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【天井のPBを張らない選択とスパン表による梁せい【天井高③】
今回も独断と偏見で旧暦のお話から入らせていただきます。
将棋で脳トレ(立冬 次候 地始めて凍る)
【将棋の日】
【ドラフト記念日】
【レンコンの日】
【天井のPBを張らない選択とスパン表による梁せい【天井高③】
前回は、【間取りの立体的思考!『天井高』の、第2回目 【天井を上げるところ、下げるところ、適切な高さとは【天井高②】
https://heiwadai.jp/tennjoudaka/をお伝えしました。(前回の青字のタイトルにリンクを張っておきましたので、良かったらタップしてお読みください。
今回は、【天井のPBを張らない選択とスパン表による梁せい【天井高③】を、お伝えします。
それでは、よろしいでしょうか?!
【プラスターボードを張らない天井という選択肢も】
防火や内装制限といった法律上の規制がなければ、天井のPB(プラスターボード)を張らないという選択肢もあります。
最近では、むしろ増えてきているという感すらします。
PBを張らないメリットというと、張らなければ天井高を400mm以上稼ぐことができるので、驚くほど開放感が一気に増します。
天井懐(ふところ)に400mm以上必要なのは大梁(おおばり)を架(か)けるところだけです。
それ以外の場所は、通常もっと低く(浅く)できるのです。
ただし……
【「天井なし」には対応しなければならない問題もあります】
ただし、天井のボードを張らない部屋には考慮すべき事柄が増大します。
まず第一に構造材(大梁、小梁など大小横架材)とそれらを連結する金物が丸見えになります。
こうしたものが目障りにならないよう処理しなければなりません。
電気やインターネットの配線も構造材同様です。
天井はある意味構造材や電気や給排水の配線、配管などを隠す役目もありますので、それらを無くすデメリットも少なからずあります。
なので、天井無しにはそれなりの手間と工夫が求められるのです。
【「見せる構造」をつくるためには?】
天井のボードを張らずに構造材を見せる部屋は、あらかじめ構造材の配置まで考慮した「見せる構造」としての設計を行なわなければなりません。
それでは、構造材をきれいに見せるにはどうしたら良いでしょう?
①一方向に、②等間隔で、③細かく並べる、というルールを守ることが必要となります。
天井のボードを張る場所を少なくすることで、建物から余分な「脂肪」のようなモノも取り除かれていくという副産物も期待できるのです。
【【梁せいはスパン表でアタリ(おおよその目安、見当)をつける】
天井高の決定には、「梁せい」の寸法も影響します。梁せいは梁に掛かる応力(おうりょく)やたわみをもとに算出しますが、作業に少し時間が掛かるので、間取りの検討段階ではスパン表を使うと大変便利です。
梁のスパンと負担幅さえ決めれば、寸法が簡単に想定できるのです。
以下は、普段利用させていただいているオリジナルのスパン表です。
スパン表
梁せいの寸法 |
スパン | ||||||||||
455 | 910 | 1365 | 1820 | 2275 | 2730 | 3185 | 3640 | 4095 | 4550 | ||
負担幅
|
455 | 40*45 | 40*45 | 45*90 | 90□ | 105□ | 120□ | 150□ | 180□ | 180□ | 210□ |
910 | 40*45 | 45*90 | 90□ | 105□ | 120□ | 150□ | 180□ | 210□ | 240□ | 270□ | |
1365 | 40*45 | 45*90 | 105□ | 120□ | 150□ | 180□ | 210□ | 240□ | 270□ | 300□ | |
1820 | 40*45 | 45*90 | 105□ | 150□ | 180□ | 210□ | 240□ | 270□ | 300□ | 330□ | |
2275 | 45*90 | 90□ | 105□ | 150□ | 180□ | 210□ | 240□ | 270□ | 300□ | 330□ | |
2730 | 45*90 | 90□ | 120□ | 150□ | 180□ | 210□ | 270□ | 300□ | 330□ | 360□ | |
3185 | 45*90 | 90□ | 120□ | 150□ | 210□ | 240□ | 270□ | 300□ | 360□ | 390□ | |
3640 | 45*90 | 90□ | 120□ | 180□ | 210□ | 240□ | 270□ | 330□ | 360□ | 390□ | |
4095 | 45*90 | 90□ | 120□ | 180□ | 210□ | 240□ | 300□ | 330□ | 360□ | 420□ | |
4550 | 90□ | 105□ | 150□ | 180□ | 210□ | 270□ | 300□ | 330□ | 390□ | 420□ |
表内のA×B表記は、Aが梁幅、Bが梁せい。それ以外は、梁幅120mmでの梁せいをすめす
支持形式 (単純梁) 床
荷重条件 (固定荷重) 650N/㎡
(積載荷重)1,800N/㎡
樹種 ベイマツ
変形増大係数 2
たわみ制限 20mmかつスパンの1/250以下
断面欠損 考慮せず
集中荷重 考慮せず
【× 梁とダクトがぶつかり勝ち】
設計初心者にあり勝ちなのが、天井懐に納めるはずのダクトや配管が梁にぶつかって納まらないという失敗です。
階高や天井高を決める際は、設備類の納まりも大変重要となります。十分な検討が必要です。
《メリハリある高さで、人と同じく美しく健康的なプロボーションに納めることをお奨めします。》