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【玄関にお客さまがいるとトイレから出にくい家】
【玄関にお客さまがいるとトイレから出にくい家】
今回も独断と偏見で、旧暦のお話から、入らせていただきます。
旧暦でいうと二十四節気は雨水です。 その次候 (七十二候)は 【霞始めて靆く(かすみはじめてたなびく)】の季節です。
飛梅伝説(とびうめでんせつ)
太宰府へ左遷された菅原道真(すがわらみちざね)を慕って、庭の木のうち、桜は悲しんで枯れ、松は追いかけたものの途中で力尽きてしまいました。ところが、なんと梅だけは、一夜のうちに太宰府まで飛んでやってきたという伝説があります。これが飛梅伝説(とびうめでんせつ)と、いい伝えられています。
そんな道真にまつわる祭礼、北野菜種御供(きたのなたねごく)は、道真の忌日であるこの日に京都の北野天満宮で行われます。玄米を蒸したお供え物(神饌〈しんせん〉)には、道真が愛でた梅の花を挿して献じます。その供花には、以前は菜の花を用いていました。
参拝者に配られる神饌のお裾分けは、いただくと病知らず、とかいわれています。
【玄関にお客さまがいるとトイレから出にくい家】
先日の女性の親子連れのお客様が、また違った間取りの問題点を相談に来られましたよ。
s間取りPLAN aは、玄関入ったらすぐにトイレ扉が見えるね。
k ほんとうだね。急いでいるときは便利かもしれないけど、お客さまにしてみれば、あまりいい光景ではではないよね。
a来客中は2階のトイレを使うしかないね。でもトイレに入ってるときに、お客さまがいらしたら、出にくよね。
k それに、下駄箱がホールから離れているよね。これだと玄関の靴が片付かない。この間取りいいところがないね。
a間取りbも同じだよね。玄関からトイレの扉が見えるし、下駄箱もない。何か飾りたいけどいい場所がないわ。
bしかも便器が玄関側を向いてるわ。扉が内側に開くのも使いにくそうだし、階段下だから扉も少し低くなりそう。
a トイレの扉が内開きだし、もしおばあちゃんが同居していて、中で倒れたりしたら、すぐに助けられないかも。
b 玄関にあるトイレはどんな工夫が必要なのかな。玄関以外の場所にするとしたら、どうすればいいんだろう。
【問題点と解決策】
トイレ扉は「角度」や「動線」を変えて玄関正面から隠す
玄関ホールにある(から見える)トイレには、視線や音漏れなどに関するいろんな問題が隠されています。本来、設計者はそのメリット・デメリットを施主に伝えた上で、適切な提案をする必要がありますが、それがなされていないことで、後々のクレームに繋がるたくさんの事例があります。今回の間取りもその一つです。
トイレの配置は、プライバシーに配慮されていることが最も重要です。玄関やリビングからトイレの扉が見通せるような配置だけではなく、キッチンの脇を通ってトイレに行くなど、来客には見られたくない(見たくない)場所が、動線上にある配置も避けたいところです。
また、一階トイレはお客さま使用が前提であることから、その設置やお年寄りもりも無理なく使えるような安全上の配慮も必要です。ホールにいる人と干渉するからと、扉を内開きにするような、そんな危険な事例は住宅の設計としては、最低限避けたいところです。
間取りplan a
間取りplan aは、扉の向きを変更してプライバシーに配慮しています。それにより、下駄箱をホールからも使えるように配置できる効果も発揮されます。
リビング扉が階段昇降口に近くなるため、引き戸(壁内引き込み戸)にして、階段登り口をずらすなどの、安全上の検討も必要です。
また、玄関扉正面の収納折れ戸は、扉が目立たないように工夫しましょう。玄関からトイレの出入りが見える、リビングが若干狭くなるなどデメリットも残りますが、それらを補い、十分メリットのほうが勝っているのではないかと思います。
間取りplan b
間取りplan bは、トイレの出入りを玄関側から、洗面室側にすることで、プライバシーに配慮されています。それにより玄関ホールに演出スペースができて、ホールから使える下駄箱を配置できる効果もあります。階段下で天井が低いこと、収納スペースが若干少なくなるデメリットはありますが、こちらもメリットが勝ります。