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【和室CASE2】Mモジュールの布団を出し入れしにくい押入れ
今回も独断と偏見で、旧暦のお話から、入らせていただきます。
立夏 初候 蛙始めてなく
今とは違う古の五月晴れ(さつきばれ)
現在では、五月晴れ(さつきばれ)というと、五月の気持ちのいい青空を思い浮かべますが、かつては違った意味を持っていました。
昔は旧暦の五月といえば、新暦ではおおよそ6月初旬から7月初旬にあたりますが、梅雨のさなかだったのですね。
そんな時期の晴天ということは、梅雨の合間にぽっかりと広がる晴れ間のことになるのですね。つまり五月晴れとは、梅雨の間の希少な晴れ間を指す言葉でした。驚きです。
旧暦から新暦に切り替えたのは明治五年(1872年)のことですから、百四十年余りの月日を経て、五月という季節のイメージががらりと一変していまに至っています。
今日は曇り空ですが、最近のカラッとした晴天の日に、「今日は五月晴れ(さつきばれ)だ」などと実際の意味を知らずに言っていました。
歴史を知って、話すのと、知らずにするのでは、言葉の奥行きに、大きな違いがありますね。
旧暦の季節、七十二候によると立夏の初候は、蛙始めて鳴く。七十二候では、蛙の鳴き声が夏のはじまりを告げます。およそ五月 五日から九日にかけての季節です。
【和室CASE2】Mモジュールの布団を出し入れしにくい押入れ
今日もまた、母娘(おやこ)連れのお客さんが相談にやってきました。
d 床の間、仏間が欲しいので独立和室の8畳がいいよね。
m 急な来客にも対応できるし、両親が宿泊するとしても気兼ねしなくていいしね。
d 間取りplanAと間取りplanBはどう違うの?
m Aは910㎜の方眼紙に間取りが書いてあって、Bは1000㎜の方眼紙に書いてあるよ。Aがもっとも一般的な8畳和室の寸法だと思うけど…
d それで押入れの奥行きが910㎜と1mになっているんだね。どちらの間取りが使いやすいと思う?
m そうね。Aに比べて畳が広いのはBのメリットだけれど、押し入れの間口が狭いのはデメリットかも。
d よく分かったね!押入れの間口が狭いことに!
m そりゃあ、以前は毎日のように布団の出し入れしていたから当然よ。
d そうね、奥行は910㎜あればいいけど、間口は広くないと物の出し入れがしにくくなるよね。
m押入れはやっぱり布団の出し入れを重視したいね。使いやすい押入れの間口がと奥行きの関係を知りたいわ。
【解決策・処方箋】
メーターモジュールの押入幅は2mにしないと使いにくい。
910㎜モジュールとメーターモジュールの違いが、最も分かり易いのが和室です。畳のサイズにも影響がある他、和室に付属する床の間、仏間、押入にもその影響が表れます。
メーターモジュールの場合は250mm単位で寸法を調整しやすいため、間取りplanBのように3.75 m角で8畳としてもよいし、少し大きめなら4.0m角の和室は畳9枚分の広さがありますが、3.5m角になると畳7.4枚分の広さしかないため、8畳の要望がある場合は必ず確認が必要です。
ところで本題ですが、間取りBの問題点は間口1.75mの押入れです。押入れ襖が引き違いのため襖開放時の有効開口は800㎜を切って、910㎜モジュールの場合に比べて、布団の出し入れがしにくくなります。そのため、解決策①では和室奥行を4.0mにして(押入れの間口を2.0m)と広くしました。和室の間口も4.0mにすればよいのですが、面積を抑えるために、3.75mのままとしました。床の間も間口と奥行が同じではバランスが悪いので、奥行きを調整しています(間取りPlanAのように床框で調整する方法も可)。
解決策②では、(押入れ襖を両開きに)して、より使いやすくしました。ただし間口がどうしても取れない場合以外は引き違い襖のほうが使い易いので推奨します。
高齢者等で布団ラックを使用する場合には特に配慮すべき点です。ただし、開きふすまの場合は、引き違い襖より建具の厚みが少なくて済むので、押入れ奥行きを750㎜としていますが、広いに越したことはありません。
これにより、3.5m角のコンパクトな畳8枚敷きの和室となりました。今回は解説していませんが、間口1.0mの押し入れに布団を入れると、布団が折れた状態になるので、布団を収納する場合は間口1.25m以上で計画をお薦めします。