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洗濯物を外で干さないアメリカ人
部屋干しのコツとランドリールームの作り方

アメリカの住宅では、洗濯乾燥機を多用して日本のように洗濯物を屋外で天日干しにするという風景をめったに見ません。なぜ洗濯物を外に干さないのでしょうか? また、日本では乾燥機があっても使わずに「室内干し」が増えていますが、生乾きやニオイなどはどのように解消できるのでしょうか?

アメリカの多くの住宅地では一戸ごとに大きな庭がありますが、洗濯物を干すスペースや設備は見当たりません。
カリフォルニアなどは気候も良く、快晴の日などは、きれいに洗った洗濯物を天日干しにしたくなる衝動に多くの日本人は駆られることでしょう。
しかし、そんなカリフォルニアでも洗濯物の外干しはタブーとされているのです。
「洗濯物の外干し」→「貧困」というイメージ

日本では当たり前の外干しですが、国によって大きな違いがあります。
アメリカでは「洗濯物の外干し」=「貧困」というイメージが根付いています。
洗濯物を外干しすることで地域が「貧困地帯」と認識され、不動産価値が下落することを恐れて外干しを禁止しています。
アメリカでは1960年代から洗濯乾燥機の普及が進み、所得の多い住宅地から次第に「洗濯物の外干し」の風景が消え始め、1990年代には「洗濯物の外干し」の風景が見られなくなったのです。
地域のルールや賃貸住宅の契約でも禁止

アメリカでは住宅地ごとにHOA(住宅所有者協会=日本の自治会に近いもの)が組織されていて、管轄する地域の自治管理を行っています。
そして、アメリカのほとんどのHOAは、メンバーが洗濯物を屋外で干すことを禁じています。画像はHOAの会合です。
アパート等の賃貸物件でも、ほとんどの賃貸借契約で洗濯物を屋外で干すことが禁じられ、違反すると契約を解除されてしまいます。
日本では洗濯乾燥機の世帯普及率は50%程度と見られますが、保有する多くの人は「晴れ間になったらやっぱり外干し」を好む傾向があるそうです。電気代の高騰で「節電」のために使わない人も多いようです。
いっぽう、PM2.5や治安などのリスクが増えており、乾燥機は使わずに「部屋干し」をする家庭が増えています。
部屋干しで「早く乾く」&「生乾きのニオイを防ぐ」方法
部屋干しのメリット
天気に左右されない

急な雨で洗濯物が濡れたり、風で飛ばされたりする心配がありません。
天候を気にせず、自分の好きなタイミングで洗濯物を干したり取り込むことができます。
花粉やホコリがつきにくい
外干しをすると、目に見えないホコリや花粉、黄砂、排気ガスといった汚れが洗濯物に付着することがあります。でも部屋干しなら、そんな心配はありません。
紫外線で衣類が変色しない
紫外線は色あせや生地の日焼けといったダメージの原因になりますが、部屋干しならダメージを防げます。
特にデリケートな素材やお気に入りの洋服は部屋干しがおすすめです。退色を防ぎ、衣服がより長持ちします。
プライバシー保護や防犯につながる
洗濯物から「どんな人が住んでいるのか」「留守にしているか」などがわかる場合があり、一人暮らしの女性にとっては不安なものです。外に干さないことでプライバシーが守れますし、空き巣被害などの防止にもつながります。
部屋干し派はなぜ多い?
年代別でみると20~30代は他の年代より高く、特に30代では40%を占めています。
近年、部屋干しを快適にする家電やアイテム、設備などの商品が充実してきたことも後押ししています。
部屋干しのデメリット
洗濯物が乾きにくい
部屋干しの場合は、たとえ風通しも日当たりも良好な場所に干したとしても、外干しのような速乾効果は得られず、乾きにくいことがあります。
臭くなりやすい
部屋干しの一番のネックが「ニオイ」ですね。ニオイは洗濯で落としきれなかったたんぱく質や皮脂といった汚れが酸化したり、雑菌が繁殖したりすることにより発生します。

部屋に生活感が出る
日当たりや風通しの良いリビングに洗濯物を干す人も少なくありません。
洗濯物が見えると生活感丸出しになり、せっかくのインテリアも台無しです。
来客時などは見た目が特に気になり、いちいち片付ける手間もかかります。
家の中に干すスペースが必要
室内に洗濯物を干すには、それなりのスペースが必要です。
家族分の洗濯物を干すとなると、けっこう広いスペースが占領されてしまうので、浴室や脱衣所だけでは干しきれないこともあります。
部屋干しのコツ10選

1.まず、できるだけこまめに洗うのが基本です
洗濯物は溜めておいて週末にまとめて洗おうと考えがちですね。
でも、こまめに洗濯と部屋干しをして、短い時間で乾かすのがニオイを防ぐコツです。
2.洗濯物はランドリーボックスに入れる(洗濯機に放り込まない!)
洗濯機の中は雑菌が繁殖しやすく、ニオイの原因を生むことになります。
そうなると、洗剤を使って洗いなおしても落としきれずに残ってしまいます。

3.洗濯機はフタをあけて乾燥させておく
洗濯機のフタを閉めてしまうと、カビが生えてしまう可能性があります。洗濯後はフタを開けっ放しにしておいて、中を十分に乾燥させましょう。

4.洗剤は適量を入れる
洗剤は指定の量を守ることが大事で、少なすぎても多すぎても、効力を発揮しきれません。
多く入れすぎると、洗濯で溶け切れなかった洗剤の残りかすが衣類や洗濯機の中に残り、雑菌やカビを発生させる原因となります。自動投入機能付きの洗濯機も登場しています。

5.洗濯機に洗濯物を詰め込みすぎない
洗濯物を詰め込みすぎないことも大切です。
洗濯機の容量に対しての洗濯物の量は7?8割が適切です。
洗濯物が多いときは、2回に分けて洗うことをおすすめします。

6.部屋干し用洗剤と酸素系漂白剤を併用する
部屋干し用の洗剤は除菌力が高く、生乾きのニオイを防ぐ効果があります。
また、除菌&抗菌効果がある酸素系漂白剤を一緒に使うと、さらに大きな効果を上げることができます。ただし、使いすぎると衣類に過剰な香りが残るので気をつけましょう。

7.洗濯が終わったら、すぐに干す
終了のサインが出たら、できるだけ素早く洗濯機から取り出して干しましょう。
時間が経てば雑菌の宝庫になり、ニオイが発生してしまいます。
タイマーをセットしておく場合も、すぐに干せる時間を設定してしましょう。

8.カーテンレールに干さない
カーテンレールや長押などに干している光景をよく見かけますが、これはやめましょう。
カーテンや壁は案外汚れていて、洗濯物に汚れがついてしまいます。
また、窓や壁があるために空気も動きにくく、乾くのに時間もかかります。

9.風の通り道をつくる
洗濯物同士がくっついたり、密集しすぎたりすると乾くスピードが落ちてしまいます。
洗濯物の間に風が通るように間隔を開けてハンガーを掛けるなど、洗濯物同士が触れ合わないようにしましょう。

10.サーキュレーターなどの家電や浴室乾燥機などの設備などを活用する
空気が動かないと湿気がその場に滞って、いつまでも洗濯物が乾きません。
サーキュレーターや扇風機を上手に使って風を起こしましょう。
風呂場は浴室乾燥機がない場合でも換気扇で湿気を追い出しやすく、オススメです。
部屋干しがもっと快適になる、「ランドリールーム」を作ろう

リフォームの際に、洗濯、物干し、アイロン掛けまでできるランドリールームを作る人が増えています。使い勝手が良いランドリールームをつくるコツや広さを紹介します。
ランドリールームの設置場所・広さの目安は?
家事動線や外干しも考慮して設置する
例えば2階にLDKがあり、1階に浴室と洗面室がある間取りの場合、家事動線を考えてキッチンの横に配置すると便利です。
キッチンに近いと料理と洗濯を同時進行しやすく、行き来も楽になります。
ランドリールームと洗面室を兼ねる方法もある
スペースが限られた住宅で独立したランドリールームを設けるのが難しい場合、洗面室と兼用するプランがおすすめです。

一般的な洗面室は2畳程度ですが、1畳分広くして3畳にすれば、室内物干し金具や部屋干しファンが無理なく設置でき、干し場も十分に確保できます。

さらに、収納スペースを広めにとり、洗濯・柔軟剤の他にタオル類や家族の下着・パジャマを入れられるようにすると、入浴時にも便利です。

換気扇、部屋干しファン、除湿器を活用しよう
過去の実験研究より、夜干しでも換気扇と除湿器があれば8時間で、換気扇と部屋干しファンがあれば14時間で乾燥レベルまで達することが分かりました。
つまり、夜に洗濯して部屋干しをしても、換気扇と除湿器を使えば翌朝までに乾きます。
夜でも乾くことから、日差しは重要ではないのです。
窓の有無や大きさにはこだわりすぎない
洗濯物を干すときには日差しが必要と思いがちですが、先の実験結果より、乾燥させるためには換気や送風が重要で、日差しは必ずしも要らないということが分かりました。
ランドリールームで使える!おすすめの収納アイデア

ランドリーラックを置いてデッドスペースを活用
洗濯機の上は、デッドスペースになりやすい場所です。
ランドリーラックで収納スペースを増やすと、スペースを有効に活用できます。
ランドリーラックには、場所を取らずに大容量の収納場所をつくれるタイプや、狭い隙間に洗剤・タオルなどを収納できるタイプなど、多くの種類があります。
ランドリーラックはデザインも豊富なので、インテリアに合う物を選べば、統一感のある雰囲気でまとめることも可能です。ランドリールームの広さに関わらず、手軽に収納を増やせます。

壁面に有孔ボードを設置して収納力アップ
収納が少ないランドリールームでは、有孔ボードの活用がおすすめです。
パンチングボードとも呼ばれる、等間隔で穴が開いている板のことです。
穴にフックなどを引っ掛ける、いろいろな物を収納できる壁面収納がつくれます。
棚に入れると場所を取るアイロンや掃除道具、ごちゃごちゃしがちな小物などは、壁面に吊るす収納や壁面の小物入れにまとめる収納できれいに片付きます。
空いている壁一面を収納場所にできるため、収納力が大幅にアップします。
リフォームでワクワクする自分だけのランドリールームをつくろう

便利で快適なランドリールームを作るためのアイテムは豊富にあります。メーカーの製品カタログやネットで施工例の情報を集めて、あなただけのワクワクする空間をつくりましょう。







