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【限りあるトイレ内でも手洗い器の大きさに拘(こだわ)る[材料、設備の追求18]】
今回も独断と偏見で旧暦のお話から入らせていただきます。
小暑(しょうしょ)次候 蓮始めて開く(はすはじめてひらく)
蓮(はす)
小暑の次候「蓮始めて開く」を迎えています。
「早起きは三文の徳」のことわざ通り、可憐な花が開いていく様子は早期にしか観ることができません。
泥から生じながらも美しい花を咲かせる蓮は、仏教においては清らかさの象徴。根はお馴染みの野菜、レンコン(蓮根)
となります。
蓮の花は夜明けとともに開き、昼過ぎには窄(つぼ)み、また翌日の夜明けに咲く、というサイクルを3日繰り返します。
儚くも開花後4日で花は散りますが、生命力は旺盛。二千年以上地中に眠っていた種から発芽した「古代蓮」が、大きく花開いています。
・今日をたのしむ
【蓮始めて開く】
旧暦の今ごろの七十二候の季節は、【蓮始めて開く】ですが…
埼玉県行田市の地中に二千年以上眠っていた蓮の種子は、造成工事によって水に触れたことを機に、1973(昭和48)年、発芽・開花しました。
「古代蓮(行田蓮)」と名づけられた蓮は大切に育て増やされ、同地の公園・古代蓮の里のシンボルとなっています。
【迎え火】
東京など、7月にお盆を迎える地域では今日がお盆入り。門前や玄関先で麻幹(おがら)をもやす「迎え火」で、ご先祖様の霊をお迎えします。
【日本標準時刻制定記念日】
1886(明治19)年の今日、兵庫県明石市を通る子午線(東経135度)を日本標準時の基準とする法令を公布し、全国の時間を統一しました。
・季節をたのしむ
【水羊羹(みずようかん)】
ツルっとした口当たりで夏の暑さを和らげてくれる水羊羹。練羊羹に比べて水の配合が多く、甘味が控えめなのがみずみずしい喉ごしの秘密です。
【限りあるトイレ内でも手洗い器の大きさに拘(こだわ)る[材料、設備の追求18]】
【手洗い器の大きさにはこだわる】
どこでもトイレの室内はスペースに限りがあるものです。ですが、そうであったとしても、手洗い器はなるべくなら、できるだけ大きめのものを選択されることをお奨めします。石鹸で手を洗うと結構な量の水が飛び散ってしまいます。
ですから、私の関わる案件では、15㎡以下のワンルーム共同住宅でも、できるだけ大きめのものをお奨めしています。
水が飛び散る状態も不快には違いませんが、飛び散らないように毎回、気を遣いながら手を洗うのもストレスが溜まります。毎日、毎回使ってみて初めて手洗いの小ささに不満がつのり、いつか爆発するのが関の山です。
用を足した後、手を洗い、鏡を見て身繕(みづくろ)いをする。逆にトイレでこれらの一連の動作が完結できると至福の気分が味わえ、気分転換にもなります。
最近はタンクに設置された手洗い器でも従来のものに比べると手を洗うことが考慮された製品もあります。どうしてもスペースや予算に余裕がなく、それらが捻出できない場合はこうしたものを検討する価値はあるかもしれません。
【大きな手洗いは気持ちが良いものです!】
①鏡や絵を飾り、演出する壁
②小物や石鹸ポンプなどを置けるように小さな棚を造作しておくと大変便利です。これだけでも気分転換となります。
③外部に面していないトイレとなる場合が多いので明り取りの窓を設けることをお奨めします。和紙調の中空ポリカーボネイトを嵌め込んでいます。壁厚分の奥行きに花瓶などを置く想定をしています。
【もっと細部に拘(こだわ)り、極める】
次回からは、もっと細部にこだわり、極めるお話をさせていただきます。設計者や匠(たくみ)が隠し持った「マニアックで細かなパーツ」やマニアック過ぎてボツになってしまった「つくり方のアイデア」の数々をお伝えしたいと思います。
通常の生活では意識しないことでも、細部にこだわってみることで、日々の生活や暮らし方の質が見違えるほど向上することがあります。また、既製品が持つ均質的な質感・表情ではなく、モノ造りの専門家ならではのひと工夫で、住宅にこの上ない愛着や愛情が沸き上がり、作品や物件とはいわせない「自分の家」としての特別感が生まれてくるような気がします。
何の変哲もない普通の家だと思っていたけど、住んでみたらなんだかちょっと違う、じんわりと馴染んでくるフィット感や唯一無二感に繋がるアイデアをご期待ください。