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【設計の基本は単純でいいんです。[矩計①]】
今回も独断と偏見で旧暦のお話から入らせていただきます。
秋分 次侯 蟄虫戸を坏す(すごもりのむしとをとざす)
クルミ(胡桃)
秋は多くの木の実が実りのときを迎えます。和洋菓子の材料としてお馴染みのクルミも同様で、日本有数の産地である長野県東御(とうみ)市では、収穫したクルミを天日干しする光景が風物詩となっています。
クルミは、日本人がもっとも古くから食べてきたとされるナッツです。そのため、各地でクルミを用いた料理が受け継がれています。
クルミ餅やクルミゆべし、青菜や山菜のクルミ和(あ)え、クルミ味噌を塗った五平餅…。どれも滋味豊かな郷土の宝です。
岩手県の沿岸部では、得もいわれぬほどの美味しさを「くるみあじ(胡桃味)がする」と表現するのだとか。
先人の「美味しいなぁ」というしみじみとした実感が込められた、素敵な方言ですよね。
・今日をたのしむ
【くるみの日】
9(くる)月30(みはまるい)日=「クルミは丸い」の語呂合わせ。クルミに含まれるオメガ3系脂肪酸は、悪玉コレステロール値や中性脂肪値を下げる働きがあり、動脈硬化などの生活習慣病リスクを下げてくれます。
【交通事故死ゼロを目指す日】
秋の全国交通安全運動期間の最終日である今日は、誰もが交通ルールとマナーを守り、事故が起きないよう目指す一日ですよ。
【設計の基本は単純でいいんです。[矩計①]】
前回は、吹抜けのポジショニングと平屋の明かりの取り方[採光③]
※https://heiwadai.jp/fukinuketohikari/ 9月09日B
をお伝えしました。(前回の青字のタイトルにリンクを張っておきましたので、良かったらタップしてお読みください。
今回は、「設計の基本は単純でいいんです。[矩計①]」を、お伝えします。
それでは、よろしいでしょうか?!
【設計はワンパターンでいいんです。】
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これまで私がプランニング設計した住宅を見て、「どれもこれも凝ったデザインで、設計は必ず毎回違ったデザインにするなんて大変だったでしょう」と、必要以上に労(ねぎら)ってくれる人がいます。ありがたいことです。
ところが実は、それほどでもないんです。当然複雑すぎてしまうとコストはバカ高くなることは必至です。一見複雑に見える建物でも、基本となる骨組みや性能を担保する仕様はすべて同じなのです。
ですから見た目ほど複雑な設計は、ほとんどしていないのです。ただ、設計の核となる部分は同じでも、それ以外の部分が変化に富んでいれば、おのずと凝ったデザインに見えてくるのかもしれません。
頭のてっぺんから足の先まで、建物を縦方向にスパッと切って詳細を明らかにした図面をディテールとか矩計(かなばかり)図といいます。矩計と書いて「かなばかり」と読ませます。
どのような住宅でも同じように描いている私の矩計図を紹介して締めくくりたいと思います。間取りには二つとして同じものがありませんが、ディテールというか矩計は、ほとんど常にワンパターンなのです。
【耐力壁は外側に】
木造住宅のつくり方は、柱、梁(はり)、筋交いでつくる在来軸組み工法と、構造用面材を中心につくる2×4(ツーバイフォー)工法が主流です。私のワンパターンは在来軸組み工法に構造用面材を張る両者のいいとこ取りをした工法です。
建物内部の柱や壁を最小限にするため、耐力壁(たいりょくかべ)はなるべく、建物外周部に効率を考え配置します。こうすると、かえって間取りを「邪魔するもの」が減り、開放的な間取りをつくり易くなるのです。
【柱の立て方、梁の掛け方(平面図)】
①構造用面材を張るので、外周の柱ピッチは910mmを原則とします。
②柱と梁で基本的な軸組をつくり、構造用の面材を張ります。下の写真だけを見ると2×4(ツーバイフォー)工法のようにも見えます。
【耐力壁はなるべく外側に設けます(平面図)】
③-1 吹抜けの周りには内部にも耐力壁をもけます。
③‐2 耐力壁は偏(かたよ)りが生じないようバランスよく配置することが大切です。
※耐力壁量は建築基準法で求められている基準の1.5倍を目安にしています。(ただし、耐力壁量は多ければいいというものでもありません。多くなった分だけ金物はそれ以上に増えますので、下手をすると柱や土台、梁などが穴だらけのとなり、かえって弱くなるという本末転倒になり兼ねませんので、合理的な計算の上で配置しなければなりませんのであしからず…