひょうしぎ)の音も、最近ではめっきり聞かなくなりました。我が家周辺ではこの時季、鐘を鳴らしながら消防車が巡回します。慌ただしい年末だからこそ、戸締まり用心、火の用心ですね。
そして、大雪の末候は、鱖魚(さけ)群がる。鱖魚(けつぎょ)とは鮭のことで、鮭が群れをなし、海から生まれ故郷の川へ戻ってくる季節です。
およそ十二月十六日から二十日までのこと。ところで関東以北では、鮭を「しゃけ」と呼ぶことが多いようですが、これは「さけ」が訛った方言だとか。
アイヌの人にとって鮭はカムイチェブ(神の魚)というほど貴重な食料ですが、川の下流に住む人は、漁をするとき上流の人の分を残しておきます。
分け合うこと。そして産卵前に獲り尽くさず、来年に命を繋ぐこと。そんな知恵が暮らしに根づいていました。
思い入れのあるものを残すならリフォームです。【リフォームの基礎知識1】
「リフォーム」なら残したいものを残すことができる
不利な点
- 一から設計することは困難
- 断熱性能など性能を上げるには大がかりとなり費用が高額となる
有利な点
- 新築と比べて工事費が安くなる場合が多い
- 工期が通常では短い(工事内容にかなり左右される)
- 思い入れや、愛着のある古いものを残すことができる
自分がなにを求めているのかをよく考えてみる
長く家に住んでいると、ただ単に古びてきたのが気になるだけでなく、間取りが現在の暮らしに合わなくなってきた、耐震性が気になる、冬になると寒いといったいろいろな不満を感じるようになります。
部分的なリフォームで済むような場合は迷うことはありませんが、家全体に不満がある場合は、リフォームにするか建て替えるかで迷うことになります。
まずリフォームにする場合の有利な点は、家全体を変える大規模な工事を行なっても、新築よりは工事費が2〜3割程度安くすむ場合が多いことです。
それは、既存のコンクリート基礎を残せるため土を掘ったり埋め戻したりする必要がないことがひとつの理由です。
[「新築」の場合にはすべて自由に考えられます。]
有利な点
- 敷地への配置から考えることができる。
- 最初から設計ができる
- 基礎工事から構造まで 最先端のレベルでつくることができます。
不利な点
- リフォームに比べ費用が高額になる場合が多い
- 工期が長くなる場合が多い。
また、柱や梁などの構造材が腐食していなければ、そのまま残すことができます。さらに工事日数も新築に比べ短いことが多く、当然その分人件費も安くなります。
もちろん部分的な工事ならより安価でできます。予算や必要に応じて、工事の範囲を選べるのもリフォームの有利なところです。
一方で新築はどうでしょう。一からすべて自分の好きなようにつくることができます。
敷地への建物配置や建物形状を変えることができます。そのうえ、もっとも新しい住宅性能も得ることができます。
さらにそのうえ、耐震性や断熱性能も最初から考慮してつくることができます。
リフォームでこれらの性能を上げるには大掛かりな工事となり、費用もかさんでしまうのです。
ですが、新築で一からつくるということは、既存の家を全部壊してしまうことになります。
愛着のある家の雰囲気をある程度保ち、思い出などを残しながら「新しい家」に住みたいのなら、リフォームがいいと思います。
このように、さまざまな観点から自分の求めているものはリフォームと新築のどちらに合うか考えることが必要だと思います。