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【土地や敷地の独自性を生かせるリフォーム】
【土地や敷地の独自性を生かせるリフォーム】
今回も独断と偏見で、旧暦のお話から、入らせていただきます。
旧暦 季節 二十四節気 春分 次候 桜始めて開く
桜始(さくらはじ)めて開く
今年も桜の時期がやってきます。春分の次候は、桜始めて開く(さくらはじめてひらく)。
と言っても、現在桜の開花宣言、今年は既に発令されました。例年より早目の開花ということになります。
例年の開花は、およそ三月二十五日から二十九日ごろの、七十二候の季節です。
花見にまつわる言葉はさまざまで、咲く花を見物しに訪ね歩くことを桜狩り(さくらがり)、あるいは花巡り(はなめぐり)といいます。曇れば花曇り(はなぐもり)、寒ければ花冷え(はなびえ)。
昨日から今日にかけては、まさに花冷えの気候になりました。明日はまた春暖炉が戻ってくれるような気がします。
夜空を照らす篝火(かがりび)は、花篝(はなかがり)といいます。昔はライトアップの代わりに、ゆらめく炎とともに眺めていたんですね…。
ちらちらと舞い散る花びらが、辺り一面に散り敷かれた様子を、花筵(はなむしろ)と呼ぶのも風情のあることです。
【土地や敷地の独自性を生かせるリフォーム】
新築にはない、リフォームの最大のメリットは、一戸建てにしてもマンションにしても、「現在この家に住んでいる」ということかもしれません。中古マンションを買って入居前にリフォームをするという場合などを除き、家は変化しても場所が変わらないのが基本です。
たとえば日当たりや風通し、土地の傾斜や隣の建物との関係など、その土地の性格を良くつかんで、家づくりに生かすことができるのが、リフォームの利点だと思います。
「午後二時になると西側全体が隣の家の陰になる」「冬は意外と暖かい」「夜は高速の音がうるさい」など、リフォームの際に役立つあれこれは、実際に住んでいる人でなければ分からないもの。また、「朝日が一番よく当たるのは二階」だと分かっていれば、ダイニングキッチンを二階に設け、気持ち良い環境で朝食を取ることだってできるのです。
東京都・板橋区 H様邸
東京都・板橋区に住むHさんのお宅は、南側に家が密集していて、南からの日がまったくと言っていいほど入りませんでした。ところがそのお宅は、北側に石神井川が流れていて川をまたいで反対の建物まで40m以上ありました。しかも街路樹にソメイヨシノの桜の木が植えられていて、桜の花の時季には見事なまでのお花見の景観が広がる土地でもありました。
そこで思い切って、北側をファザードにして景色を思う存分楽しめるようリビングを北側の二階に設けました。南側はお隣の家が隙間なく密集していて、お隣の家の後ろしの景観しか観ることのできない状況でした。
そこで、南側には風を呼び込める窓と水廻りを設けたのです。日当たりと風通しは、2階、3階を吹き抜けにして天窓と3階の窓から取り入れるようにしました。風は吹き抜けと階段の重力換気を利用して1階、2階の窓から天窓へ風がなくても吹き抜ける設計にしました。その土地の独自性を生かした。家をつくることができたのです。
神奈川県・茅ヶ崎 F様邸
そして、もう一つは、神奈川県・茅ヶ崎に住むFさんですが、リフォームの際、「午後三時に凪がくるので、それまでに洗濯物を取り込まないと湿ってしまう」という経験から、バルコニーの手すりを塩害に弱いアルミではなく、塩害に強い昔ながらの木製に変更。外壁もアルミのサイディングをやめ、モルタルに替える提案をしました。地図からだけでは読み取りにくい土地のクセを生かすこと。それは、家そのものを強く丈夫につくるうえでも役立ったのでした。