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親子・夫婦の距離感を極める[間取り・動線追求2]
今回も独断と偏見で、旧暦のお話から、入らせていただきます。
啓蟄 末侯 菜虫蝶と化す(なむしちょうとかす)
彼岸入り(ひがんいり)
今日は彼岸入り(ひがんのいり)ですと行きたいところなのですが、実は、今年は春分の日が明後日の二十日です。
なので、昨日17日が入りでした。でも、お彼岸中なので、朝早く仕事前に、御先祖さまの、お墓参りに行ってきました。
3月の春分の日と9月の秋分の日を中日とする前後3日、合わせて7日間は「彼岸」です。
彼岸中は仏壇を清め、お墓に参る風習があり、全国のお寺では「彼岸会(ひがんえ)」という法会(ほうえ)を営みます。
我が身につながるご先祖様に感謝し偲(しの)ぶ期間です。彼岸の初日となる今日は、「彼岸入り」と呼びます。
仏教が根づいている国のなかでも、こういったならわしがあるのは日本だけです。
しかし、なぜ彼岸にお墓参りをするようになったのか、はっきりとは分かっていません。
一説には、古来の先祖崇拝のならわしを取り入れることで仏教を広めようとした、聖徳太子のアイデアだともいわれています。
ちなみに「彼岸」とは仏教の言葉で、迷いのない悟りの境地のこと。一方、オレ、阿部たちが暮らす迷いに満ちた世界は「此岸(しがん)」です。
春分の日と秋分の日は、太陽が真東から昇り、真西に沈む一日です。西に極楽浄土があると信じていた先人は、沈みゆく太陽に、彼岸に渡った故人との交わりを託してきたのかもしれません。
春のお彼岸では、ご先祖様に「ぼた餅」をお供えします。餅米やうるち米を炊き、軽くついたものを餡(あん)やきな粉で包んだ和菓子です。
春に咲くのにちなみ、「ぼた(牡丹)」名が。秋のお彼岸では、同じものでも「おはぎ(萩)」となります。
「暑さ寒さも彼岸まで」の言葉通り、冬の寒さも和らぎ、過ごしやすい時季がやってきます。
故人に思いを馳(は)せる年中行事としてだけでなく、季節の移り変わりを教えてくれる目安としても、彼岸は私たちの暮らしに根づいていると言えるのかもしれませんね。
そして、七十二候で啓蟄の末候は菜虫蝶と化す。
冬を過ごした虫が、さなぎから蝶になるころ、の季節です。
だいたい、3月15日から19日までの時期です。
春めいて暖かくなっては、寒さが戻ってくる不安定な天気が続きます。
蝶が、さなぎ形から抜け出してだんだん蝶になっていく姿をテレビなどの動画で観ることがあると思います。
動画では、超早送りで再生されているので、分かりませんが、さなぎを抜け出して蝶になって飛び立つ間は、かなりの時間です。
羽は最初たたまれているのですが、その皺を少しずつ伸ばしながら、ピンと張ってくるまで、数時間から十数時間も要します。
それを、途中で助けてやろうと、脱皮を手伝ったり余計なお世話をしてしまうと、その蝶は、二度と飛べなくなってしまうそうです。
自然界って不思議なもので、その超スローに見える過程も、さなぎから蝶になるために必要な過程だったんですね。
親子・夫婦の距離感を追求する[間取り・動線追求2]
お父さんと子どもの距離感にこだわる
個室の配置の仕方は、家族の生活様式と密接な関係があります。特に子育て中の家族の場合、子どもにとって初めての個室はどうしたらよいか、親と子どもの距離感などなど、家族によってさまざまな考え方があります。
それらを見定めながら個室を配置していけるかどうかで、住心地が変わっていきます。たとえば、図のような家では、子煩悩なお父さんでありながら、本音は一人になれる場所もほしいお父さんの隠れ家的な書斎をつくりました。
その部屋は2階のルーフバルコニー(ルーフテラス)を経由する「離れ」というか「隠れ家」です。男は年齢を重ねても子ども心が抜けない性をもっているのです。
お酒を飲みに行くような居酒屋でも、ちょっと隠れ家的な場所を好んで行かれるようです。
「隠れ家」でありながら下階のリビング上部を吹き抜けにして、そこに面していれば、リビングの気配が伝わり、様子も分かるので、孤立することもないように考えられています。
【子煩悩なお父さんだってひとりになりたいときもあるーお父さんの書斎】
①将来間仕切りを入れられうようその下地などを壁下地の段階で準備しておくことを忘れない。
②「わんぱくだっていい…」小学生兄弟の部屋
③階段から離れの「隠れ家(書斎)」に行く際、子ども部屋の前を通ることで、いたずらややんちゃの抑止効果もあります。もちろん多少のことは目をつぶってあげてください。「わんぱくだっていい…」
④2階廊下から外を通って離れの「隠れ家(書斎)」に出入りします。
①玄関前の庇は大きく出して雨に濡れないようにする必要があります。木製玄関ドアなどにしたい場合は、特に必要です。
②車のリアハッチの開閉には高さが2,100mm(210cm)程度は必要となります。事前に当たらないかどうかの検討が必要です。
③車の運転席のドアを全開にした場合、出幅は800mm前後になります。車種によっても違いますので、玄関アプローチをリフォーム、もしくは所有する予定の車のドア全開時の寸法を前もって確認しておきましょう。
【車庫から玄関、勝手口への動線を追求する】
この動線は極めて重要です。奥様の家事に対するストレスに繋がるものだからです。この動線がしっかりと計画・実行されているといないとでは、それこそ大違いなのです。動線で家事に対する労力が軽減されれば、料理や洗濯、お掃除に時間を使えることになります。
ましてや小さなお子さんが何人もいるときなら尚更です。そんな重要な動線だからこそ、十分に検討しておかなければならないこともあります。
大きな荷物や日用品の買い物、雨の日の出入りなど、車庫から家までのアプローチは配置計画で十分な検討が必要です。建て替えたり、リフォームしてからでは、やりかえるのに費用も日数も大幅にかかってしまいます。
また、車庫を家の一部に取り込む場合(ビルトイン駐車場)は建物と一体で考えなければなりません。敷地と道路との関係などを考えると、車庫は荷物などが勝手口や玄関からできるだけ距離を取らずに運び込める位置に配置しなければなりません。
特に、車庫に屋根がない青空駐車場の場合は気をつけたいものです。
さらに、庇を大きく出して雨に濡れない対策を講じなければなりません。その場合玄関が暗くならないように屋根や壁の一部に明かりが透過するガラスやポリカーボネイトなどを入れます。
車庫がビルトイン(家の中)の場合は、玄関とは別に車庫から直接家の中への出入り口を設けます。それほどのサイズは必要ないかと思いますが、断熱効果のある開口部にしておいたほうがいいでしょう。