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家族以外は座れない4人掛け食卓テーブル【リビングCASE 4】
今回も独断と偏見で、旧暦のお話から、入らせていただきます。
小雪 橘始めて黄なり(たちばなはじめてきなり)
忘年会
十二月に入ると「忘年会」の言葉を見聞きするようになります。
お酒やご馳走をいただきながらお互いをねぎらう忘年会は、文字通りその年の苦労を忘れるための宴会です。
年末に欠かせない行事ですが、これといった決まりはありません。
とはいえ、出し物やビンゴゲームなど、みんなで盛り上がれるような趣向を凝らすのが定番です。
「忘年」にはもともと、「自分が年老いたことを忘れる」や「相手との年齢差を気にとめない」といった意味合いがあります。
一年の締め括りの宴会ぐらいは、堅苦しい話は抜きにしてたのしもうという、先人の思いがこもっているのかもしれません。
そして七十二候で小雪の末候は、橘始めて黄なりといって、橘の実がだんだん黄色になるころです。
およそ十二月二日から六日あたりのこと。橘は古くから日本に自生する常緑樹ですが、きっと昔の人は、なぜ冬なのに葉は青々として、実はまばゆく黄色く光っているのだろう?と首をかしげたことと思います。
日本神話に非時(ときじくの)香菓(かくのこのみ)という不老不死の実が登場するのですが、これも橘の実だろうといわれるほどです。
冬でも枯れない橘の姿は、まるで永遠の象徴のように感じられたことでしょう。
ちなみに橘の花言葉は『追憶』です。
家族以外は座れない4人掛け食卓テーブル【リビングCASE 4】
今回は、お母さん同士の二人連れのお客さんが相談にやってきました。今回はどんな相談事を持ってくるのか愉しみです。
m(ママ1)食卓は何人用にしたらいいと思う?
F(ママ2)うちは、5人家族なので4人用だよ。幅は1.35m。子どもが小さいからまだ余裕があるけど、いずれ狭くなるだろうね。
m 私のうちも同じ4人掛けだけど、幅が1.5mだから比較的ゆったりと座れるよ。でも親と一緒に食事すると狭いよね。
F それは厳しいね。うちは最初から諦めてるから、家族以外が集まったら基本的には外食か、立食パーティーに決めてるの。
【間取りPLAN A】上図↓
①4人掛け(幅1360mm)の食卓テーブルは設置可能だが、6人掛け食卓テーブルを置いた場合通路の確保が不可能となる
【間取りPLAN A】下図↑
②6人掛けテーブルを置くだけなら、向きを変えれば配置可能となるが、座っている際、椅子の後ろが狭過ぎて明らかに通りづらい。
m ところで、この間取り図面…4人掛けの食卓が置かれているけど、6人掛けの食卓は置けそうもないよね。
F そうだね。それに、子どもは宿題などの勉強に、私はパソコンなど、常に何かで使っていて、食卓テーブルを使うのは食事時だけじゃないどころか、それ以外の目的で使っているほうが、多いかもしれない。やっぱり広いほうがいいよね。
m実際、食卓テーブルを置くスペースがなければどうしようもないよね。テーブル自体は広いのに買い換えればいいけど…
m・F 6人掛け食卓テーブルの標準サイズや、それを置くために必要な通路などの寸法があれば知りたいわ。教えてもらえませんか??
【解決策・処方箋】
ダイニングは6人掛け食卓テーブルと収納をセットでプランニングしましょう。
パソコンやスマートフォンなどの普及とともに、大型テレビを中心に家族が集って寛ぐリビングの姿は、様変わりしつつあります。
このように、家での過ごし方が多様化する中で、ダイニングには食事をする場だけにとどまらず、家族の集いの場(ファミリールーム)としての要素が強く求められるようになりました。
ご両親や来訪者などとも気軽に一緒に食事が楽しめるようなプランニングが求めれれるようになり、4人家族だから4人掛けの食卓を基準に間取りを検討するのは時代遅れの感が否めません。
【間取りPLAN A】 解決策 図↓
①6人掛け食卓テーブルが使用できるスペース(向きを変えても可能)
②間仕切り開閉壁を設置すると急な来客にも対応可能
③タイニングに収納があると食卓テーブル上が思っているより片付きやすい
食卓テーブル脚の仕様による特徴↑
4本足の食卓テーブルの場合
①椅子を引くのに必要な寸法として肘掛けなしの椅子の場合は600mm、肘掛け付き椅子の場合は750mm必要となります。
②短編に座ることが可能。
2本脚の食卓テーブルの場合
①キャスター付きの場合は、回転できるので椅子を引くスペースが狭くできる。
②短編に座れない。
【間取りPLAN A】 は、リビングダイニングのゾーンが独立しているため、各々の空間が補完し合えない特徴があります。このスペースでは4人掛けの食卓テーブルしか置くことは不可能だと思います。
食卓の向きを変えると、全員が着席して食事は可能になりますが、椅子の後ろを通るにも、配膳するにも窮屈過ぎるのは一目瞭然です。
解決策としては、ダイニングの奥行きを455mm広げるだけで、6人掛けの食卓テーブルを置いても大丈夫な空間になりました。また、食卓は宿題やパソコンなどの作業にも使えるようにするため、ダイニングスペースに収納を設置することをお薦めします。
食卓テーブルが見違えるほど片付けやすくなるので、食事の用意も滞ることがなくなります。さらに、リビングとの間に間仕切り開閉壁(天井近くまでの建具)を設置しておけば急な来客にも対応しやすくなります。
食卓テーブルの幅は800mmで、短辺側にも腰掛ける場合は900mm必要となります。長さは4人掛けテーブルで、1.35m(できれば1.5m推奨)、6人掛けテーブル1.8mが基本寸法となります。
椅子を引く寸法は0.6m(但し肘掛けの場合は0.75m必要)ですが、食卓の脚の仕様によってはそこまでなくても可能です。4本脚タイプの場合は、短辺側にも腰掛けられるので、さすがに6人で食事をするには難しくてもお茶程度なら十分だと思います。
ダイニングをファミリールームとして機能させるために、6人掛け食卓テーブルを置けるスペースと収納をセットでプランニングすることをお薦めします。