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【動線全体のこと(63歳からのリフォーム(20)】

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【動線全体のこと(63歳からのリフォーム(20)】

前回に続き、今回も長くなりますので、旧暦のお話はお休みさせていただきます。

【終の棲家の暮らし方、知っておくべきこと】

【63歳からのリフォーム】シリーズの最後は、「終の棲家(ついのすみか)においては「つい」(笑)見落としがちですが最も重要と言っても過言ではない動線についてです。

そうなんです。高齢になってからの生活向上の鍵(かぎ)は動線にあるといっても過言ではないのです。(2回言ってしまいました(笑))

部屋を出るとすぐにトイレと浴室がある……。たったこれだけでも、暮らしはグッと快適になります。「仕方ない」とあきらめないで「こうだったらいいな」を建築リフォームの専門家に全部思っていることを伝えてみましょう。

すべて叶(かな)うとはいいませんが、叶う夢がいっぱいあるかもしれません。もちろん伝えたことすべて叶うことだってあります。
遠慮して、伝えなければ、夢はひとつも叶わないかもしれないのです。それなら、ダメ元で思いをすべてぶち撒けてしまいましょう。

【失敗談 成功談?!etc…】

【動線を制するものは、老後の人生を制する!?】】

「動線って重要ですよね。うちの場合は祖母が病院から退院してきたタイミングでリフォームしたんです。祖母の部屋のすぐ横にトイレやシャワールームをつくったら、自立した生活が続けられて、それが母にとっても私たちにとっても、すっごくプラスになりました」

「トイレが近いって、ほんとうに便利だよね。最近、どうしても夜中に最低でも1回以上はトイレに起きちゃう。主人がそうだったんだけど、最近では私もそうなってきたの」

「夜中のトイレなどの使用を考えると温度差によるヒートショックのこともあるし、寝室の中か、隣接する場所が、いいみたいだよね」

「部屋のすぐ横や、寝室の横に水廻りが集約されているのっていいかもしれないね。ホテルっぽいし」

「動きやすくて、最短の動線で、それでいて段差がないことが重要だよね。」

「我が家は、寝室からもクローゼットを通り抜けて洗面室側に出入りできるようにしたの。そのままお風呂にも行けて便利よ」

「ある意味、それも「ウォークインクローゼット」ならぬ「ウォーク・スルー・クローゼットだよね(笑)」

【もちろん、食事の動線にもこだわって】

「それいいね~。我が家はキッチンを工夫したんだよね。対面式のカウンター式キッチンを変えてキッチンサイドにダイニングテーブルが繋がるようにしたんだ。横の動きだけでお料理の配膳がスムーズにできてほんとうに便利になったよ♪(笑)」

「うちもそうしたいな~。子どもたちがいたときは対面式がよかったけど、今はダンナと二人だけだから、正直そんなに凝った料理もしないしね(笑)」

「食事の配膳も後片付けも楽そうでいいよね~(笑)」

「対面式のキッチンのときよりもダンナが手伝ってくれることが多くなったような気がする。」

「対面するより、並列してるほうが、馴染みやすいのかも?」

「自然に手伝ってもらえるというか、手伝いたくなる動線って素敵よね。ずっとお互いに「ありがとう」の気持ちを持てるものね」

「そうありたいね~♪」

「うんうん、私もそうありたいよ♪」

【解決策アドバイス・処方箋】

動線計画はなにより重要です。各家庭によって、さまざまな暮らし方の正解があり、特に未来を見据えて暮らし方を考え、住まいを考えることは、不安もあるかもしれません。

建築の専門家が正解を用意してくれると思われるかもしれませんが、残念ながら、それは違います。建築の専門家はあなたの未来の暮らし方をプランに落とし込んでくれることは可能かもしれません。

ですが、あなたに「このような暮らし方をこういうふうにしてください」と押し付けることはできません。ましてや、60歳代なかばからの家造りです。

ご夫婦でこれからどういう暮らし方をしていきたいか、じっくり話し合ってみることが大切なのではないでしょうか

自分たちに合った未来の暮らし方のお手本は、人生の先輩である親たちの暮らし方にヒントを見つけ出せるような気がします。
「そう言えば、あんなことしていたなぁ」と思い出したみてください。

不便そうにしていたこと、億劫(おっくう)がっていたこと、「こうすればいいのに」なんて、思わずきつい口調で言っていた自分を反省したりする中で、未来の暮らし方のヒントが見つかるかもしれません。否、必ずや見つかると思います。

終の棲家(ついのすみか)は、けっして豪華な棲家(すみか)ある必要はないのです。より豊かな人生を送るための終の棲家なのですから…。

もっとも大切なことは、人生のパートナーと互いに「感謝」しあい、互いに「思いやりの気持ち」もつことから始めることかもしれません。

【動線全体のこと チェックリスト】

① 自立して生活しやすいよう、水廻りはできるだけ一箇所に集中しておく。

②ヒートショックのことも考慮して、別室との温度差が少ない動線にしておきます。

③動きやすく、それでいてできるだけ短い動線で、なおかつ段差に配慮した動線を考慮しておきます。

④キッチン横にダイニングテーブルを配置すると配膳・片付けに大変便利です。

by株式会社 大東建設 阿部正昭

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