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[収納の学び舎【第1回】]

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今回も独断と偏見で旧暦のお話から入らせていただきます。

白露(はくろ)次候 鶺鴒鳴く(せきれいなく)

流鏑馬(やぶさめ)

疾走する馬にまたがりながら、3つの的を次々と射る流鏑馬(やぶさめ)は、平安時代に始まった競技だそうです。

武士の馬術と弓術を磨くため、鎌倉時代は盛んに行われていました。江戸時代になると武運や泰平を願う神事と結びつき、今でも各地で奉納しています。

実際に目の前で流鏑馬を観ると、駆け抜ける馬のスピードや足音、息づかい、弓で射られた的の割れる音など、どれもがすごい迫力です。

武器でもある弓が放たれる音や的を射る音は魔を祓うとされ、的の欠片(かけら)を魔除けや縁起物として授与する神社もあります。

[収納の学び舎【第1回】]

全国各地にはその土地の気候や風土によって個性的な建築や暮らし方があります。
今回は京都から、ギャラリーを併設された町屋暮らしの達人をご紹介させていただきます。古き良きものを守りつつ、合理的な暮らしぶりは随所にセンスの良さがうかがえました。

田中祐子オーナー

田中祐子オーナー

【オーナーの田中祐子さん。新人作家に広く発信の場を提供していきたい、アートはけっして特別なものではなく、感性を刺激する豊かなものあってほしいと意欲的に取り組まれています。】

京都発 ギャラリーR

京都発 ギャラリーR

〒604-0000京都市中京区夷川通り西入る
Tel 075-252-3777
Fax 075-231-5864
http//www.galerie-r.jp

カフェレストラン

ギャラリーR アートGALLERY

京都には約24.000の京町屋と呼ばれる日本建築があり、近年はカフェやレストラン、ショップなど居宅だけではない住まい方が注目されています。ご紹介する田中さんは築120年の町屋で呉服の白生地を扱う卸の仕事をされています。

1階土間部分をギャラリーとして開設されて一年、町屋独特の漆黒の柱をいかして白壁に個性豊かな作品が並びます。柔らかなライティングも落ち着いた雰囲気を演出しています。

ギャラリーの奥には二間続きの和室があり、ここが呉服業の商談の間です。部屋の中央に平机がひとつあるだけ、集中してお話ができそうです。では事務デスクはどこにあるのでしょう?

答えは押入れの中、和室から2階へ上がる階段下の棚を取り払いデスク仕様に、書類や資料を収納する棚を作りつけて見事な書斎に変身していました。足を投げ出して楽に向かえるのもユニークです。

京町家ギャラリー

京町家ギャラリー展示アート

和室の横には裏庭や離れ、住まいへと続く吹き抜けの廊下があります。本来は通り庭と呼ばれ、土間に水屋がある一般的な町屋の作りですが、フローリングにして思い切って水屋を改造、履き替えの必要が無くなり、動線もスムーズになり大満足だそうです。ここでも町屋の名残を残した井戸や重みのある梁が趣をそえています。

2階和室は作品展示のほか集まりのスペースとして利用されています。琉球畳が落ち着いた中にも明るい印象です。階段を上がった4畳ほどの間に畳2枚分はありそうな長持ちが目に入りました。

中には来客用の座布団を収納。押入れが少ないように感じるのは納戸や長持ちがおけるスペースがあるためでしょうか?

押入れ改造収納デスク

押入れ改造収納デスク

「町屋に手を入れ維持していくのは並大抵ではありません。しかし町屋を楽しみに来られる方の期待に応えたいのです。」田中さんの言葉にもおもてなしの心が感じられました。

京町家のそれぞれの特徴

【↑お住まいの1階和室の横は廊下で、元は細い裏庭に面していました。今は庇(ひさし)部分だけを残してちょっと個性的で不思議な空間がつくられています。木の目や節が美しくこだわったつくりを残しています。】

お宅リフォーム拝見!

収納スペースの確保や間仕切りの仕方、リビングやキッチンなどの空間の活用方法をどうするか?実際直面するとなかなか難しいものです。

ここでは増改築やリフォームの際に、システム収納をうまく取り入れているご家庭を紹介しますね。

第1回目は、当社でも販売している、収納部材システムストレージを輸入し卸販売されている長谷川一也氏のお宅訪問です。

3DKのごく一般的なマンションは築25年の賃貸マンション、少し前のタイプで収納の制約もあり、大掛かりなリフォームや変更は難しい感じが…。

しかし実際はシンプルで統一感があり、随所に長谷川氏の収納哲学が見受けられました。家具の選び方を始め、何よりも「不意のお客様さまにも慌てることなくお迎えできる」心構えを大事にされていることなど、是非、参考にしたいものです。

玄関周辺小物収納

玄関周辺小物収納 必要なものをすぐに取り出せる収納

●キッチン小物の収納はひとまとめに

玄関ホールから右手に6帖大のキッチンがあります。高さ108cm奥行き40cmのシステム収納はフィンランド製のシステム家具、オーブンがスッポリと収まり、その幅に合わせて引出しがあります。筆記具や工具、横には掃除機を収納、玄関周辺やキッチンに必要な物がすぐ取り出せる仕組みになっています。明るい色調のパイン材は清潔感を与えています。

●限られたスペースを有効利用、洗面の収納

マンションには柱や天井の梁の出っ張りが空間をさえぎり、先に収納スペースの大きさが定まっている場合があります。家具の取り付けにくい洗濯機の上部のスペースはまさにそんな所です。ここではスチールワイヤー製のラックで棚の幅を調整してタオルのストックなど洗面回りフィンランド製のシステム家具をスッキリと無駄なく収納スペースを確保しています。スチール棚のサイズは長さの調節が利くので、負担をかけず使いまわしも可能です。

リビング収納

リビング収納もスッキリ

●統一感のあるリビング

キッチンから奥には6帖大のリビングが続きます。長谷川氏の趣味である音楽を楽しむリビングはオーディオとテーブル、ソファのみでシンプルに構成されていました。

壁面いっぱいのシステム収納を利用して統一感あるオーディオ収納が出来上がっています。中央の29インチのテレビモニタサイズに合わせた家具の奥行きは約60cm、CDラックやスピーカー、CDプレーヤーは前面を揃えてフラットにすることで凹凸を無くし、リビングを広く見せます。

家具の奥行きがあるにもかかわらず圧迫感が無いのは、全体の高さを腰の位置あたり、壁面の1/2くらい留めて、必要以上の装飾品や書籍類を置かず、オーディオとしての機能美を最大限に引き出しているからでしょう。

壁面を飾る柔らかな色彩の油絵もよく映えていました。また、ツヤ出し加工されたパイン材は美しく、オーディオ家電にありがちな重々しい感じを払拭するのに一役かっています。

パイン材フレーム中央のテーブルは本来収納ユニットのひとつですが、キャスターを付けて可動式テーブルとして利用、ベッドにもなるソファはメーカーは違いますが同じ素材を選び、パイン材の色や木目がリビングを明るくしています。自分の好きなものに囲まれた空間は羨ましい限りです。

オーディオ収納用家具

オーディオ収納用家具

ここではオーディオ収納として使われているシステム収納ですが、規格サイズの変更や買い足しが可能なこと、また自分でDIY感覚で組み立てられることなどが、幅広い利用価値を生んでいるようです。

天井や絵のフレームにも家具と同じパイン材をコーディネイト。統一感のあるリビングが広がります。

 

押入れ改造クローゼット収納量を確保、押入れクローゼット

玄関左側には洋室と和室。奥の6帖和室はベットを備えて、押入れの襖、必要の無い棚を取り払い、クローゼットとして利用。押入れの奥行きを生かしてポールを前後2本渡し、春夏、秋冬と季節に合わせた衣類の入れ替えを簡単にしています。

クローゼット扉を付け、木枠で幅を調整、暗くなりがちな和室は洋室へ模様替えしています。

上部の天袋も同素材にリフォーム予定です。

書斎

書斎

●書斎

コーナーを生かした机は特注仕様のもの、一枚板の重厚なL字型の机は機能性も完備、書棚はシステム収納棚でスッキリと。

●快適な暮らしと家具選びのポイント

長谷川氏のお宅を拝見して思うのは、雑多な物がほとんど散らかっていないということ。収納を考える前に現在の持ち物の整理はもちろんですが、今後購入する予定の物がほんとに必要かどうか考えてほしいと話されていました。

物を整理することで新しい生活スペースが生まれることはどれほど幸せなことでしょうか。私たちの生活も少しずつ見直していきたいものです。また、家具選びのポイントとして材質やサイズに統一感を持たせると各部屋に共通性が生まれます。

systemStorage利用の収納「System Storage」を使用したウォークインクローゼット

日本の住宅のウォークインクローゼットは、まだまだその機能を発揮していません。家具やカラーボックスがところ狭しと押し込められ、モノを取り出すのに苦労することでしょう。

System Storageを使用したウォークインクローゼットは何処に何があるか一目瞭然。クローゼットで今日のファッションは何にするかご自分のワードローブを見ながら考えられます。お問い合わせは、株式会社 大東建設まで、お気軽にご相談ください。

【収納リフォーム教室〈Vol.1】 

日本の収納を見つめ直して合理的な収納プランを!

新築や増改築の際に、「収納」のことについて、具体的なプランや展望がないまま、施工に踏み切る例が少なくありません。

スペースだけは確保しておいたものの使い方がわからず、とりあえず箱物を用意してモノをしまい込み、使う時になって必要なモノが取り出せない、収納場所がわからないなど、とてもムダな労力を使う結果となります。

これらはこれまで身についてきた「収納」に関する考え方に問題があるようです。

整理整頓の意味を正しく理解する!

私たちは子どもの頃から「お片づけしなさい、整理整頓しなさい。」と言われて育ちました。しかしながらこの場合の整理整頓は、散らかっているモノを目に付かない場所へ片づけるだけの「しまい込み」でしかありませんでした。

次に使いたい時に使いたいモノがなかなか出てこない、こんなことの繰り返しです。

本来の「整理整頓」とは、次に使うときに困らないように、目的に応じた収納場所へ片づけることではないでしょうか。

収納の文化と生活習慣の見直し!

日本の収納は、長持ちやタンスという収納家具に代表されるようにたたむ文化、積み重ねる歴史があります。確かに上のモノは取り出しやすいけれど下のモノは引っぱりださねばなりません。

だんだんと収納が億劫になっていきます。ヨーロッパではクローゼットや収納棚に見られるような吊るす収納、空間を仕切り、ひとつの棚にひとつの物をという発想がありあます。多少ルーズな人でも出し入れしやすい収納環境ができています。

現在の私たちの生活洋式はどうでしょう?洋式トイレやベッドに見られるように、ほとんどが洋風の生活スタイルに様変わりしています。

布団を片づけるための奥行きの深い押入れや、場所を取る婚礼ダンスはほんとに必要でしょうか? 便利な生活を享受しているわりには収納の文化が立ち遅れているように思われます。ご家庭の収納状況をふり返ってみてはいかがでしょうか。

片づけながらほんとうに必要なモノを選ぶ!

さて、収納の定義について考えてみましたが、合理的な収納を実践する前にはモノの整理が不可欠です。

あまりにもムダなモノが多すぎませんか?日本には四季があるので衣類の数も多いですし、食にいたっては和・洋・中のレパートリーに対応するため、調理器具の種類や数は相当なものです。

一概に欧米諸国との比較は難しいですが、それでも使わないモノが多く余分なスペースを取っています。居住空間が限られているからこそ、モノの始末が必要です。整理にあたり、最初から持ち物リストを作るのは大変です。以下に簡単な方法をご紹介させていただきます。

  • 1.すべてのモノを出すのはやめて、まず使わなくなった不要のモノを取り除いて捨てる。
  • 2.次にその場所にあることが不自然と思えるモノを出し、適切と思われる場所に入れ替える。
  • 3.中のモノを簡単に出し入れする工夫をする。(取り出しやすい仕切りや小箱の利用など)
    大切なのはモノを持たずにシンプルに暮らすという発想です。

by株式会社 大東建設 阿部正昭

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