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【寝室を心地よい空間にし、コロナ疲れを癒す】
【寝室を心地よい空間にし、コロナ疲れを癒す】
寝室は家族が健康に暮らすために重要な場所です。家族が健康に、より快適に過ごせる心地よい寝室にするためには、寝室の設計(間取りや配置など)に工夫を加える必要があります。ここ数年問題になっている、コロナストレスを癒す寝室設計のコツをまとめました。
【寝室を心地よい空間にするための重要な3つの条件】
1:自然と風が通り抜ける場所にする
寝室は他の居室と比べて、湿気が溜まりやすい場所です。
風通しがよく、自然と風が抜けるような場所に寝室をつくる事が大事ですが、様々な工夫を施すことで心地よい寝室にする事ができます。
窓からの風が心地よく感じられる時季は、実際には思っているよりも大分短いものです。あっという間に通り過ぎます。それだけに余計に逃したくない心地よさでもあります。
2:採光や日当たりを確保する
採光や日当たりなども寝室の間取りを検討する上で大切なことです。特に日当たりは季節によってあたり方が違うので、季節による変化も考慮した上で、しっかりと検討する必要があります。
3:プライバシーに十分配慮する
加えて、寝室で快適に過ごすためには家族のプライバシーに十分配慮した空間をつくる事が大事です。
子ども部屋との関係はもちろん、他の間取りとの関係をしっかりと検討し、設計を進めていく必要があります。
【快適な寝室づくりの14のアイデア】
1:寝室内の勾配天井をうまく活用するアイデア
住宅が密集している都心部の住宅に多いですが、寝室が最上階にある場合、斜線制限の影響でどうしても勾配天井になってしまう場合があります。
その場合、勾配天井をそのまま活かして寝室をつくる方法がありますが、向かい合った天井のもう一方にも意図的に傾斜をつけて、部屋の天井をあえて「家型」にする事で圧迫感を抑える方法があります。
この時に「家型の天井」をスッキリと収まり良く綺麗に見せるためには、寝室内の窓を始め、建具の設置などは勾配ラインよりも下に収めることがコツでもあり重要です。
勾配天井を利用してロフトを設置する方法もあります。
勾配天井の寝室の場合、どうしても一方の天井に不自然に余剰が生まれてしまいますから、その空間を有効活用してロフトを設置すると寝室内の全体の収まりが良くなることがあります。
特に、都心部などの狭小地に家をたてる場合は、ロフトを寝室に持ってくると収納スペースとして利用価値が高くなります。
例えば寝室のクローゼット上部にロフトを設け、収納スペースとして活用するといいと思います。
ロフトは高さが1.4m以下と定められており、それ以上の高さになると居室の一つとして数えられますので注意しましょう。
勾配側が足元にある場合、就寝の際は、体をかがめてからではないと体を横にすることができないなどの支障をきたすことがありますが、枕元に向かって勾配がある場合はよっぽどの傾斜でない限りそのようなことは起こりません。
2:吹き抜けを寝室に取り入れるアイデア
リビングに吹き抜けを採用した場合、寝室の天井を吹き抜けとつなげることで、寝室内に広がりが生まれ、開放的な空間にすることができます。
ただし寝室内の音は漏れるようになるので注意してください。
吹き抜けを利用し、開放的な寝室をつくりたい場合は寝室の壁の上部を抜き、腰壁くらいの硬さにして設置する方法もあります。
腰高の高さの目安としては650mmから700mm程度がちょうど良いと思いますが、人により感じ方は様々なので設計士と相談の上決めてください。
3:引き戸で寝室を仕切って寝室を作る
機能的な生活動線を考えた場合、リビングの横に寝室を作る方法も検討できます。寝室とリビングの間を引き戸で区切ると、換気や通風、採光を確保した上で生活動線に優れた寝室をつくることができます。
夜就寝するときは、扉を閉めて寝室として使用し、普段は扉を開けて隣り合わせの空間同士をつなげれば、寝室を機能的な生活動線として確保することができます。
引き戸だったりカーテンのようなもので緩やかに空間を分けられる建具を使用すれば、部分的に開放しておくこともできるため、寝室内のプライバシーを守りながらも、寝室にたまりやすい湿気などを喚起すること効果も期待できます。
4:寝室を完全に切り離さずに夫婦別室にする
夫婦の帰りの時間帯がバラバラの場合、お互いの生活リズムに配慮した寝室を設計することが大事なポイントとなります。
その場合は、いっそのこと夫婦別室にしてしまうという方法もありますが、夫婦別室の寝室を選択してしまうと夫婦が顔を合わせる時間が少なくなってしまう恐れもあります。
その解決方法として、寝室にベッドを2台設置し、その間を家具などで緩やかに区切る方法もあります。引き戸や襖を利用することで、帰りの時間がずれた時など必要な時にだけ部屋を分割して普段は一部屋として使用する方法をとることもできます。
5:ウォークインクローゼットを回遊動線にする
寝室内にウォークインクローゼットを設置する場合、思い切ってウォークインクローゼットを回遊導線にしてしまう方法もあります。
例えば、寝室が廊下に面している場合、廊下側を引き戸にしてウォークインクローゼットからも寝室に入れる動線を確保すると、寝室の導線が増えて使い勝手の良い寝室の間取りにすることができます。
また廊下側を引き戸にしておけば、寝室を使わないときは廊下側の引き戸を開放し、寝室に光を取り込んだり、同時に湿気がたまりがちな寝室の換気を行うこともできるようになります。
この時、布団を干す際の動線も考えて間取りを作れば、なお機能性を高めた使いやすい間取りにすることができます。
6:枕元にニッチ(窪んだ壁)をつくり、ものを置けるようにする
ナイトテーブルをベッドサイドにおかずに、その機能を補う方法としては、ベッドヘッド部分の壁に西洋建築で使われるニッチと呼ばれるくぼみを設け、物を置けるスペースを確保する方法もあります。
また、ニッチは、寝室の照明計画の際にも利用することができます。
くぼみの壁側に向けて間接照明をあて、光が天井に向かうように証明計画をすれば、照明が柔らかくなります。
光源を隠して、天井面に柔らかな光を拡散させる間接照明の手法は「コーブ照明」とも呼ばれています。ブラケットの位置や光の方向性を工夫することで、より多様性のある美しい空間を演出することができます。
寝室の主な目的は、寝たりくつろいだりして体を休めることにありますが、寝室にそれ以外の機能を持たせることで寝室に付加価値をつけ、より機能的な寝室にすることができます。
7:寝室の近くにバスルームを設ける
寝室の近くにバスルームを設ければ、入浴後にすぐにベッドルームに横になれるため、お風呂上がりに体が冷めにくいというメリットを享受することができます。
バスルームから直接ベッドルームへつながる間取りに抵抗がある場合は、寝室との間にサンルームなどを設けたり、湯上り時に少しくつろげるスペースを確保するなど、工夫されると良いと思います。
8:バルコニーをプラスする
寝室のそばにバルコニーを併設するのも、寝室の価値を高める一つの方法です。
寝室横のバルコニーは意外と便利で、布団を干す目的でも使用できますし、就寝前のくつろぎスペースとしても活用することができます。
就寝前の一杯をバルコニーで、というのもいいでしょう。
寝室は家の中で一番長い時間を過ごす場所だとも言われていますし、より機能性を高め、快適に寝室を利用するためにはバルコニーの設置を検討するといいと思います。
もちろん寝室脇のバルコニーをインナーバルコニーにする方法もあり、インナーバルコニーにした場合は、よりプライベート感を感じることが出来ます。
9:和室を併設する
寝室に和室を併設することで、多目的ルームとしても使用できるようになります。小さなお子様がいらっしゃる場合は、お昼寝のスペースとしても活用できたり、洗濯物をたたむスペースとして活用できたり、使い勝手の良い間取りをつくることができます。
また、小上がりの和室を設置した場合、寝室と和室の境界を際立たせる効果があります。床に段差が生まれるので、立ち上がり部分のスペースをちょっとした収納として利用することもできます。
寝室に和室をつくるときに、廊下からも出入りできる動線を用意しておくと、より和室の活用の幅が広がり便利になります。廊下から直接寝室に行ける動線と、廊下から和室を通り、寝室にいける二つの動線を確保するとより利便性が高まる他風通しの良い空間を作ることができます。
10:夫婦別のクローゼットを計画する
寝室内に夫婦のクローゼットの設置を検討している場合は、夫婦別々のお互いに合わせたクローゼットを計画することもできます。
夫婦それぞれで、クローゼットに収納するものも違えば、使い勝手も違います。
そのため、夫婦別々のクローゼットを設置する場合は、使い勝手を重視した使いやすいクローゼットを計画するようにしてください。
例えば、身長の高さの違いにより、ハンガーをかけるポールなどの使いやすい位置は異なります。
こうした配慮をすることは、クローゼットだけにとどまりませんが、夫婦別の使い勝手を配慮した専用のクローゼットを計画することは、夫婦生活を円満にするために必要な視点の一つとなります。
11:主寝室と子供部屋との間には収納を設置する
主寝室と子ども部屋を同じ階層に配置する場合、隣同士、壁で繋がっているのは好ましくありません。できることなら、廊下やホールを挟んだり、収納スペースを挟んだりして子ども部屋を配置するようにしてください。
子どもがまだ小さいときは問題は生じませんが、子どもが大きくなってくると、主寝室と子ども部屋が隣り合っていた場合は、プライバシーの問題でお互いに気を使う空間になってしまう恐れがあります。
12:夫婦別の読書灯を設置する
隣で寝ている奥様やご主人様に干渉しない読書灯を設置することは、お互いの距離感やお互いのリズムを崩さないためにも必要な配慮となります。例えば、夫婦一緒の寝室で同じベッドで寝ている場合、眠りたくてもなかなか眠りにつけない事があるでしょう。
そんな時は、明かりをつけ読書をすることもあるでしょうが、隣で寝ている人に干渉しすぎるような灯りの場合は、相手を起こしてしまったり、相手のリズムを崩す元となります。
横に光が漏れにくいブラケットなどを設置すると良いでしょう。
13:ダウンライトは足元部分に当てる
寝室でダウンライトを使用する場合は、ベッドの足元を照らす形で、ダウンライトを当てる方法がお奨めです。枕元にオンオフを切り替えるスイッチを用意しておけば、夜トイレなどに行きたいときにスイッチを入れることで、足元を淡く照らすことができます。
隣で寝ているご主人様や奥様に気を使うことなく電気をつけそっとトイレに行けるようになる利点は案外大きいものです。
ベッドの形や大きさをあらかじめ決めた上で、寝室の間取りを計画する必要がありますが、寝室は他の居室と違い、買い換えるものが少ない場所なので、あまり問題は生じることはないと思います。
14:障子を利用して柔らかい光を取り入れる
思い切って透過生のある障子を一面に取り入れる工夫もアイデアとしてあります。1面の壁いっぱいに障子を取り入れる事で視線を遮りながらも、寝室内に柔らかい光をもたらす事ができます。
障子を取り入れる際は、外からの光を直接取り入れる方法はもちろん、隣に書斎などを設置し、書斎を通って伝わってくる木漏れ日を障子に当ててさらに柔らかくする方法などもあります。
寝室を心地よいものとする14の間取りやアイデアについて考えてみました。
今回お話させていただいた発想は 限定的なもので、寝室の間取りによって使えるアイデアと使えないアイデアがあるかと思います。ですが、間取りを検討する際の一つの参考材料としてご活用いただければと思います。
by株式会社 大東建設 阿部正昭