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誰にとっても「いい家」とは!? ―「女性が住みやすい」ことが最低条件だと思います。―
誰にとっても「いい家」とは!?
―「女性が住みやすい」ことが最低条件だと思います。―
今回も独断と偏見で、旧暦のお話から、入らせていただきます。
小千谷の雪晒し(おじやのゆきさらし)
新潟県小千谷市でつくる小千谷縮(ちぢみ)は、江戸時代に生産するようになった麻織物です。シワのような「シポ」が全面にあり、シャリッとした肌ざわりが特徴。製糸、染め、織りといった工程を丹念に手作業で行う、国の重要無形文化財です。
この時季、晴天の小千谷では縮(ちぢみ)を雪上に広げる風物詩、「雪晒し(ゆきさらし)」を行います。これは、真白な雪で布地を漂白する先人の知恵。陽光で雪の表面が解け水蒸気となり、空気中の酸素と結合、オゾンが発生します。オゾンは天然の漂白成分。不純物をきれいにしてくれます。さらにその上糸目と色柄を際立たせてくれるのです。
古(いにしえ)の人々は、経験から、オゾンの使い方を知恵として利用していたのですね。まったくの自然から生み出された文化だと思います。先人から学ぶことは少なくありませんね。
誰にとっても「いい家」とは!?
―「女性が住みやすい」ことが最低条件だと思います。―
毎日の料理をつくったり掃除をしたり、洗濯物を干したり庭の花に水をやったりと、家の中で一番忙しく動きまわっているのは、ほとんど、女性ではないでしょうか。その女性が使いやすい、動きやすいと感じる家であれば、誰にとっても使いやすく動きやすいことは明白ですよね。私は幸か不幸か分かりませんが、男ですから認めたくない気持ちもいくらかはありますが、仕方ありません、そのとおりなのですから…。
家族の健康に気をくばったり、子どもが危ないことをしていないかどうか目くばりしたりと、常に家の中を見渡しているのも母親=女性です。女性の目が行き渡る家、女性が安心して暮らせる家は、すこやかで安全な家である証(あかし)に違いないのです。
「ユニバーサルデザイン」≒女性が住みやすい家
また、近年というか、二十年以上以前から、住まいやインテリアの分野でも「ユニバーサルデザイン」という考え方が重要視されています。これも、女性が住みやすい家と関係があるのではないかと思っています。高齢者にとって便利なものは、小さい子どもにも使いやすい。体力のない人や障害を持つ人が使いやすいものは、万人にとって使いやすい。力の弱い女性が使いやすい家は、男性にとっても使いやすいのは、ちょっと考えてみれば分かることです。男だっていつまでも若いわけではありません、あっという間に高齢者の仲間入りをさせていただくことになります。
女性は男性に比べて「自然」に近い身体感覚を持っているともいわれています。自然の暑さや寒さに順応しやすく、身体にいい、身体に悪いということにも敏感。エアコンでキンキンに冷えた部屋より、自然の風が運んでくる涼しさに、心地よさを感じる人が多いようです。そんな女性の身体が気持ちいいと感じる家は、だれの体にとってもやさしい家。そして、人に優しい家は、環境にとっても優しい家であることは間違いないことだと思っています。女性の超自然的感覚には脱帽です。
女性(お母さん)の超自然感覚をうまく利用させてもらいましょう!?
ですが、私が男に生まれてしまったから、いい家を新築したり、リフォームしたりすることはできないかといえば、それは違うのではないでしょうか?言い方を変えれば、女性が住みやすい家が「いい家」だといいましたが、それをデザインしたり、コーディネートしたりすることができるのは女性だけかといえばそれも違うのではないかと思っています。
では、どうするのがいいかと考えました。女性からどうしたら住みやすくなるのかをお聞きすればいいのです。そして、われわれ住まいの専門家が形にするお手伝いをすればより「住みやすい家」ができあがるのではないかと考えます。
リフォームするにあたっては、迷うことや不安になることも多々あるでしょう。家族間で意見が食い違うことだって、当然、出てくるかもしれません。そんなときは、自分たちだけで解決しようとせず、どんな小さなことでも言葉にして、設計やデザイナー、大工さんや設備屋さん、など建築のプロに相談してみてください。もちろんプロであれば、必ずいい知恵を出してくれると信じています。
「住みやすい家はどこから生まれるのか??」
なぜなら、「あなたがほんとうに住みやすい家」は、何もない場所から生み出されるわけではないからです。今のあなたの暮らしから、不便や不満を取り除き、「私ならこんな家に住みたい!」「こんなだったら、もっと使いやすいのに!」という理想を、間取りや設備に反映させていく。そうして初めて、ほんとうに住みやすい家に近づいていくのです。ご主人やお子さんに遠慮していては、「住みやすい家」はおそらくできあがりません。もちろん我を通せということではありません。こうしたいというあなたの意見をぶつけてみるのです。必ずしもあなたの意見がすべて通らないかもしれません。でも少しでも「住みやすい家」に近づくことには違いありません。
「いい家」は、毎日の生活を変えるもの。「いい家」とは、女性が、主婦が、そしてだれもが住みやすい家。理想の「いい家」を目指して、リフォームを思いきり楽しんでみてはいかがでしょう!?
「誰にとっても、いい家」にはやはりいくつかの条件があります。大きく分けると6つの条件がありますが、大変長くなりますので、ここでは第一の条件をお話させていただきます。
「きれいで、長持ちする」家って?!
―掃除がらくで、手入れがしやすい家は、明らかに違いが分かります。―
条件1掃除が楽で手入れしやすい家は「長持ち」する
「いい家」である条件の一つは「長持ちする家」でなければなりません。せっかくリフォームするのだから、10年やそこらで薄汚れてきたり弱くなってしまったりではまずいですよね。本来、家というものは、きちんと手入れをしないと弱くなってしまうものなのです。刻一刻と劣化してしまうものなのです。逆にいうと、手入れをきちんとしていれば、思っていたより、長持ちするものでもあるのです。
十数年前、築後20年の家ばかり何軒か調べさせてもらったところ、いつも手入れを欠かさなかった家と、そうではない家とは、雲泥の差があったのです。風呂場の壁や窓枠の掃除といった日々の手入れはもちろんですが、その他にも外壁の塗り替えなどのメンテナンスをきちんとしていた家は、20年経った後でも新築と見間違えるほどです。それに対して、手入れをしていなかった家は、建物の老朽化や設備の劣化が顕著です。雨樋の掃除を一度もしていなかった家などは、軒がボロボロになっていました。築50年の家と見間違えるありさまでした。「家」というものは、汚れや傷をそのままほったらかしておくと、そこから蝕まれていくものなのです。人や動物の身体のように自然治癒力はありません。もちろん、そんあ人の体でさえ、傷を蔑ろにしておくとそこから、黴菌が繁殖して、命取りになることさえありますよね。それと同じなのです。
「窓の開け閉め」も手入れのうち
ここまで極端でなくても、たとえば窓の開け閉めも手入れのうちに入ります。窓を頻繁に開け閉めして室内換気を心がけている家と、エアコンに頼りっきりで、ほとんんど閉めっぱなしの家では、柱や壁の劣化具合がまるで違っていたのです。たった20年でも、住み方によっては、家の状態や傷み方が大きく違うことが分かってしまいました。これはマンションでも同じことでした。間取りや設備は全く同じでも、手入れの仕方で驚くほど差が出てしまうのです。家を見れば、住む人の心がけや生活態度がうかがい知れるというのは、このことなのです。恐ろしいとは思いますが真実に違いないと思っています。
逆にいえば、家を長持ちさせたいなら、掃除をして、手入れをきちんとすればいいのです。
ですが、そうは、言ってみたものの、私自身は何を隠そう掃除が大の苦手なのです。どうしたら毎日の掃除を楽にできるようになるか―これが永遠の課題と言っても過言ではないくらいなのです。私のプライベートを知る人は知っています(笑)
そしていろいろと考えた結果、「掃除が苦手だとしても、掃除が楽にできる間取りを考えればいいのではないか」ということに気がつきました。
「ついで」や「ながら」でも掃除できてしまう間取り!?
手入れが楽な間取りとは、一言でいえば「家事動線のいい間取り。」「ついで」や「ながら」でもできる間取りなのだと考えます。浴室と脱衣室とトイレが一体になっていて、風呂掃除をする「ついで」に、トイレの便器や洗面ボウルも掃除できてしまう間取り。洗濯機を「回しながら」、お風呂の湯加減を「見ながら」、キッチンのシンクを掃除できるような間取りなのです。
手入れしやすいように考えられた間取りだと、日々の手入れは5分程度で済んでしまいます。これなら、私のような掃除が苦手なものでも、あなたのご主人でも億劫になることがありません。風呂場の壁が真っ黒にかびてしまってから、あわてて大掃除…ということもありません。まあ、それはそれで解決してくれるすぐれものもあるにはあるのですが、それはここでの主題からそれますのでまた別の機会に…
「100年住宅」≒掃除が楽で手入れしやすい家
十数年前から、100年住宅のコンセプトが唱えられています。スクラップ&ビルドを繰り返した時代を反省して、一度建てたら100年持つような家を建てよう。限りある資源を大切にしよう。という考え方です。毎日5分の手入れが楽にできる家であれば、20年でも50年でも、きれいに住み続けられるような気がしてきませんか?!
手入れしやすい家が、長持ちする家なのです。そしていつまでも心地よく安全に暮らせる家でもあるのです。 by株式会社 大東建設 阿部正昭