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北側斜線に注意!ソーラーパネル計画〈住まいを考える⑦〉
今回も独断と偏見で、旧暦のお話から、入らせていただきます。
大雪 閉塞く冬と成る(そらさむくふゆとなる)
沢庵和尚(たくあんおしょう)とたくあん漬け
沢庵和尚(たくあんおしょう)とたくあん漬けの「タクアン」は同じなんです
今日は江戸初期の高層・沢庵和尚の忌日(きにち)です。「たくあん」という響きから、たくあん漬けを連想する方も多いかもしれませんね。そう誰もが知っている大根の糠漬けを考案したのは、沢庵和尚といわれています。
命名者は3代将軍・徳川家光だとか。沢庵が供(きょう)したぬか漬けの美味しさにいたく感動し、「沢庵漬けと名づけるべし」と命じたという逸話が伝わっています。
干した大根を米糠と塩で漬け込むたくあん漬けの仕込みは、今が最盛期。冬の間ゆっくりと発酵・熟成が進むことで、独特の酸味と旨味が生まれるんですね。
そして、二十四節気で、小雪の次はいよいよ大雪。雪がしんしんと本格的に降ってくる季節です。
そんな大雪の初候は、閉塞く冬と成る(そらさむくふゆとなる)。天地の陽気がふさがり、真冬に突入するころです。
およそ十二月七日から十日あたりのこと。
どんよりと重たく垂れ込める灰色の雲に覆われた空を、雪曇りといいます。
そんな空模様のとき、夜分めっきり冷え込むと、雪の少ない都心部でも、夜更けにハラハラ雪が舞い降ることも。
襟元や腰、手首、足首など暖かくして、かぜに気をつけて。
北側斜線に注意!ソーラーパネル計画〈住まいを考える⑦〉
ソーラーパネルといえば一般的には太陽光発電のことです。そのソーラーパネルを設置する場合、発電量に屋根の形が大きく影響します。
南向き、角度はおよそ30度に設置しますので、最も受光面積が大きくなるのは、南下りの片流れ屋根ということになります。
ところが、ここで気を付けておかなければならないことがあります。
それは、「北側斜線制限」という建築基準法です。北側の敷地の日照を最低限保障してあげましょうという法律です。
北側斜線制限があると北上がりの片流れ屋根の場合、この斜線制限に抵触してしまうことが少なくないのです。この北側斜線は用途地域によって角度などが違います。
●ソーラーパネルを載せるのに適した屋根の形
↓※北向きのハイサイドライトが柔らかな光と風の流れをつくります
図で見れば分かるように、南面の開口を大きく取ってしまうと、ソーラーを載せる屋根の面積が少なくなってしまいます。
そこで、北側斜線、通風、ソーラーパネルの3つの要素を満足させたものが④の案となります。
●建築基準法の北側斜線制限
北側斜線図
第一種高度地区の場合
↑↓※2 どちらの場合もこの範囲に建物が納まっていなければなりません。
第二種高度地区の場合
(( 屋根の形と日照と通風 ))
雨風を防ぐ屋根は、住まいの重要な要素ですが、それだけではありません。日照と通風に深くかかわっているのです。
切妻屋根は図を見れば分かるように、「平入り」側よりも「妻入り」側の方が日のあたる面積は大きくなります。
また、片流れ屋根は屋根の向く方向によって日当たりに大きな差がでます。
風通しに関しては、北下がりなっている屋根は風の受け入れる面積は大きくなりますが、抜ける面積が小さいので、風通しの良い屋根の形とはいえません。
南下りの片流れ屋根は屋根の日当たりは良いのですが、室内への日照は小さくなります。
寄棟屋根は四方から拭いてくる風を受け流す形をしています。この屋根が沖縄に多いのは、台風による風が強い地方だからです。
住む地域によって日照も通風の条件も異なります。それを見極めて、屋根の形と向きを考えることが必要です。
●切妻屋根の向きの違いによる日照と通風
↓①妻入り側、日照と通風の面積が多くなる
↑②ソーラーパネルを載せるのに適している
↑③橙色のこの部分が日照と通風可能な面積
温暖な地域であれば、北側に開くのもあり。一方で寒冷地では南面を大きくして、冬場の日差しを取り入れたい
●片流れ屋根の向きの違いによる日照と通風
↓①2層分、日照と通風が可能になる
↑②ソーラーパネルを載せるのに適している
↑③この部分が日照と通風可能な面積
東西方向の壁面積が大きいと西日などの強い陽射しの影響を受けやすい