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【洗面脱衣室】使い易く、安心、安全な、清潔空間にしたい洗面所(63歳からのリフォーム⑭)
今回もは、独断と偏見で旧暦のお話はお休みせていただきます。
【洗面脱衣室】使い易く、安心、安全な、清潔空間にしたい洗面所(63歳からのリフォーム⑭)
【便利で安全、安心な清潔空間】
洗面(脱衣)室は、朝、顔を洗うことから始まり、歯を磨いたり手洗い、うがいなど、1日のうちでも何かと大変利用することの多い場所です。
手を洗うなどの基本的な身だしなみは、自尊心を保つためにも、快適な生活を過ごすためにも重要なことです。
清潔にしていれば、気持ちも明るくなり積極的に何かをしようという意欲が湧いてきますが、逆に清潔にしたくてもできないでいると、ストレスとなり、生きることに対する意欲や人との交流にも影響を与えかねません。
家の中でも使う頻度の多い場所であるだけに、できるだけ自分の好きなタイミングで利用できるようにしておきたいものです。
おしゃれをしてどんどん外に出かけるためにも洗面所はとても重要な空間となります。
では清潔な空間にしておくためには、何が最も必要とされるでしょうか?
基本的に洗面所や浴室はもっとも湿気がこもりやすい場所です。
換気が悪く、ジメジメしていては、カビなどが生えやすくなってしまいます。
たとえ、目には見えなくても、クロスの裏側やクロス下地のプラスターボードなどにガビが生えているかもしれません。ましてや目に見えるほどのカビが出ているようでは、その家は大変不健康な状態であることは間違いありません。
もちろん、換気ができれば問題ないのですが、大体湿気がこもりやすい洗面脱衣室では換気が十分にできていない場合があります。それら方法については、この後の【洗面脱衣室の見直し:解決策アドバイス・処方箋】でお話させていただきます。
【失敗談 成功談?!etc…】
[私たちシニア世代の理想の洗面所]
「洗面所のボウルは夫婦別々がいいよね~。2つほしいと思わないー?」
「なんで、どうして~!」
「最近ダンナが使う時間が以前より多くなっているみたいなんだよね。それで家にいる時間が増えたからかな~?
そして何でもかんでも「あれはどこだ?」って聞かれるから、ダンナのものはダンナのものでまとめておいてほしいんだよね。
夫婦1つずつで2つあれば各自で管理できるもの」
「わかる~!」
「でも、場所は一緒でもいいよね?まさかそこまで別じゃなきゃダメ?」
(笑)
「私は、ちょっとした洗濯やシャンプーをしても周りに水はねしにくいように、洗面ボウルは深くて大きめのものがいいかな?!」
「そうだよね~。私もしっかり幅があって、広く使えるものがいいと思うんだよね」
「介護するときも、お風呂に入れてあげるのは大変としても、せめて体を拭いたり髪を洗ってあげたいから、広いスペースがあるといいよね~」
「介護じゃなくても、怪我でお風呂に入れないようなときも、洗面所で洗髪できたら便利よね」
「それから、幼い孫が来たときとかも、手洗いのときに水を飛ばしやすいから広いほうが便利だよね」
「私は子どもの手が離れたし、そろそろ犬を飼いたいから犬の体を洗えるくらいの広い洗面所がほしいんだよね」
「そうなると、水栓もシャワータイプのほうがいいわね」
「そうそう。それも引き出せるタイプがいいよね」
「その上、水栓も、自動センサーだと便利そうだよね」
「そうそう、以前、父が入院したときに手洗いや歯磨きを手伝ったことがあるけど、手術後だったので車椅子に乗ってたんだよね。それで手を伸ばして石鹸付けて洗うだけでも大変で…。
あれでもし、水栓が自動水栓じゃなかったら、蛇口ひねったり止めたりとか、ほんとうに大変だっと思うよ。父がしみじみ『便利になったもんだと』と言ってたもの。
ときどき、センサーの位置が分からなくて『あれ?あれ?』って手のひらをヒラヒラさせていたのがおかしかったー(笑)」
「なるほど~。いろいろ考えるとやっぱり自動センサーは便利だよね~」
「それに年をとると、うっかり水を止めるのを忘れて、出しっ放しもありえるしねー(笑)」
「私は出しっ放しにするつもりはないんだけど、最近、指先の力が弱くなってきて蛇口をきちんと締めるのが辛いんだよね~。ちゃんと締まってないよって、ときどき家族に指摘されちゃって…」
「分かっているのに、指摘されるのって辛いですよね~」
「それなら、シングルレバーの水栓にしたら、どお?上げ下げするだけでいいタイプ」
「そうだよね~。ひねるタイプの水栓は、これからは絶対に変えておいたほうがいいかもね。ますます年をとって、大変になるのは目に見えてるんだからね」
「なるほど……。そのへんのことも考えて自動水栓にすれば、すべて困りごとは解決されるってことだね」
「自動センサーってホテルとか公共施設などではだいぶ普及してきてるけど、一般住宅では、まだまだ少ない普及されてませんからね~」
「でも、自動水栓って後からリフォームでも変更できますよ。ウチも最近交換しましたから…」
「えーッ・?それほんとー??」
「ネットやホームセンターで部品が売っているので、頼めば
工事屋さんも手配してくれますよ」
「そうなんだ~!うちもそうしようかな~!!」
「大がかりな工事をしなくて済むなら嬉しいよね~」
【洗面所ゆえに追求する居心地のよさ】
「それから、心配なのは…洗面所は、お風呂と繋がっていて脱衣する場所でもあるから、寒いのはダメだよね~」
「確かにこの場所は裸になるから、寒いことが頻繁だものね~」
「特に冬の脱衣場の冷え込みは辛いわよね」
「シニアの方の家庭内事故の原因の大半はヒートショックらしいよ。
」
「何、それ?ヒートショックって?」
「家の中でも温度差が激しいところに行くと、血圧が大きく変わって倒れちゃったりすることだよ。とくに年をとると、血管が弱くなってくるから危険なんだって」
「血管が切れたり、詰まったりする以外にも、冬に溺死する人が年間で2万人近くいるんだって。年々増えていて、2万人弱っていうのは10年も前のことだから、今では実際、2万人を超えているのかも」
「えぇ~!!何いってんの?ほんとう!それ!!私も気をつけなくちゃ」
「だいたい、洗面所まで行く途中の廊下が寒いんですよね。リビングや暖房のある部屋と繋がってたらいいのにっていつも思ってます」
「うちは、以前リフォームしたときにキッチンから洗面所まで扉一枚で区切って、簡単に移動できるようにしたの。お風呂に入る少し前に扉を開けておけば、洗面所が温まってからお風呂に入れるから、寒い思いをしなくて最高よ~!♪」
「それって、すごくいいですね~」
「電気式ファンヒーターとか置けるようにしておくのもいいわよね」
「そうね。コンセントを用意しておけば、電気式ファンヒーターで脱衣室を暖めることがきるしね」
「何いってんの!リビングから洗面脱衣室にかけては、なんといっても床暖房が最適よ。ファンヒーターやエアコン暖房って空気を暖めるでしょ。それだと家の断熱をしっかりしておかなければ、扉を開けたり締めたりする度に、熱が逃げていってしまうんだって。
その点、床暖房はなんでも輻射熱暖房だから、床壁天井が暖められるので、すぐに熱が逃げていくことがないそうよ。特に、遠赤外線床暖房っていうのが、優れものなんだって。
うちのリフォームをやってもらった工務店さんが言ってた」
「いいわね~」
「それにお風呂から出た後の湿気を取るための除湿機用にも、コンセントは必要だよね」
「それも、輻射熱暖房で床壁天井が暖められていると熱容量が高くて、相対湿度とかも上がりにくくなるので、湿気対策にもなるんだって」
「すごいね遠赤外線床暖房って!
あとは…洗面所に下着類を置いておく、収納があると便利よね」
「そうそう。ダンナにも自分のことは自分でできるよう、自立してもらわなくちゃね(笑)」
【洗面台の下の使い方は、将来のため】
「洗面台下の収納スペースって何に使ってる?パイプとかあって結構使いずらいよね」
「ウチはそこに洗剤とか掃除用具を入れてるんだけど」
「扉が両開きのタイプだとそうなるよね。うちは洗面台の下を引き出しタイプにしたんだよね」
「あっ、それ良さそうだネ。今どきのキッチンの収納量が断然増えるのと同じ発想だね」
「それがね~、そうとも限らないんだよね~!将来のことを考えたら洗面台の下は空けておいたほうがいいんだよね」
「え~っ、どうしてよ?」
「体が元気で不自由なく動ける場合はいいんだけど、将来足腰が弱くなることを想定したら、かがんで何かを出し入れすることは、できるだけしたくないんだよね」
「あ~、なるほど~。それにたとえば椅子を使うときには、洗面化粧台の下が収納だと足がつっかえちゃうんだよね」
「体をぴったり洗面化粧台に付けることができないから、いろいろ不便かもね」
「そう言われれば、そうねぇ」
「前かがみになれば、問題なく洗えるんじゃないんですか?」
「体が元気な人の感覚ではそうなんだけど、だんだんと前かがみの姿勢になるのが辛くなることが多いんだよね」
「かがんで何かをすることが辛くなってくることを考えると、座って作業できるように洗面化粧台の下は、空間がになっているほうがいいね」
「そうそう。椅子が入るぐらいの幅と高さがしっかりと空いていてほしいよね。ホテルの洗面化粧台みたいにね」
「だったら、さっきのボウルは深めのほうがいいという話だったけど、実は浅めのほうがいいということになるのかなぁ?」
「そうだよね。今は家事をするのには深めのボウルがいいけれど、将来、ゆっくりと家事をこなしていくことを考えると、ボウルは浅めで、大き目のほうがいいかもしれないわね」
「そうそう。子どもが成長して、夫婦のことだけすればよくなってくると、家事の量も少なくなってくるから、ゆったり過ごしたいよね。」
「ずっと元気でいたいから、体のことを労(いた)わる必要があることも少しづゝ考えておかなくっちゃね」
「そうだよね~。それは自分だけでなく、パートナーのことに関してもそう考えていかなきゃならないよね」
【ほどほどにしておきたい…安全対策】
「それにしても…筋力が弱ってフラつくとかよろけてあぶないとか、そう言ってたらずっと何かにつかまってたり依存してなきゃダメだってことなのかな?!」
「あっちにも、こっちにも手すりやポールがあるのもどうかなって感じがしないかなぁ…。それだったら、上からもつり革が下がっていたらどこにいてもつかまれて安心だってこと!?」
「それって、まるで電車に乗っているみたいじゃない(笑)」
「いやだ~!(笑)。家に居ても通勤してるみたいじゃない(笑)」
「将来、そうならないように、できるだけ歩いたり、買い物も自転車で遠いところまで行ったりして、足腰は鍛えておかないとね」
「確かに、将来のためにホームエレベーターをつけたり、階段昇降機をつけたりって、足腰が丈夫であれば、必要ないってことだものね」
「日々の運動は、将来のリフォーム費用にも関わってくるってことだね」
「そうそう♪予防と考えれば、たとえば手をかけやすい高さに棚をつくって、その下を薄型の収納だったりすると、手すりの代わりにもなるし、その上移動する長さで、収納もできるし、一挙両得だよね」
「玄関や廊下と同じだよね」
「洗面室で使う椅子で、座面の下が収納スペースになっているタイプのあるわよね」
「椅子と収納が兼ねられているのはいいよね。それにお風呂に入るとき、靴下を脱ぎ着するときって、片足立ちだと不安定で危ないのよね。椅子に座ってできると安心だしね」
「たしかに、自分は大丈夫のつもりでも、何かのときのために用意しておくのは大切だよね。ダンナも髭をそったり髪を整えたりするとき、座っちゃうかもしれないけどね(笑)」
「あ、それと椅子に座ることを考えたら鏡の位置を考えなくちゃ。低い位置でも鏡が見えるようにね」
「なるほど、そこまでは考えてもみなかった!」
「それって、幼児など、孫のためにもいいことだよね」
「高齢者や障害のある人を労(いた)わる生活のことを考えると、結局小さな子どもなど誰にもやさしい暮らしになるってことだよね」
「そうね。それは実感する」
「あと、湿気対策もしておかないとね。それから足元は滑らないようになっていてほしいよね」
「床材には珪藻土(けいそうど)や火山灰などを固めたタイル調のものがいいと聞いたことがあるよ」
「珪藻土って、私も気になってたんだけど…」
「珪藻土のバスマットとかあるけど、あれって足元が冷たくないのかしら?」
「常に表面が乾燥した状態になっているから、サラサラで気持ちいいらしいよ」
「それはいいわね。掃除が楽なのも重要な基準だと思うよ」
「そうだよね~、私も、家事に時間をできるだけ、かけたくないよね。それよりも、やりたいこと、好きなことに時間を割きたいわ」
「私も、同感!(笑)」
【洗面脱衣室の見直し:解決策アドバイス・処方箋】
「おとうさん、早く変わって~」
朝の忙しい時間帯に、思春期の娘さんのいらっしゃるご家庭では、洗面室の取り合い合戦が繰り広げられ、よくある光景だと思います。
「もう少し広くて、洗面ボールが二つあればいいのに…」なんて、思っていた人も多いのではないでしょうか。
練馬区のFさんの新築建て替え工事では、やはり、お嬢さんお二人、に、若夫婦のご両親の三世代6人家族でした。若夫婦世帯では、女性三人ですから、一台の洗面台では、当然のごとく朝の洗面器争奪戦が必至になることが予想されました。
そこで180㎝の洗面カウンターに2台の洗面ボウルを設置して、鏡も洗面カウンター立ち上がりギリギリまでの大型ミラーにしました。
それまでは、マンションの洗面化粧台1台の生活でしたので、見違えるほど使い易くなったと大歓びされていました。
ちなみに、水栓は、2基ともオート混合水栓で手をかざしただけで吐水する機能も大変満足されているご様子でした。
また洗面室と浴室が隣接しているお宅がほとんどだと思いますが、これからは、どんな入浴スタイルを取るかによって、洗面室の考え方も変わってきます。
入浴の後、歯磨きをしたり、ドライヤーで髪を乾かしたりすることを、リビングでしている方が大変多くなりました。テレビを見ながら、ゆっくり時間を掛けてするスタイルに変わってきた現れだと思います。
そして、入浴時間も、ゆっくりたっぷり取る方がずいぶんと多くなってきているようです。
半身浴やテレビ、読書しながらの入浴を楽しみ、汗をかいて血行をよくし、体を芯から温める習慣に変わってきたという方の話をよく耳にします。
そうなると、水分補給は意識して摂る必要があります。
もしかすると、これからは洗面室にペットボトルが入る小さな冷蔵庫があると便利かもしれません。
ミネラルが豊富なお水が冷やして用意されていると、ちょっとしたエステサロン気分が味わえるかもしれませんし、外から帰宅した際、冷えたおしぼりが入っていたりすると嬉しいものだと思います。
そこまで、想像するとキリがありませんが、新しい洗面室のあり方を考えてみるのも愉しいものだと思います。
【洗面室 チェックリスト】
- ①家族構成や生活スタイルに合わせて、洗面台の形状、ボウルや水栓の数も検討する。
- ②洗面所で軽く洗濯や洗髪をすることを考えるとボウルの大きさは広めにしておいたほうがいい。
- ③洗面所で洗濯や洗髪をする場合は、当然ながら水栓は引き出せるシャワーヘッドが付いているシャンプードレッサータイプにしておいたほうが便利。
- ④水栓の開け閉めや止め忘れなど心配な場合は、自動センサー水栓やワンレバータイプの水栓も検討する。
- ⑤車椅子や化粧台椅子を置くことを想定した場合、洗面ボウル下は十分な空きがあるように考慮する。
- ⑥洗面室が脱衣室も兼ねている場合、ヒートショック予防のためにも暖房設備を置くと予防効果がたいへん高くなる。
- ⑦脱衣室とリビングが一続きになっていると、移動がしやすい上に脱衣室の温度もリビングと変わらない温度に保つことが可能となるので、ヒートショックの予防に効果絶大となる。
- ⑧タオル意外にも下着、パジャマなど衣類がしまえる収納があると便利。
- ⑨洗面所に椅子をおいておくと、歯磨きや髭剃りなどで、疲れているときにすぐに座れて便利。
- ⑩靴下などを脱ぎ着する場合も、椅子があると座ってできるので転倒防止にもなる。
- ⑪珪藻土マットは、通常のバスマットと比べてすぐに乾いてサラサラになるし、洗濯の手間が減るので、必要に応じて検討する。