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エシカル(正義な消費)を求める人となりましょう
【基本は日本人ファーストで、エシカルを求める】

中国発の格安衣料品ネット通販SHEIN「シーイン」が、パリの老舗百貨店BHVに初の常設店舗を出店したことを受け、11月5日にパリ市民が抗議の反対デモを行いました。
「シーイン」のビジネスモデル(低価格販売、生産国での労働者酷使、過剰生産や合成繊維多用による環境破壊)に反発し、倫理的な問題性を感じる消費者は「エスカル(正義・倫理的)な消費」を求めて行動に出たのです。
ファストファッションの代表格「シーイン」の問題点は、そのまま建築業界におけるファスト建築(安かろう悪かろう)にもあてはまりますので、参考までに紹介します。
それでも開店前から大行列

「シーイン」は超低価格と豊富な商品で、日本を含め世界各地の若者を中心に高い人気を誇ります。
「シーイン商法」には「大量生産による環境破壊につながる」「途上国で労働者を酷使している」などの反発も強く、百貨店前で反対派がデモを行いました。
それでも百貨店の中に新設された実店舗にはオープン初日に開店前から数百人が行列を作りました。
ニュースサイトの記事では、77歳の女性客は「シーインに対する批判は知っている。でも途上国での服飾製造は他のメーカーもやっている」と発言します。
また、21歳の女子学生は「洋服もバッグも安い。
なんでもシーインで買っている」と述べました。
フランスでは国内向けの中堅アパレルメーカーの経営破綻が相次いでいます。
そこでフランス政府は、「シーイン」を標的とする措置を連発しており、今年7月には通販サイトで虚偽表示を行ったとして70億円の罰金を科しました。
それでもフランス政府は服飾市場で2万人の雇用が脅かされている、と試算しています。
建築業界にも当てはまる!?ファストファッション業界7つの問題点
「シーイン」の問題点は、そのまま建築業界におけるファスト建築(安かろう悪かろう)にもあてはまります。

1.デザイン盗用が繰り返し問題に
「シーイン」は過去に何度もデザインの盗用で問題になっています。
小さなブランドを持つデザイナーやSNSに作品を載せているクリエイターたちが「デザインを勝手に使われた」と訴えることが非常に多いのです。
2.児童労働や長時間労働
2023年に公開された「シーイン」自ら作成した「持続可能性報告書」の中で、「シーイン」はサプライチェーンに児童労働があったと発表しました。
報告書の中では、「児童労働についてはすべて解決した」と記載されていますが、この主張をする数週間前に「シーイン」の服を作っている工場では過剰な残業・労働時間が強いられているという証拠が出ています。
また、同時に多くの労働者が週75時間まで働いているということも発覚しています。
3.体に有害な物質を使用していたことが発覚

洋服、子供服にまで大量の鉛、PFAS、フタル酸エステル等の有害物質が入っていることが発覚しました。
鉛の量は、カナダ政府が危険と定める基準の20倍もの量で、5着に1着の中にこのような物質が発見されました。
中でも「フタル酸エステル」は合成繊維の素材を柔らかく、伸びやすくするために使われていて、人間の体に入ると不妊症や子供の発達障害の原因になることが指摘されています。
4.宗教や異文化に侮辱的なシンボルやデザイン
2020年に、第2次世界大戦でナチスのシンボルとして使われていたハーケンクロイツ(鉤十字)のデザインのネックレスが「シーイン」のサイトにアップされた時、すぐにネットで大炎上しました。
また、イスラム教で使われている礼拝マットにとても似ている絨毯がインテリアとして販売されたケースもあり、宗教に対してリスペクトに欠けると話題になりました。
5.短い生産期間、ウルトラファストファッションのビジネスモデル

「シーイン」のようなウルトラファストファッションは、今までのファストファッションよりも何倍も速く、何倍もの量の服を生産しています。
スピード重視のシステムによって、自然資源の減少、強制労働やCO2排出の増加などの問題が発生しています。
「シーイン」は、「それぞれの商品を少量生産しているからサステナブルだ」と主張していますが、毎日何百種類もの商品を追加している時点で全くサステナブルとは言えません。
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6.製品の75%がポリエステル
「シーイン」で販売されている服の75%はポリエステルで作られています。
プラスチックが主な原料となるポリエステルは使用時や洗濯時にマイクロプラスチックが出ることに加え、石油を原料とし、生産時には大量の水とエネルギーを使用します。
ファッション業界の炭素排出量は2023年の1年で7.5%増加し、同研究所が2019年にデータ収集を開始して以来、初めての増加となりました。
7.一部の動物由来素材は使用をやめるも、透明性はまだ不十分
「シーイン」は今までウール、レザー、ダウンや装飾用の羽毛等の動物由来の素材を使ってきました。
しかし、2025年5月、「シーイン」は動物愛護団体PETA(People for the Ethical Treatment of Animals)との協議により、正式に動物の毛皮や野生動物の皮革の使用をやめたと発表しました。
動物福祉の方針を示しましたが、ダウンやウールについてはその素材をどこからどう仕入れているかに関する情報が開示されておらず、圧倒的な量を生産しているだけに、責任ある調達が望まれます。
※これだけアンチエシカルな材料が揃っていては、ブラック企業そのものです。エンドユーザーも知ったら買わなくなることは一目瞭然だと思います。
リーバイスの「3つの信念」が教えてくれること


「Levi’s (リーバイス)」は、リーバイ・ストラウスにより1853年に興された、世界的ファッションブランドです。
誰しも1本は持っているであろうジーンズは、米・カリフォルニアの金鉱で働く人々の声から生まれました。
「丈夫なパンツが必要」という声に耳を傾けたストラウス氏が、1873年に特許を取り、ジーンズの前身であるワークパンツを初めて発明したのです。
ストラウスが創業時に掲げた3つの信念とは…
Empathy~人々の声や社会の声に耳を傾けること
リーバイス社の創業一族はこの理念を守り、独自の価値観を形成しました。
ストラウス氏は顧客の声に耳を傾けた商品を作り出すだけでなく、貧民や孤児を助けるために、慈善団体へ多額の寄付をしてきました。
例えば、同社の収益を財源とする「リーバイ・ストラウス財団」は、世界初のHIV/エイズ専門クリニックに資金提供を行い、HIV/エイズの問題に取り組む最初の民間企業財団となりました。
INTEGRITY~誠実であり、自分の信念に正直であること
リーバイス社はいくつかの発展途上国に契約工場を持っており、早くから児童労働の回避を含むガイドラインを制定していました。
しかし1992年、バングラデシュの契約工場において、就労年齢に達しない幼い子供が生計を立てるために働いていることが発覚しました。
ガイドラインを守るためには、取引の中止や児童の解雇、バングラデシュからの撤退など、多くの選択肢が存在しました。
そんな中でリーバイス社が選んだのは、「現地に学校を作り、子供達を通わせて、就労年齢に達してから再雇用する」という、生産者の生活を第一に考えた勇気ある方針でした。
生活のために雇用を確保したいバングラディシュの人たちにとって、取引や発注を無くすことは最善ではないことを同社の役員=創業者一族は理解していたのです。
株主からの「学校を建てる資金があるなら、株主に還元するべきなのではないか」という相次ぐ批判に対し、多くの上場企業のように株主利益に左右される企業にはならないために株主たちから自社株を買い取り、上場の廃止を選択しました。 フェアトレードを追及し、社会的に貢献するエシカルな経営の姿勢を貫いたのです。
COURAGE~信念を守るために勇気を持って立ち向かうこと

リーバイス社は、古くからLGBTQ+コミュニティーの支援を行ってきました。
1992年、LGBTQ+社員向けの福利厚生として、法的に認められていなくても生計を共にするパートナーであれば、全面的に医療給付を行いました。
当時は議論を呼びましたが、現在では勇気のある先進的な行動として、幅広く受け入れられています。
理想的なブランドの姿とは誠実さと勇気への「共感」
リーバイス社は目先の利益にとらわれず、平等の権利を勝ち取るために闘うパイオニアであり続けてきました 。
他者を思いやり、自らの理念を貫き続ける誠実さ
社会通念や固定的な慣習に挑戦し続ける勇気ある姿勢
同社のジーンズを着ることは、単に高品質な衣料品を着るということだけでなく、誰かのために強く優しくある彼らの想いに寄り添うことで、消費者も同社の想いを共有し、少し温かく、そして勇敢になれる ということなのです。
私たちが届けられる「想い」とは

エシカル(ethical)とは、「倫理的」「道徳的」など正義を貫く消費を意味を指します。
イギリスのNGOが1989年に、消費者が環境や社会を大切にした商品選びができるよう『Ethical Consumer』という雑誌を創刊したことがはじまりです。
エシカル消費はSDGsを実現するための手段の一つと言えるでしょう。
エシカル消費の認知度は上昇中

電通が行った2022年の調査によると、前回調査(2020年)と比較してエシカル消費について知っている人は17%伸びて41%になりました。
意味まで知っている人は7%と1割に満たないものの、やってみたいと回答した人は4割になりました。
建築において木材製品を選ぶこともエシカル消費の一つと言えます。その主な理由を紹介します。
木材製品を選ぶ3つの意義
1.CO2の吸収源の維持
CO2の吸収源となる森林を育むことにつながり、気候変動の緩和に役立つ消費と言えるでしょう。
木は光合成の際に二酸化炭素を吸収して炭素を体内に固定する働きがあります。
2.CO2を貯めておく機能
伐採した後も木材の中にCO2が閉じ込められており、燃やさない限りは大気中にCO2が排出されません。
製造工程においても、排出するCO2は木造住宅の場合、鉄筋コンクリートの4分の1と試算されています。
3.生物多様性保全に貢献
森林には陸上生物の8割が生息すると試算されています。
この他にも森林には水を蓄え、地下に浸透させていく土壌保全機能、ヒートアイランドの緩和機能もあります。
合法的な木材や建材、労働環境の選択を
しかし、木材であればなんでもエシカル、というわけではありません。
各国の法令を守らずに伐採する「違法伐採」が世界の15%を占め、その撲滅は国際的な課題になっています。
日本でも違法伐採の流通を防ぐ「クリーンウッド法」にもとづき、輸出入業者は木材の合法性を証明書で確認することが今年(2025年)から義務化されており、合法的な木材のみを使用することをお客さんに伝えましょう。そその他にも森林認証などを利用しながら、労働者の人権尊重なども含めた取り組みを行うことも重要です
エシカルは“おもいやりの宣言”から
人の暮らしはもちろん、その先にある地域社会や自然環境にまで配慮し、循環するデザインが求められます。
私どもは30年以前から「つくる」だけでなく「つかう」や「すてる」まで責任を持って行ってきたつもりですが改めてエシカルの理想を追求することをお約束したいと思います。
以下は、その一例(7つのR)です。貴社オリジナルの参考にしてください。
1.Rethink 仕入・保管・加工などのプロセスを再考する
2.Return 今あるモノを修繕し転用する
3.Reuse 使い終わったモノを次の用途に再利用する
4.Recycle 捨てるモノを分解・分別し再資源化する
5.Reselect エシカルな素材を選ぶ
6.Redesign 循環を前提としたデザインをする
7.Renovate 空間をアップデートし周辺環境を活性化させる







