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いい家のカタチが見たいなら、街を歩き土地柄を知る!
今回も独断と偏見で、旧暦のお話から、入らせていただきます。
絹糸をもたらしてくれる蚕が、桑の葉を食べて育っていくころ、という意味の七十二候の季節が、蚕起きて桑を食うです。小満の初候で、およそ5月20日から25日までのことです。
家のカタチが見たいなら、街を歩き土地柄を知る!
この家はどんな姿形にしようか。どんなコンセプトにしようか。建主さんとの打ち合わせをしているとぼんやりとイメージが湧いてきます。しかし、家を建てる敷地の存在する街を歩いた後に、思い描いたものから全く別のものに変わることがあります。街には、家の形を決める驚くほどたくさんのヒントが隠されているからです。
家の形を導く土地の周辺環境
家のカタチを考えるとき、そのヒントを探すためには、わざわざ街の中を迂回してから現地へ向かいます。それは、自然の景観、田畑などの産業風景、伝統家屋が並ぶ街並み、風土やその土地の人の暮らし向きだったりします。
「犬も歩けば棒に当たる」ではないですが、必ず何かしら見つかるもの。私はこの探索行為を「環境を読む」と言っています。机の上で考えただけでは決してひらめきは湧いてきません。地域に触れ、参加することで、おのずとそこに建つ住宅の姿形が浮かび上がってくるに違いありません。
土地柄を読むために、駅からぐるりと寄り道をしてみる。
ー家づくりのヒントを探すために街に触れるー
駅→
→神社仏閣
→自然
→産業
→街並み
→敷地
【家の環境に学ぶプランニング】
都会か田舎か、平地か高台か、山地か海辺か、住宅地かといった要素でも家のコンセプトや形は変わります。屋根や壁などは調和を図るために、周辺の家と同じ素材を使ったり、形を合わせることも必要です。
敷地にはキラッと光るものがゴロゴロしています。
あなたは購入予定の敷地に初めて足を踏み入れたとき何をしますか?四方を取り囲む家や空き地の状況、敷地から何が見えるかを確認しますよね。建築の専門家も同じだと思います。私も周りをぐるっと見渡して、設計に取り入れたい「キラッと光る宝」を探します。光、風、景色、目線の抜け、隣家の借景などです。これらはすべてキラッと光る大切なものです。拾い集めて家づくりに利用しない手はありません。
たとえば、海や湖、林といった美しい風景が眼前に広がっていたら、それはキラッと光る大切なものです。リビングからその景観がよく見えるように間取りを考えます。狭小地では、ちょっとした視線の抜けや隣家の木陰から吹いてくる涼しい夏風がキラッと光る大切なものになります。その場所には窓を設置して目線と風通しをよくします。それぞれの敷地にそれぞれの敷地にそれぞれのキラッと光るものがあります。あなたもまずはキラッと光るモノを探してみてくださいね。
《宝物とは?》
偶発的な発見が、デザインの楽しみを連れてきます。
【光】
「隙間から光が入るぞ」
光は自然からもらう一番のキラッと光るものです。敷地が広い場合はほとんど問題にはなりませんが、都会の狭小地では四方を隣家に囲まれて、ほとんど光が望めない場合も少なくありません。根気よく探して、隙間から差し込む光を探します。
【風】
「いい風が来るな」
室内に風をどのように取り入れるかは、住みやすさに関わります。特に夏にどの方向に風が吹くかは必ず確認しておきたいところです。林や川越しのきれいな風、隣家の庭越しの涼しい風もキラッと光るものとして受け取りましょうね。
【隙間の景観】
「遠くまで目線が通る」
敷地には法律上の境界線がありますが、目線には境界線はありません。このキラッと光るモノを使わない手はありません。目線が遠くまで抜ける場所に窓を付け実際の広さ以上の開放感を感じることができます。特にリビングに目線の抜けを使ってみたいところです。
【景色】
「景色最高!」
海、川、湖、森など、周辺の美観は最高のキラリです。リビングなどから景色がよく見えるように、大きな窓を設置しましょう。風呂のバスタブから見えるようにするのもいいですね。まさに建築専門家の腕の見せどころです。