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「マイナス思考」で暮らしをかんがえてみる(リフォームの大切な視点7)
今回も独断と偏見で、旧暦のお話から、入らせていただきます。
初侯 雷乃声を収む(かみなりのこえをおさむ)
彼岸蕎麦(ひがんそば)
秋の彼岸の行事食といえばおはぎですが、最近では「彼岸蕎麦(ひがんそば)」も広まっています。そういえば、法事などを行う葬祭場の周りには、お蕎麦屋さんが増えてきている気がします。
季節の変わり目となるお彼岸に、消化がよく胃腸に優しい麺を食べて体調を万全に整えようという食養生です。その美味しさもさることながら、栄養バランスにすぐれ、動脈硬化や高血圧などの病気を予防する蕎麦は、スーパーフードとしても注目されています。
折しも蕎麦の生産量日本一を誇る北海道では、6月に撒いた蕎麦が収穫期を迎えています。早いお店では「新蕎麦」や「秋新」の文字がお目見え。蕎麦好きが首を長くして待っていた香り高く味わい深い新蕎麦の季節の到来です。
そして…
明日の朝、晴れていたら空を見上げてみてください。
この時季の天高く馬肥ゆる空には、水族館などで見られるイワシの銀色にキラキラ輝く魚群のような雲が棚引いています…
秋分の初候は、雪乃声を収む(ゆきのこえをおさむ)。夕立と連れ立ってピカッゴロゴロと来ていた雷が鳴らなくなるころ、という意味の季節です。およそ九月二十二日から二十七日ぐらいのこと。
夏の入道雲から秋の鰯雲へ、気づけば空模様も変わっています。
鰯雲が出ると、鰯がよく取れるといいますが、どうなのでしょうね。
空の外れに見かけることも、空全体を覆って一面に広がっていることもありますよ。特に夕焼けに染まる鰯雲の空には見とれてしまうくらいの憂愁がありますね。
秋の季節には、夏の栄華が枯れていく姿に、オー・ヘンリーの「最後の一葉」のような憂愁の美を感じさせる小説があります。なぜか堪らなく好きです。
夏ももちろん好きですが、何十回目か分かりませんが、もう一度読みながら、秋の夕暮れの美しさを満喫したいと思ってます。
「マイナス思考」で暮らしをかんがえてみる(リフォームの大切な視点7)
【把握しきれないほどモノが増えてくる】
家族の生活の仕方の確立
住まいの中に一気に「モノ」が出揃ってきたのは1975年以降です。まさに日本の高度成長期のはじめのころだと思います。この時期にオール電化マンションが登場しました。
そして、システムキッチンなるものが普及し始めたのもこのころだと思います。私たちが腰を据え、ようやく自分たちの暮らしを考えられるようになってきたのもこのころからです。
それからモノがどんどん改良されながら新製品がつくり出され、なかには本当にこんなモノが必要なのかと疑いたくなるようなモノまで出まわり、消えてなくなりました。
ある意味、数十年前に現れ、現在も残っている製品は秀逸極まりないのかもしれません。豊かさを求めて成長してきた社会から成熟していく社会において、豊かさとは選択肢が増えることを指すかのようです。
そうなると当然、選択する暇がなければなりません。そのために必要なのが「生活習慣、生活様式、生活の仕方」なのです。現代的には、ライフスタイルの確立と表現したほうが分かりやすいかもしれません。
【暮らしからモノを「マイナス」していく】
今日、現在ほどそれらが求められている時代はないかもしれません。ライフスタイルの意味は、人生観や価値観、習慣などを含めた個人の生き方です。なので、モノを選択する基準は、これまで培(つちか)われてきた経験の中での判断となります。
新築時に、新居に対するあこがれから使ったことのない設備機器や目新しい空間や部屋を設えたりしてみても、生活をしてみたら、ほとんど使わなかったということが、実際にはよくあることなのです。
ところが、リフォームでは、新築とはまるで違ってこれまでの生活をふまえたうえで判断することになるので、はっきりと「いるモノ」と「いらないモノ」を選択しやすいのです。
もちろん、プラス思考(=足し算)をしてプランを考えていく方法もありますが、リフォームの場合は、何がいらないか、必要ないかマイナス思考(=引き算)をすることで家族それぞれの暮らしに対する思考が見えてくるのです。
リフォームをされる際に、もう一度考えたり、問いかけたり、してみてください。「それはほんとうにあなたの生活習慣にとって必要ですか?」と。