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建物の内と外の繋がりに極める (かたちと構造PART10)
今回も独断と偏見で、旧暦のお話から、入らせていただきます。
立春 初候 東風凍を解く(とうふうこおりをとく)
春告草(はるつげぐさ)
春告草(はるつげぐさ)は、ご存知ですか?
梅の花のことです。₍₍( ´ ᵕ ` *)⁾⁾
厳しい寒さのなかで、梅の花がチラホラと咲きはじめています。控えめで気品あふれる五弁花(ごべんか)は、昔から春の到来を知らせる「春告草」として愛されてきました。
日本人に備わる、季節のうつろいを慈しむ感性の原点といえるかもしれません。奈良時代に「花見」といえば、桜ではなく梅だったほど。
今でも各地の梅林は見物客で賑わいます。花より団子派の方は、梅饅頭(まんじゅう)や梅羊羹(ようかん)で春告草をたのしんでみては、いかがでしょうか?
そして、七十二候が立春の初候「東風解凍 (はるかぜこおりをとく)」に変わり、暖かい春風が川や湖の氷を解かし始める頃となりました。
ここでは「はるかぜ」と読んでいますが、東の風と書いて「こち」と読み、春先に吹く東寄りの柔らかな風のことをいいます。
東風は、春本番ののんびりと穏やかな風とは違い、まだ冷たさの残る早春の風。
東風が吹くようになると寒気が緩み、春を告げる風として喜ばれてきました。
東風は春の季語で、菅原道真の
「東風吹かば匂ひおこせよ梅の花、主なしとて春を忘るな」
をはじめ、多くの和歌や俳句に詠まれています。
また、動植物などの名詞を伴って「梅東風」「桜東風」「雲雀東風」「鰆東風」「朝東風」など、時間や時期に応じた名で呼ぶことが多いようです。
七十二候はこの候が第一候となり、一年の始まりでもあります。
春の兆しとなる柔らかな風が吹き、冬間に張りつめた厚い氷を解かし始める、まさに春の訪れを表した候です。
まだまだ寒さはありますが、ようやく春の足音が聞こえてきたような…そんな気がします。
建物の内と外の繋がりに極める (かたちと構造PART10)
室内から窓の外の風景を楽しむためには、内と外の繋がりを感じられることが重要であり、欠かすことができません。
それには窓のデザインが鍵となります。気候のいい時期は、複数の建具を開放して大きく繋げることも可能ですが、そうした機会は思っているよりも少ないものです。
窓を閉めているときには建具の線が風景を分断してしまうのです。
そこで大きなFIX窓と引戸の組み合わせにこだわることが不可欠となります。
たとえばこの図の家では、それに加え換気用の小さな窓も設置し、風景を楽しむ窓、換気のための窓、出入りのための窓と、窓の機能をそれぞれ分けて考えることが不可欠となります。
大きなはめ殺し窓で建物の内と外を繋げる
①換気用の窓は簾(すだれ)を入れた「簾戸(すど)」。網戸も兼用しています。
②風景を楽しむための大きなFIX窓はペアガラス以上のものを入れます。出入りする窓は操作性を充分に考慮し断熱性が高く軽量な真空ペアガラスにしましょう。
サッシ枠が内側からは、ほとんど見えない断熱窓もありますので、そちらも採用を検討されることをお薦めいたします。