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建物の配置と隣の家との距離【配置③】

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今回も独断と偏見で旧暦のお話から入らせていただきます。

夏至 末候 半夏生ず(はんげしょうず)

漆掻く(うるしかく)

漆塗りの椀で汁物をいただくと、手にしっとりとなじみ、使い込むほどに味わいを増す色合いについ見入ってしまいます。

漆は縄文の昔から、人々が器づくりに用いてきた伝統の塗り材です。

漆の木の幹に、掻き鎌で傷をつけて、にじみ出る樹液を採ります。

それを濾過すると、生漆(きうるし)になります。六、七月に採れるものを初漆(はつうるし)、八月のものを盛漆(さかりうるし)九月のものを末漆(すえうるし)といい、盛漆(さかりうるし)が最高の品質とされています。

木の生命ともいえる樹液をいただいて、用の美をなす漆器は生まれてきます。

漆はたかが塗料ですが、されど漆です。木材の彫刻や器などを保護するには、これ以上の塗料はありません。

天然木材の美しさを損なわず、よりそれ以上の美と触感を醸し出します。木材の吸放湿を妨げず、水の浸入は頑なに拒み何十年、何百年と守ってくれます。

建物の配置と隣の家との距離【配置③】

【建物の配置】

[道路が南側にあるのであれば、建物は北側へ配置]

道路が敷地の南側にあるのならば、駐車場・庭・建物は当然、問答無用で下図のような配置になります。このバターンは文句ないところだと思います。

道路に接道する南側が駐車場と庭のスペースになります。クルマが南側のリビング前を塞がないように、接続道路に対して直角に駐車することをお薦めします。

南北道路の建物配置

[道路が北側に合っても、建物は北側へ]

道路が北側にある敷地の場合は、北側に駐車場(縦列駐車)や車庫を配置したうえで、建物もなるべく北側に寄せるのがいいでしょう。これで南側の庭が広く取れます。

この配置だと、道路斜線のほうが北側斜線よりも緩くなりますので、建物に北側斜線がかかりにくくなるので、北側の屋根や壁を削る部分も減ります。

ただし、住宅密集地で南側に建物が密になっている場合は、思い切って2階3階のリビングを北側に配置することも考えられます。南側に庭をある程度十分に取れればいいのですが、いくらも取れない場合は南側の家々の背中ばかりしか、見えないリビングになりかねません。

それならば、北側にある程度スペース(例えば、道路とある程度の幅員の川など)が取れるのであれば、景観としても満足できるものになるかもしれません。

場合によっては、北側に大邸宅の庭があれば、借景として抜群の景観となる場合もあります。机上の図面だけで考えていてはいい家には手に入らないものなのです。

[道路が東西側にあるのであれば、道路側を開ける]

道路が東側もしくは西側にあり、かつ敷地が狭い場合は、南側に十分な庭のスペースを取ることは無理だと思います。取ったとしても庭の役割を機能することはありません。

こんな場合は、道路からなるべく遠い位置に建物を配置することをお薦めします。採光だけなら、道路側光で十分だと思います(ただし、夏の西日には十分な対策を取らなければ灼熱地獄になりかねませんので注意が必要です)

西側道路の建物配置

なお、上の建物の配置では北側斜線が北下がりの片流れ形状に削ります。屋根形状の工夫次第でいかようにもなるのです。

【どれくらい隣の家から離せばいいのか?】

隣の家との距離は、どれくらい離して建物を配置すればいいのでしょうか?基本的に法律上では「民法」から、実際には「設備機器に必要なスペース」から、この距離はおのずと決まってくるのです。

・民法
【50cm以上離す】

50cm隣地境界線

隣地境界線より50cm離す

民法では隣の家(隣地境界線から)との距離を最小で50cm以上話さなければならないと決められています。この隣地境界線からの最小寸法ではカニ歩きでなければ歩行は難しいと思います。

工事用の足場(単管抱き足場)がギリギリ組めるかどうかの寸法です。各種メーター類を取り付けるのが最低ラインです。ところが実際には、東京などの住宅密集地では、このような建物はザラにあります。

・換気扇
・エアコン、給湯器などの室外機
【75cm以上離す】

75cm隣地境界線

隣地境界線より75cm離す

普通に歩くのに支障のない幅員だと思います。1階に採光用の窓を設けるには厳しい間隔ですが、換気用であれば、可能といえます。エアコンなどの室外機も設置することも十分に可能です。

ただし、室外機設置場所を普通に歩くのは無理だと思ってください。
隣の家となお空きは、この75cm以上を基本とすれば理想的だと思います。

・自転車
・ヒートポンプ式熱源機
【1,000mm以上離す】

100cm隣地境界線

隣地境界線より100cm離す

自転車を押しながら歩ける幅となります。薄型の物置やヒートポンプ式給湯器(熱源機)プロパンガスも設置しても多少のゆとりがあります。

・玄関アプローチ
・採光のための窓
【1,500mm以上離す】

隣地境界線150cm

隣地境界線より150cm離す

これくらいの幅員があれば、玄関までの十分なアプローチを設けられます。法的な計算が必要となりますが、1階の窓を採光用としても使用できると思います。

【クルマ・庭・家の順番の三位一体で配置計画は生かされます】

 

by株式会社 大東建設 阿部正昭

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